特定保健指導『歯科・口腔について』

こんにちは!外部執筆スタッフの管理栄養士の東條尚子です。

皆様の中には、【特定健診・特定保健指導】の仕事に関わっていらっしゃる方も多いことと思います。

今回は、歯科衛生士の資格も取得している立場から、【特定健診・特定保健指導】で使用される『標準的な質問票』に、第3期(2018年4月~)から追加された『歯科・口腔に関する項目』について解説させていただきたいと思います。

 

 

特定健診・特定保健指導の歯科・口腔関連項目について

特定健診・特定保健指導とは

平成20年(2008年)4月から、40歳~74歳のすべての国民に対して年1回の健診を行い、その結果により保健指導を行うことが、健康保険組合などの医療保険者に義務づけられました。

健診の内容をメタボリックシンドロームに照準をしぼったことから、俗に「メタボ健診」ともいわれています。

健診の結果により、保健指導の対象者を把握し、特定保健指導が行われています。

スタート時から10年間は、特定健診・特定保健指導の標準的なプログラムには「歯科・口腔に関する要素」が組み込まれていませんでしたが、第3期(2018年4月~)からは、特定健診・特定保健指導で使用される『標準的な質問票』が改定され、それらに関する項目が含まれることになりました。

『標準的な質問票』における歯科・口腔に関する質問項目

特定健診・特定保健指導で使用される『標準的な質問票』における質問項目1~22の項目数は変更ありませんでしたが、質問項目13は「この1年間で体重の増減が±3kg以上増加している」は削除され、あらたに「食事をかんで食べる時の状態」の質問項目が加わりました。

以下に、「歯科・口腔に関する質問項目」をまとめました。

質問項目に追加された経緯を説明させていただきます。どんなことに注意して保健指導をしたらよいか考えてみましょう。

こんなに、関連項目がありますが、特に、【かむこと】と【栄養】の関係が重視されるようになりました!!

★虫歯、歯周病、歯の喪失等でしっかりかめなくなると・・・


・野菜や果実類の摂取が減少する

・柔らかい穀類や、脂質の多い食品に偏る

・噛まなくても味を感じられるように、味付けの濃いものに偏る

・早食いになり、食べる量が増える

このように、生活習慣病のリスクが高まり、肥満等につながることが指摘されています。

☆しっかりかんで食べられるようになると・・・


・バランスよく食事をとることができる

・唾液の分泌が増加し、消化吸収の促進、味覚の増進に有効になる

・少ない量でも満腹感を感じることができ、食べすぎを防止できる

 

特定保健指導でのアプローチ

◎よくかめないことへの対策


・かむことの重要性を伝え、歯科受診を促す(歯科受診は後回しになりがちです)

◎よくかまないことへの対策


・かむことを意識してみる(例:食事をするときに、20回かむことを経験してみる)

・早食いにならないように、食事中に一度、箸をおく

・意識して野菜等、かみごたえのあるものを増やす

・汁物で流し込むような食べ方をやめる

・丼ものや麺類に偏らない

・一口分の量を意識してみる(一口が多くならないようにする)  等

食事の軟食化が進み、かむ回数や食事に要する時間も極端に減ってきています。

意識しないとよくかむことを実践しづらくなってきています。

まとめ

「かむこと」、「食べる速さ」、「間食や甘い飲み物」、「喫煙」は、<歯科・口腔内の健康>に直結し、それは、<生活習慣病のリスク>にも繋がります。

それらの回答状況も考慮し、歯や口腔の管理が非常に大切であることもふまえながら、食事の改善や生活習慣病予防等についての指導・支援を行いましょう。

参照:厚生労働省健康局「標準的な健診・保健指導プログラム」

公益社団法人 日本歯科医師会

Online Salonを開催します!

~栄養指導に役立つ口腔ケア~

第3期の特定保健指導から歯科口腔の保健指導や受診勧奨が追加されました!

消化のスタートでもあるお口の健康、噛むことは私たち管理栄養士にとって身近な課題。

ですが、研修会などではなかなかお話のない部分かとおもいます!

そこで、Dietitianjobブログでおなじみ、管理栄養士でありながら歯科衛生士の資格もお持ちの東條さんをお迎えし、トークセッションを開催。

栄養指導に役立つ情報をゲットしましょう♪

お申し込みはコチラ