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回復期リハビリテーション病棟で働く管理栄養士③〜摂食・嚥下と退院支援

2022.07.05

こんにちは。石川 章子です。

私は、管理栄養士養成校の大学を卒業後、管理栄養士として回復期リハビリテーション病棟を有する病院で勤務をしていました。

 

前回までは、回復期リハビリテーション病棟についてと、病棟での管理栄養士の役割、栄養指導についてお話ししました。今回は、摂食・嚥下と退院支援についてお話ししていこうと思います。

 

【目次】

1.回復期リハビリテーション病棟とは

2.回復期リハビリテーション病棟での管理栄養士の役割

3.回復期リハビリテーション病棟での栄養管理の実際

①栄養指導について

②摂食・嚥下について

③退院支援について

3.回復期リハビリテーション病棟での栄養管理の実際

①栄養指導については、前回の内容をご参照ください。これから、②摂食・嚥下について➂退院支援について詳しくお話ししていきます。

②摂食・嚥下について

みなさんは、摂食・嚥下についてどんなイメージをお持ちでしょうか。

 

大学の臨床分野で学んだかもしれませんが、私が管理栄養士になったばかりの頃は、摂食・嚥下についての知識はほとんどありませんでした。

 

今は、管理栄養士が摂食・嚥下に積極的に関わることが多くなっているので、大学でも学ぶ内容も増えているかもしれませんね。

 

回復期リハビリテーション病棟の管理栄養士は、患者さんがどのように食事を食べているかを把握することが重要です。

 

実際に患者さんが食事をしているところを見なければ分かりませんので、私は、昼食時必ず病棟に行き、ミールラウンド(患者さんの食事の様子を観察すること)を大切にしていました。

 

時には、食事介助や、他職種とその場で食事の内容や食具、姿勢などを検討しながら、患者さんにとってより良い食事になるように心がけていました。

 

みなさんは、摂食嚥下の5期というのは、ご存知でしょうか。

摂食嚥下は、食べ物を認識してから、口を経由して胃の中へ送り込む、一連の動作のことです。その動作を5段階に分けて考えられることから「摂食嚥下の5期」と呼ばれています。

 

先行期:目で見て食べ物を認識する

準備期:その食べ物を口に取り込み、咀嚼する

口腔期:舌や頬を使い、食べ物を口の奥からのどへ送る

咽頭期:脳にある嚥下中枢からの指令で、食べ物を食道へ送る

食道期:食べ物を胃へ送り込む

 

この5つの段階のうち、どこか1つまたは複数が障害されることを、摂食嚥下障害といいます。

管理栄養士として患者さんと関わる時には、この5期のうちどの点に問題があるのかを明確にすることが重要になります。

 

例えば、認知症の患者さんが、目の前に食事があっても食べようとしないことがあります。そんな時、みなさんならどう対応しますか。

 

まず、食べない原因の1つに食べ物だと認識できていない点があります。つまり、先行期に問題があるということです。

食べ物だと気づいてもらえるように、鼻や口の近くに運んで匂いを感じてもらったり、一口だけ口に入れてみたり、スプーンなどを手に持たせてみたりという試みをします。普段患者さんと接することの多い看護師や看護助手が得意なので、真似をしたり、教えてもらうといいかもしれません。

 

準備期での問題は、咀嚼ができないところにあります。義歯があっていない、歯が欠損している、口腔内が乾燥しているなど、口腔状態が大きく関わります。場合によっては、医師に相談をして歯科受診を依頼したりします。

 

口腔期での問題は、送り込みができないところにあります。麻痺の影響などで、舌の動きが制限されていることも少なくありません。

 

咽頭期に問題がある場合は、脳血管疾患による嚥下障害で嚥下反射が遅延していたり、筋力低下によって、嚥下反射が十分でなかったりと様々な要因があります。

 

食道期に問題がある場合は、何らかの疾患によって食道の蠕動運動が障害されていたりすることがあり、これはVF検査によってみることができます。

口腔期や咽頭期の様子は、VF検査(嚥下造影検査)やVE検査(嚥下内視鏡検査)によってみることができます。管理栄養士も検査に同席し、医師や言語聴覚士と嚥下機能について情報を共有していました。

 

ここに問題がある場合、嚥下機能改善の訓練が必要となります。これは、管理栄養士の専門分野ではありませんが、どのような訓練を行なっているのか言語聴覚士に聞いてみるのも良いと思います。

 

サルコペニアなどの筋力低下による嚥下障害が認められた場合は、積極的な栄養管理が必要となります。筋力を高める訓練と十分な栄養補給を同時に行うことで、嚥下機能を改善できる場合があります。

 

食事だけで必要な栄養を確保することが難しい場合は、栄養補助食品など、その人に合った方法を検討します。嚥下障害もある訳なので、これがなかなか難しいところですが、管理栄養士として力が発揮できるところでもあります。

 

このように、5期のうちどこに問題があるかによって、アプローチの方法は異なります。

 

食形態も、咀嚼の可否や、送り込みの可否によって違ってきます。嚥下については、言語聴覚士に聞きながら学んでいくうちに、患者さんの状態に合った食形態はどれかということもわかるようになってきます。

 

嚥下障害があり、なかなか食べられなかった患者さんが、食べられるようになって、ついには病前の食事を食べられるようになる過程をみることはとても嬉しいことですし、管理栄養士としてのやりがいも感じます。

 

患者さんの食事の様子をよく観察するところから、始めてみてはいかがでしょうか。

 

③退院支援について

退院支援という言葉をきいたことがありますか?病院内ではよく使われる言葉で、近年、入院患者の高齢化によってますます重要視されています。

管理栄養士ができる退院支援は主として食事に関わることですが、大きく分けると2つあります。

 

一つ目は、退院後の生活を踏まえた栄養管理を行うことで、二つ目は、入院期間中の情報を退院先と情報共有することです。

 

まず、退院した後の生活を踏まえた栄養管理ですが、大切なのは患者さんの日常をイメージすることです。

 

例えば、一人暮らしの高齢患者さんの場合、退院後に家事など身の回りのことを自分で行えるよう、少しでも筋力を回復させてまた転倒しないような身体づくりをするために入院中にしっかりと栄養補給をしてもらいます。

 

食形態についても、義歯が合わなくなってしまって噛みにくいからと入院中は柔らかめのご飯を食べていても、退院してからは作ってくれる人はいませんので、義歯の調整をして、もとの食形態が食べられるようにするトレーニングが必要です。

 

もう一つが、退院先との情報共有です。退院先は、自宅、施設、病院など様々です。

 

退院先の施設や病院に、入院中に食べていた食形態と同じものがあるとも限りませんし、自宅であれば、どのような食形態でどのくらい食べる必要があるのかを、家族や担当するケアマネージャーやその他在宅スタッフに伝える必要があります。

 

退院前には、患者を担当する多職種と、在宅スタッフ、患者さん、患者さんの家族が集まってカンファレンスが開かれており、管理栄養士も参加して病院での食形態や食事の注意点について伝えて情報を共有していました。

 

施設や病院に退院する場合は、カンファレンスがないこともあるので、栄養情報提供書(栄養サマリー)を作成していました。食形態は文字だけでは伝わりにくいので、イメージしやすいように写真も添える工夫をしていました。

 

入院中の栄養管理が退院後にも引き継げるように、情報共有はとても重要で、これからますます重要とされていく部分だと感じています。

 

今回は摂食・嚥下と退院支援についてお話ししました。回復期リハビリテーション病棟で働く管理栄養士について興味を持っていただけましたか。私の経験が、何か一つでも現場で活用できる情報であってくれたら嬉しいです。

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