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第34回管理栄養士国家試験問題~人体の構造と機能及び疾病の成り立ち~

問題をクリックすると解答が開きます。

Q17
器官・組織とその内腔を被う上皮細胞の組合せである。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

  1. 食道ー移行上皮
  2. 胃ー重層扁平上皮
  3. 小腸ー線毛上皮
  4. 血管ー単層扁平上皮
  5. 肺胞ー円柱上皮
A17 正解(4)
  • (1)口から食道の粘膜, 腔の粘膜,皮膚の表皮は、重層扁平上皮で被われる。角質がない非角化型重層扁平上皮で被われ, 食道腺から分泌された粘液で潤されている(湿性)。角化があるのは、皮膚の表皮移行上皮は、尿管、膀胱粘膜上皮である。


  • (2)胃粘膜に存在する粘液を産生する表層粘液細胞や副細胞、ペプシノーゲンを産生する主細胞は単層円柱上皮である。


  • (3)小腸粘膜に存在する消化吸収を行う吸収上皮細や粘液を分泌する杯細胞は単層円柱上皮である。線毛を持つ上皮は、単層線毛上皮と言い、気管, 気管支、細気管支に存在し、異物などの排出に関わる。卵管の線毛上皮は卵を輸送する。


  • (4)血管内腔表面を被う上皮は血管内皮細胞とよばれる単層扁平上皮である。(腹膜上皮、肺胞上皮)血管には, 動脈, 静脈, 毛細血管があるが、いずれも内腔表面は血管内皮細胞で被われている。


  • (5)肺胞は袋状の構造で, 内表面は単層扁平上皮であるI型肺胞上皮細胞で被われている。 I型肺胞上皮細胞の外側に毛細血管が存在し、ガス交換に関わっている。 II型肺胞上皮細胞はI型肺胞上皮細胞の間に散在する立方形の細胞で,界面活性物質を分泌している。 

Q18
アミノ酸と糖質に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

  1. 人のたんぱく質を構成するアミノ酸は、主にD型である。
  2. アルギニンは、分枝アミノ酸である。
  3. チロシンは、側鎖に水酸基をもつ。
  4. グルコースの分子量は、ガラクトースの分子量と異なる。
  5. グリコーゲンは、β-1,4グリコシド結合をもつ。
A18 正解(3)

  • (1)タンパク質を構成するアミノ酸はL型である。


  • (2) バリン, ロイシン, イソロイシンは分岐鎖アミノ酸(分岐アミノ酸)であり,疎水性の性質をもつ。 また, 運動時に筋肉のエネルギー源の役割をもつ。 アルギニン, リシン,ヒスチジンは塩基性アミノ酸に分類される。


  • (4) グルコースの分子量はガラクトースと同じ分子量 (180), C6H12O6である。ほかにもフルクトース, マンノースなどがある。グルコース,ガラクトース, マンノースはアルデヒド基をもつアルドース,フルクトースはケトン基をもつケトースである。


  • (5) グリコーゲンは, グルコースが多数結合した多糖類であり、a-1.4グリコシド結合からなる直鎖構造にa-1.6グリコシド結合によって枝分かれをもつ(アミロペクチンより分岐が多い)。グルコースがβ-1.4グリコシド結合で直鎖状に結合した多糖類はセルロースであり,植物細胞の細胞壁を構成している。

Q19
核酸とその分解産物に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

  1. 核酸は、ペプチドに分解される。
  2. ヌクレオチドは、構成糖として六炭糖を含む。
  3. シトシンは、プリン塩基である。
  4. アデニンの最終代謝産物は、尿酸である。
  5. 尿酸の排泄は、アルコールの摂取により促進される。
A19 正解(4)
 
(1)核酸は、ヌクレオチドに分解される。

(2) ヌクレオチドは, 塩基, 五炭糖,リン酸の結合物である。DNAの五炭糖はデオキシリボース, RNAはリボースである。

(3) アデニン (A), グアニン (G) は, プリン塩基, シトシン(C), チミン (T), ウラシル (U) はビリミジン塩基である。DNAの塩基は、 A. C, G. Tの4種, RNAの塩基は、A, C, G, Uの4種である。 

(5) アルコールによってATP分解が促進され尿酸産生が増加する。また,アルコールから生成した乳酸が尿中への尿酸の排泄を阻害する。さらに、アルコールの利尿作用により血中尿酸濃度が上昇し、痛風発作が起こりやすくなる。
Q20
生体エネルギーと酵素に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

  1. クレアチンリン酸は、ATPの加水分解に用いられる。
  2. 酸化的リン酸化によるATP合成は、細胞質ゾルで行われる。
  3. 脱共役たんぱく質(UCP)は、ミトコンドリア内膜に存在する。
  4. アイソザイムは、同じ一次構造をもつ。
  5. 酵素は、触媒する化学反応の活性化エネルギーを増大させる。
A20 正解(3)
 
(1) クレアチンリン酸は高エネルギーリン酸化合物で, 骨格筋にエネルギーを貯め込む働きをする。クレアチン+ATP→クレアチンリン酸+ ADP,この加水分解を触媒する酵素はクレアチンキナーゼである。

(2)酸化的リン酸化によるATP合成は、ミトコンドリアで行われる。 
マトリックスで生じた水素は補酵素に結合し, NADHまたはFADH2として電子伝達系に入る。水素より生じた水素イオンは内膜と外膜の間の膜間腔に貯められて電位差を生じ,電子は内膜上のたんぱく質に順々に伝達され, 膜間腔のATP合成酵素複合体の間を通り水素イオンがマトリックスに戻る際に共役して酸化的リン酸化により ATPが合成される。

(3) UCPはミトコンドリア内膜上に存在する。
電子伝達系の共役反応を脱共役し熱エネルギー産生を行い, 褐色脂肪細胞に多く存在する。褐色脂肪細胞は多胞性の脂肪滴とミトコンドリアを多数含む脂肪細胞であり, ミトコンドリアを多く含むためヘム由来の褐色をし,エネルギーの消費と散逸
に働く。

(4)アイソザイムは,同一個体内で,同じ基質特異性をもち,生成物も同じ,すなわち同一化学反応を触媒するがたんぱく質構造の異なるものいう。a-アミラーゼは, 唾液腺型(S型),膵臓型(P型)の2種のアイソザイムが存在し,一次構造が異なる。乳酸脱水素酵素は,四次構造が異なりアイソザイムは5種類ある。
 

(5)酵素は、触媒する化学反応の活性化エネルギーを減少させる。
酵素反応において基質(S) が生成物 (P) に変化する反応を開始するためには 超えなければならないエネルギーの障壁がある。 ある特定の化学反応の活性化エネルギーを低下させて、常温・常圧の体内で化学反応が起こるよう酵素はこの活性化エネルギーを減少させる働きをしている。
 
 
Q21
アミノ酸・たんぱく質・糖質の代謝に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

  1. アスパラギン酸は、アミノ基転移反応によりピルビン酸になる。
  2. ロイシンは、糖原性アミノ酸である。
  3. ペントースリン酸回路は、ミトコンドリアに存在する。
  4. グルコース-6-ホスファターゼは、筋肉に存在する。
  5. グリコーゲンは、加リン酸分解されるとグルコース1-リン酸を生じる。
A21 正解(5)
 
(1) アラニンは, アミノ基転移反応(酵素(ALT))によってa-ケトグルタル酸に渡され, グルタミン酸になる。
アラニンからアミノ基が取れた物質がピルビン酸である。ALTの補酵素はビタミンB6由来のピリドキサルリン酸(PLP)である。

(2) ケト原性アミノ酸にのみ属するのはロイシンとリシンの2種である。糖新生の原料となるアミノ酸を糖原性アミノ酸, アセチルCOAまたはアセトアセチルCOAを生じケトン体の原料となるアミノ酸をケト原性アミノ酸という。
 
(3)ペントースリン酸回路は,細胞質ゾルに存在する。 解糖系の経路でありグルコース6-リン酸より,ヌクレオチド, 核酸合成に必要なリボース5-リン酸,脂肪酸,ステロイド合成に必要な還元型NADP(NADPH)を産生する。

(4)筋肉にはグルコース-6-ホスファターゼが存在しない。
グルコース6-リン酸よりリン酸基をはずすことができないため、筋肉に貯蔵されたグリコーゲンは血糖にはならず,筋肉のエネルギーとして利用される。
グルコース-6-ホスファターゼが存在するのは、肝臓(一部腎臓)。グルコース6-リン酸より脱リン酸し, グルコースを生成できる。したがって, 肝臓は血糖の供給臓器になる。
 
(5) グリコーゲンは, 加リン酸分解されるとグルコース1-リン酸を生じる。
グルコース1-リン酸はグルコース6-リン酸を経て, 肝臓ではグルコース6-ホスファターゼによって脱リン酸化されグルコースとなる。筋肉にはグルコース-6-ホスファターゼが存在しないため, グルコースにすることはできない。
Q22
恒常性(ホメオスタシス)に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

  1. 感覚神経は、自律神経である。
  2. 生体にストレスが加わると、副交感神経が優位に活性化される。
  3. ヒトの概日リズム(サーカディアンリズム)は、約12時間である。
  4. 体温調節の中枢は、視床下部にある。
  5. 代謝性アシドーシスが生じると、呼吸が抑制される。
A22 正解(4))
 
(1)感覚神経は、体性神経である。
神経は中枢神経と未梢神経に分類される。中枢神経は脳と脊髄である。末梢神経がさらに体性神経と自律神経に分類される。
体性神経は脳神経や脊髄神経で運動神経や感覚神経が含まれる。自律神経は交感神経と副交感神経からなる。

(2) ストレスが加わると交感神経が優位に活性化される。
ストレスに対する防御反応である汎適応症候群は,警告反応期,抵抗期,疲弊期の順に進行する。
警告反応期では交感神経の活動尤進により副腎髄質からのアドレナリン分泌や膵臓からのグルカゴンの分泌が増加する。
また,副腎皮質からの糖質コルチコイドの分泌も増加する。

(3) ヒトの概日リズム(サーカディアンリズム)は24~25時間で, 睡眠· 覚醒,体温, 成長ホルモンやコルチゾールの分泌, 尿生成, 消化管活動などに概日リズムがみられる。
 
(4)体温調整の中枢は、視床下部にある。体温調節,摂食, 満腹, 飲水, 性行動,情動行動などを司る。また, 下垂体前葉ホルモンの分泌を調節する,種々の放出ホルモンと抑制ホルモンを産生して血液に分泌する。パソプレシンとオキシトシンを産生して下垂体後葉から分泌する。

(5)代謝性アシドーシスが生じると呼吸が促進される。
血液中の水素イオン濃度が上昇し、増加した水素イオンを減少させる代償反応として、炭酸,重炭酸緩衝系の働きにより,水素イオンと重炭酸イオンから二酸化炭素と水の生成が増加する。 よって、呼吸が促進される。
 
Q23
サルコペニアに関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

  1. 加齢による場合は、二次性サルコペニアという。
  2. サルコペニアは、内臓脂肪量で評価する。
  3. 筋肉量は、増加する。
  4. 握力は、増大する。
  5. 歩行速度は、遅くなる。
A23 正解(5)
 
(1)加齢による サルコペニアは,原発性サルコペニアという。
 骨格筋量および骨格筋力の低下を特徴とする症候群である。
 活動量,疾病 栄養など明らかな原因に起因するものを二次性サルコペニアという。

(2) サルコペニアは骨格筋量· 筋力 身体能力で評価される,
評価方法としてはそれぞれ,DXA (二重エネルギーX線吸収測定法), 報力, 歩行速度が通常用いられている。 
※内臓脂肪量で評価するのは、メタボリックシンドロームである。  

(3) サルコペニアは, 骨格筋量および骨格筋力の低下を特徴とする症候群である。
診断基準として筋肉量の低下は必須で、これに加えて筋力または身体能力の低下のいずれかが当てはまればサルコペニアと診断される。

(4)(5) 筋力の評価には握力、身体能力の評価には歩行速度が用いられている。
 
Q24
臨床検査に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

  1. 心電図検査は、画像検査である。
  2. X線検査は、生理機能検査である。
  3. 超音波検査は、妊娠中には禁忌である。
  4. スパイロメトリは、拘束性肺障害の診断に用いられる。
  5. 核磁気共鳴イメージング(MRI)検査では、放射線被曝がある。
A24 正解(4)
 
(1)心電図検査は,生理機能検査である。
不整脈や虚血性心疾患などの検査に利用されている。

(2) X線検査は, 画像検査である。
X線を体にあててX線が体内を通過するときの吸収の差により体内の構造を描写し、
レントゲン検査ともいう。X線は放射線であるので, 被曝を伴う。

(3) 超音波検査は, 禁忌に当たらない
探触子から超音波を発して、音響的に性質の異なる組織の境界面から戻ってくる反射波を受信して画像化している。被曝のリスクは伴わず、その安全性と簡便さから, 妊娠中の胎児の発育評価などに使われている。

(4) スパイロメトリは代表的な肺機能検査で, 肺の換気障害の診断に有用である。 %肺活量が80%未満のときは拘束性換気障害を,1秒率が70%未満のときは閉塞性換気障害を考える。

(5) 核磁気共鳴イメージング (MRI) 検査は、 CTとは異なり、磁気を利用して画像を得るため放射線被爆はない。CTとともに体の断面像が得られる代表的な画像検査である。 
 
Q25
症候に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

  1. 浮腫は、血漿膠質浸透圧の上昇により出現する。
  2. 鮮血便は、上部消化管からの出血により出現する。
  3. 腹水は、右心不全により出現する。
  4. 吐血は、呼吸器からの出血である。
  5. JCS(Japan Coma Scale)は、認知機能の指標である。
A25 正解(3)
 
(1)血漿膠質浸透圧の低下により浮腫が出現する。
血漿膠質浸透圧が低下すると,体液は血管内から組織間質に移動して組織間質に体液がたまるので, 浮腫を生じる。浮腫の原因にはその他,毛細血管静水圧の上昇と毛細血管壁透過性亢進がある。膠質浸透圧を生み出す主たるたんぱく質はアルブミンである。
 
(2) 鮮血は、下部消化管(下部回腸・結腸·直腸·門)からの出血で便に混じることが多い。上部消化管(食道·胃 上部小腸)からの出血では, 便は暗褐色のタール便となることが多い。

(3) 右心不全では体循環のうっ血により静脈圧が高まるために, 腹膜腔に体液が漏出して腹水を生じる。腹水の原因に
はその他,膠質浸透圧低下や炎症などがある。

(4)消化管からの出血が口腔から排出される場合を吐血という。
 呼吸器からの出血が口腔から吐き出される場合は喀血、肛門から排出される場合を下血という。

(5) Japan Coma Scaleは, グラスゴー·コーマ·スケールとともに意識障害の指標である。覚醒度により3段階 (I:刺激しないでも覚醒している状態, II :刺激すると覚醒する状態,Ⅲ:刺激をしても覚醒しない状態)に分け, それらをさらに3段階に分けて評価することから, 3-3-9度方式ともよばれる。
Q26
栄養・代謝に関わるホルモン・サイトカインに関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

  1. グレリンは、脂肪細胞から分泌される。
  2. GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)は、空腹時に分泌が増加する。
  3. アディポネクチンの分泌は、メタボリックシンドロームで増加する。
  4. グルカゴンは、グリコーゲン分解を抑制する。
  5. アドレナリンは、脂肪細胞での脂肪分解を促進する。
A26 正解(5)
 
(1)グレリンは, 胃内分泌細胞から分泌される。
ペプチドホルモンで, 視床下部に働きかけて摂食を刺激する。 血中濃度は空腹で上昇し,摂食により低下する。下垂体前葉に働きかけて成長ホルモンの分泌を促進して体重や脂肪を増加させる。肥満者は血中濃度が低く,やせでは高い。

(2) GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1) は、満腹時に分泌が増加する。
GIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド) とともにインクレチンのひとつである。インクレチンは食事性の血糖上昇に依存して小腸から分泌され, 膝臓のランゲルハンス島B細胞からのインスリン分泌を促進して血糖を低下させる。また,GLP-1は勝臓のランゲルハンス島A細胞からのグルカゴン分泌を抑制して血糖の上昇を抑える。

(3) アディポネクチンは, メタボリックシンドロームで分泌が低下する。
脂肪細胞から分泌され, メタボリックシンドロームで脂肪量が増加するほど分泌が低下するアディポサイトカインである。
インスリン感受性を高める作用がある。

(4)グルカゴンは, グリコーゲン分解を促進する。
膵臓ランゲルハンス島A細胞から分泌されるペプチドホルモンである。
肝臓に作用してグリコーゲンの分解とアミノ酸からの糖新生を促進して血糖値を上昇させる。筋肉ではグリコーゲンの分解を促進しない。脂肪細胞では脂肪分解を促進し,遊離脂肪酸の放出を増加させる。

(5) アドレナリンは白色脂肪細胞に働きかけて脂肪の分解を促進して遊離脂肪酸の放出を増加させる。 また, 褐色脂肪細胞や心筋,骨格筋の働きを高めて遊離脂肪酸の取り込みを促進し,熱産生を増加させる。
 
Q27
肥満症の診断基準に必須な健康障害である。誤っているのはどれか。1つ選べ。

  1. 脂質異常症
  2. 高血圧
  3. 閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)
  4. COPD(慢性閉塞性肺疾患)
  5. 変形性関節症
A27 正解(4)
 
※ 肥満症は,「肥満に起因ないし関連する健康障害を合併するか、その合併が予測される場合で, 医学的に減量を必要とする病態をいい,疾患単位として取り扱う」と定義されている。肥満はBMI25以上で判定される。健康障害は「肥満症診療ガイドライン2016」(平成28 [2016] 年改訂)で11の疾患があげられている。
1. 耐糖能障害(2型糖尿病・耐糖能異常など) 
 2. 脂質異常症 
 3. 高血圧 
 4. 高尿酸血症・痛風 
 5. 冠動脈疾患:心筋梗塞・狭心症 
 6. 脳梗塞:脳血栓症・一過性脳虚血発作(TIA) 
 7. 脂肪肝(非アルコール性脂肪性肝疾患/NAFLD) 
8. 月経異常、妊娠合併症

   (妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、難産) 
9. 睡眠時無呼吸症候群(SAS)閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)・肥満低換気症候群 
10. 整形外科的疾患:変形性関節症(膝、股関節)・変形性脊椎症、

腰痛症 
11. 肥満関連腎臓病  
 
 
(1)脂質異常症は,内臓脂肪細胞に過剰に蓄積されたトリグリセリドが放出されて生じる。

(2) 肥満による高血圧は,過食による塩分の過剰摂取,内臓脂肪蓄積によりもたらされるインスリン抵抗性と高インスリン血症による腎臓でのNa再吸収亢進, 高レプチン血症により交感神経優位となることなどに起因すると考えられる。
 
(3) 閉塞性睡眠時無呼吸症候群 (OSAS)は, 肥満により上気道が解剖学的に狭くなって閉塞傾向となることで起こる。
肥満ではさらに, BMIの増加とともに肺容積の減城少に伴う肺機能低下が生じて肥満低換気症候群を起こすので,OSASと肥満低換気症候群はともに肥満による健康障害にあげられている。
 
(4) COPDは、たばこなどの有害物質を吸入することで生じる肺の炎症性疾患であり, 肥満による健康障害ではない。

(5) 変形性関節症は、加齢とともに肥満による過重な負荷がリスクとなる。
Q28
消化器系の構造と機能に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

  1. 食道は、胃の幽門に続く。
  2. ガストリンは、胃酸分泌を抑制する。
  3. 肝臓は、消化酵素を分泌する。
  4. 肝臓は、尿素を産生する。
  5. 肝臓は、カイロミクロンを分泌する。
A28 正解(4)
 
(1)食道からつながる胃の部位は噴門である。幽門は, 胃から十二指腸につながる部位である。
食道と噴門の境には下部食道括約筋,幽門と十二指腸の境には幽門括約筋が存在して,食物の出入りを調節している。

(2) ガストリンは, 胃酸分泌を促進する。食塊が胃に入ると胃幽門部のG細胞から分泌される。胃に働きかけて胃の運動を強めると同時に,胃酸やペプシノーゲンの分泌を盛んにする。 
G細胞からのガストリン分泌は, アミノ酸やペプチドによる胃粘膜への刺激,胃壁の伸展, 副交感神経の興奮などで促進する。

(3) 肝臓は、胆汁を分泌する。胆汁は、膵液とともに十二指腸に分泌される。胆汁には, 胆汁酸,胆汁色素, コレステロール,リン脂質、無機質などが含まれているが, 消化酵素は含まれていない。
 
(4)肝細胞には, たんぱく質の分解で生じる有害なアンモニアを毒性が弱い尿素に変える尿素回路(オルニチン回路)が存在する。肝臓で産生された尿素は血液に分泌され, 腎臓で尿中に排泄される。

(5)小腸は、カイロミクロンを分泌する。
食事中のトリグリセリドは, 膵臓のリパーゼによってモノグリセリドと脂肪酸に分解され、小腸の吸収上皮細胞で吸収される。吸収されたモノグリセリドと脂肪酸は, 吸収上皮細胞中でトリグリセリドに再び合成される。トリグリセリドは、コレステロール, リン脂質, 脂溶性ビタミンとともにリポたんばく質であるキロミクロン (カイロミクロン)に取り込まれて, リンパ液中に放出される。
Q29
循環器系の構造と機能に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

  1. 僧帽弁を通る血液は、動脈血である。
  2. 肺静脈を流れる血液は、静脈血である。
  3. 左心室の壁厚は、右心室の壁厚より薄い。
  4. 交感神経の興奮は、心拍数を低下させる。
  5. アンジオテンシンⅡは、血圧を低下させる。
A29 正解(1)
 
(1)僧帽弁は左心房と左心室の間にある弁で, 血液は左心房から左心室に流れる。左心房には肺静脈の血液が流入する。肺静脈は肺から出る血管で, 肺でガス交換を終えた,酸素が豊富な動脈血が流れている。

(2) 肺静脈を流れる血液は、動脈血である。右心室から肺に血液を送る肺動脈には, 酸素が少ない静脈血が流れている。肺動脈は肺胞で毛細血管となってガス交換を行い,血液は酸素が豊富な動脈血になる。毛細血管の動脈血は肺静脈に流れ, 左心房に注ぐ。

(3) 左心室壁は, 右心室壁の約3倍厚い
左心室は体循環を担い,全身に血液を送るために高い圧力が必要で, 心室筋が発達している。右心室は肺循環を担い,心臓の近くにあって毛細血管が発達して血管抵抗が小さい肺に血液を送る。そのため,右心室が血液を送る圧力は体循環より低くてすむことから、右心室は左心室より心室筋が少ない。
 
(4) 交感神経の興奮は心拍数を増加させる。
心筋は、ひとつひとつの細胞が自発的に興奮して収縮する働きをもっているが、洞結節から発せられる興奮にしたがって協調して収締する。自律神経である交感神経と副交感神経は常に収縮の調節に関わっており, 交感神経の働きが優位になると心拍数が増加し、副交感神経の働きが優位になると心拍数が減少する。

(5) アンジオテンシンⅡは、血圧を上昇させる。
腎臓の血圧が低下するとレニンの分泌が亢進して, レニン·アンジオテンシン· アルドステロン系を介してアンジオテンシンⅡの生成が増加する。アンジオテンシンⅡは血管を収縮させて血圧を上昇させる。また, 副腎皮質からのアルドステロンの分泌を促進し, 血液のナトリウムイオンと水分を増加させて血圧を上昇させる。
Q30
腎・尿路系の構造と機能に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

  1. 集合管は、ネフロンに含まれる。
  2. アンジオテンシンⅡは、アルドステロンの分泌を抑制する。
  3. アルドステロンは、腎実質から分泌される。
  4. バソプレシンの分泌は、血漿浸透圧の上昇により減少する。
  5. 心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)は、ナトリウム排泄を促進する。
A30 正解(5)
 
(1)集合管にネフロンは含まれない
ネフロン (腎単位) は腎臓の機能単位で, 1つの腎臓に約100万個存在する。糸球体,ボーマン嚢, 近位尿細管, へンレループ,遠位尿細管からなり, 途中枝分かれや合流はない。集合管には,複数の遠位尿細管が接続する。腎小体(マルピーギ小体)は, 糸球体とボーマン嚢を合わせたものをいう。

(2)アンジオテンシンはⅡは、アルドステロンの分泌を促進する。
 レニン·アンジオテンシン· アルドステロン系は, 腎臓の血圧低下によってレニンの分泌が増加することによって活性化する。アンジオテンシンⅡは,血管内皮細胞表面にあるアンジオテンシン変換酵素によって, アンジオテンシンIから生成される。血管を収縮させ, 副腎皮質からのアルドステロンの分泌を促進する。

(3) アルドステロンは、副腎皮質から分泌される。
電解質コルチコイドのひとつで, アンジオテンシンⅡによって分泌が促進され, 副腎皮質から分泌される。腎臓の遠位尿細管や集合管に作用して, ナトリウムイオンの再吸収とカリウムイオンと水素イオンの排泄を促進する。

(4) バソプレシンは、血漿浸透圧の上昇により促進する。
視床下部で産生され, 下垂体後葉から分泌される。パソプレシンは、集合管での水の再吸収を促進して、血液の水分量を増加させて血漿浸透圧を低下させる。

(5)心房性ナトリウム利尿ペプチド (ANP)は, 腎臓で糸球体濾過量を増加させ,集合管でナトリウムイオンの再吸収を抑制して, ナトリウムイオンと水の排泄を促進し, 循環血液量を減少させ,血圧を低下させる。ANPは, 心房筋から分泌される。心房に入る血液量が増加して心房が伸展すると分泌が増加する。
Q31
内分泌器官と分泌されるホルモンの組合せである。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

  1. 下垂体前葉ーメラトニン
  2. 下垂体後葉ー黄体形成ホルモン
  3. 甲状腺ーカルシトニン
  4. 副腎皮質ーノルアドレナリン
  5. 副腎髄質ーレプチン
A31 正解(3)
 
(1)メラトニンは, 松果体から分泌される。
光刺激で分泌が抑制されるため,夜間に分泌が増加する。一日の明暗のサイクルに身体の機能を同調させる概日リズムの形成に関わっている。

(2) 黄体形成ホルモンは, 下垂体前葉で産生される。 視床下部から分泌される性腺刺激ホルモン放出ホルモンによって分
泌が促進される。女性では排卵を誘発し,排卵後の卵胞を黄体に変える。男性では精巣におけるテストステロンの分泌を促進する。

(3) カルシトニンは, 甲状腺の傍濾胞細胞(C細胞) から分泌されるペプチドホルモンである。血中カルシウム濃度が上昇すると分泌が促進される。破骨細胞の働きと増殖を抑えて骨吸収を抑制し,腎臓でカルシウムの再吸収を抑えて排泄を促進し,血中カルシウム濃度の上昇を抑える。
 
(4) ノルアドレナリンは、副腎髄質から分泌される。 カテコールアミンの85%がアドレナリンで, 15%がノルアドレナリンである。カテコールアミンの分泌は交感神経の活動充進によって促進され,交感神経の臓器への働きかけを増強し,持続的にする作用がある。
 
(5)レプチンはアディポサイトカインのひとつで, 脂肪細胞が産生するペプチドホルモンである。主に視床下部の受容体を介して摂食を抑制し, 交感神経の活動を充進させてエネルギー代謝を活発にする。エネルギーが過剰になると, レプチンの分泌が増加する。肥満者はレプチンの分泌が増加している。
Q32
内分泌疾患に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

  1. 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)では、高ナトリウム血症がみられる。
  2. バセドウ病では、血清甲状腺刺激ホルモン(TSH)値の上昇がみられる。
  3. 原発性甲状腺機能低下症では、血清クレアチンキナーゼ(CK)値の上昇がみられる。
  4. クッシング症候群では、低血糖がみられる。
  5. 原発性アルドステロン症では、高カリウム血症がみられる。
A32 正解(3)
 
(1) 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)では, 低ナトリウム血症となる。抗利尿ホルモン(ADH)の過剰分泌や過剰作用で腎臓での水再吸収が亢進する。 循環血液量は増加して血液が希釈され,循環血液量の増加により,糸球体瀧過量の増加や心房性ナトリウム利尿ペプチドの分泌が亢進して、低ナトリウム血症がさらに進行する。

(2) バセドウ病は, 血清甲状腺刺激ホルモン(TSH)分泌を低下させる。TSH受容体に対する自己抗体が産生される結果,甲状腺が刺激され,甲状腺ホルモン (T3, T4)が過剰に分泌されて, 甲状腺機能が充進する自己免疫疾患である。甲状腺ホルモンの過剰分泌が下垂体前葉からのTSH分泌低下させることを、ネガティブフィードバック機構という。

(3) クレアチンキナーゼ (CK) は主に筋肉に存在してエネルギー代謝に大きく関わり, クレアチンリン酸+ADP⇔クレアチン+ATPの反応を触媒する。その所在から, 心筋や骨格筋が障害される心筋梗塞や骨格筋損傷などで高値となる。甲状腺機能低下症では酵素の代謝が遅れるために高値となるが、一部は骨格筋由来とも考えられている。
 
(4) クッシング症候群は,高血糖がみられる。
副腎の腫傷や過形成によりコルチゾールが過剰分泌される疾患である。コルチゾールは糖質代謝に関わるホルモンで, その過剰分泌により糖新生の亢進やインスリン抵抗性の増大が生じて高血糖となる。その他,高血圧,骨粗鬆症,中心性肥満、満月様顏貌,赤色皮膚線条,バファローハンプなどを生じる。

(5) 原発性アルドステロン症は, 低カリウム血症を生じる。副腎皮質の腺腫や過形成などが原因でアルドステロンの過剰分泌が起こる疾患である。
アルドステロンは腎臓の遠位尿細管·集合管に作用してNa再吸収(水の再吸収を伴う)とK分泌を促進するホルモンなので、その過剰分部により,高血圧 (循環血漿の増加による)も伴う。
Q33
神経疾患に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

  1. パーキンソン病では、筋緊張低下がみられる。
  2. レビー小体型認知症は、ウイルス感染により起こる。
  3. 脳血管性認知症では、感情失禁がみられる。
  4. アルツハイマー病では、症状が階段状に進行する。
  5. アルツハイマー病では、まだら認知症がみられる。
A33 正解(3)
 
(1)パーキンソン病では、筋緊張亢進がみられる。
 筋緊張低下は、小脳疾患でみられることが多い。 パーキンソン病は,中脳の黒質の変性により, 脳内にドーパミン欠乏が生じて,錐体外路症状(安静時振戦,固縮,無動, 姿勢反射障害)を示す進行性の神経変性疾患である。

(2)レビー小体型認知症は, 神経変性疾である。認知症には, アルツハイマー病, 脳血管性認知症, レビー小体型認知症などがある。幻視が特有。

(3) 脳血管性認知症は, 脳梗塞や脳出血などの脳血管障害が原因となる。認知症の中ではアルツハイマー型認知症に次い
で多い。障害部位に対応した機能が低下するため,まだら認知症となり,脳血管障害が起きるたびに段階的に悪化する。人格は保持され病識もあるが、感情が不安定で,些細なことで泣き笑いする感情失禁がみられることが多い。
 
(4)アルツハイマー型認知症では持続的かつ進行性に悪化していく。 脳血管性認知症は段階状に悪化。アルツハイマー型認知症は認知症の中で最も多く,女性に多い。大脳は萎縮し, 組織所見では老人斑と神経原線維変
化が認められる。早期に人格障害がみられ, 人格の崩壊が著明で病識がない。

(5)まだら認知症は, 脳血管性認知症でみられやすい。様々な機能低下にムラがあることで(例えば,記銘力は低下しているが,専門知識は正常であるなど)脳の障害が血管障害部位に限定される。
 
Q34
呼吸器系の構造と機能に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

  1. 左気管支は、右気管支より垂直に近い。
  2. 外肋間筋は、呼気時に収縮する。
  3. 肺胞膜を介してのガス拡散能は、二酸化炭素より酸素が高い。
  4. 二酸化炭素は、血液中で重炭酸イオンになる。
  5. 静脈血の酸素飽和度は、約97%である。
A34 正解(4)
 
(1)右主気管支は左主気管支に比べて太く, 短く, 傾きは垂直に近い。そのため、気管に入り込んだ異物は右主気管支に入りやすい。主気管支は肺に入り,葉気管支, 区域気管支, 細気管支,終末細気管支,呼吸細気管支,肺胞管, 肺胞嚢, 肺胞につながる。

(2)外肋間筋は、吸気時に収縮する。
安静時の吸息には横隔膜と外肋間筋の収縮が関わる。 外肋間筋は胸式呼吸に関わり, 横隔膜は腹式呼吸に関わる。

(3) 肺胞膜を介してのガス拡散能は、二酸化炭素より酸素が低い
二酸化炭素のガス拡散能は酸素より20~30倍高く, 二酸化炭素は酸素より拡散が早い。ガス交換は分圧(濃度)の差が大きいほど多くなる。肺胞気と静脈血の間における酸素の分圧差は60mmHg, 二酸化炭素の分圧差は6mmHgである。二酸化炭素は酸素より分圧差が小さいが、ガス拡散能が高いため, 二酸化炭素の方が速くガス交換ができる。

(4)血液に入った二酸化炭素の5%はそのまま血繁に溶解し,5%はヘモグロビンなどのたんぱく質に結合する。 残りの90%は重炭酸イオンとなって2/3は血漿に, 1/3は赤血球内に存在する。

(5) 肺でガス交換を終えた動脈血におけるヘモグロビンの酸素飽和度は97.5%である。末梢で酸素を離したヘモグロビン
の酸素飽和度は75%である。この差の22.5%の酸素が組織に供給される。ヘモグロビンの酸素飽和度は,酸素分圧が高く, 二酸化炭素分圧が低く,温度が低く,pHが高くなるほど高くなる。
Q35
COPD(慢性閉塞性肺疾患)に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

  1. わが国では、女性に多い。
  2. 吸気時に、口すぼめ呼吸がみられる。
  3. 樽状胸郭がみられる。
  4. 動脈血中の酸素分圧は、上昇する。
  5. 病期分類には、肺活量が用いられる。
A35 正解(3)
 
(1)COPDは, たばこなどの有害物質を吸入することで生じる肺の炎症性疾患であり,閉塞性換気障害を起こす。喫煙歴がある40歳以上の,男性に多い。統計上,患者数(2014 [平成26] 年)では約70%が男性で,死亡者数(2017 [平成29] 年)では約80%が男性であった(厚生労働省)。

(2) COPDの患者においては, 呼気時に口をすぼめる呼吸によって気道内圧が高まり,呼気時の気道閉塞が軽減される利点がある。
 
(3) 肺胞の破壊により肺の弾力性が低下して肺が過膨張となるため,胸郭の前後径が長くなり,胸郭は樽状に変形する。

(4) 動脈血中の酸素分圧は低下する。肺胞の破壊により肺拡散能が低下することと,重症化した場合には換気血流不均等が起きる。

(5)病期分類には対標準1秒量が用いられる。年齢·体格·性別により算出された標準的な1秒量の予測値に対して, 実測値の比率を%で示したものである。 診断に用いる1秒率は, 1秒量を分子,努力性肺活量を分母として計算するので, 病期が進行すると努力性肺活量が低下して正確に呼吸機能を評価できなくなる。そのため病期分類には用いられない。
Q36
運動器系に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

  1. 骨の主な有機質成分は、コラーゲンである。
  2. 頸椎は、12個で構成される。
  3. 橈骨は、下腿の骨である。
  4. 骨格筋は、平滑筋である。
  5. 白筋は、持続的な収縮に適している。
A36 正解(1)
 
(1)骨の有機質成分で最も多いのはI型コラーゲンで有機質成分の90%を占める。 骨の成分は, 無機質成分が70%, 有機質成分が22%, 水が8%である。無機質成分で最も多いのはリン酸カルシウムで無機質成分の85%を占める。

(2) 脊柱は,7個
 顎椎が7個, 胸椎が12個,腰椎が5個,仙椎が5個と尾椎からなる。 

(3) 前腕の骨には、橈骨と尺骨がある。 橈骨は親指側, 尺骨は小指側で、尺骨を中心に橈骨がよじれる運動をすることで手掌をひるがえす運動(回内·回外) を行う。 
 
(4)骨格筋と心筋は横紋筋である。平滑筋では横紋は見えない。筋肉には, 骨格筋, 心筋, 平滑筋の3種類があり、骨格筋は主に腱を介して骨に付着して身体の運動に関わる。平滑筋は血管や内臓に分布する。

(5)赤筋は,持続的な収縮に適している。酸素を結合できるミオグロビンが多く含まれ, ミトコンドリアに富んだ筋肉で,TCA回路でエネルギーを産生して持続的な収縮に適した遅筋線維でできている。白筋は赤筋よりミオグロビンとミトコンドリアが少なく, 蓄えたATPと解糖系でのエネルギー産生により瞬発的な収縮に適した速筋線維でできている。
Q37
骨粗鬆症に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

  1. 骨芽細胞は、骨吸収に働く。
  2. カルシトニンは、骨吸収を促進する。
  3. エストロゲンは、骨形成を抑制する。
  4. 尿中デオキシピリジノリンは、骨形成マーカーである。
  5. YAM(若年成人平均値)は、骨密度の評価に用いられる。
A37 正解(5)
 
(1)骨芽細胞は、骨形成に働く。
骨は骨形成と骨吸収を絶えず繰り返すリモデリングをしている。骨をつくる骨形成は骨芽細胞や骨細胞が担い,
骨を壊す骨吸収は破骨細胞が担う。一定の骨量を保っている骨は骨形成と骨吸収の速度が同じである。骨粗鬆症では, 骨形成より骨吸収が上回ることにより骨量が減少して, 骨折しやすくなる。

(2) カルシトニンは, 骨吸収を抑制する。
甲状腺濾胞間結合組織にあるC細胞 (傍濾胞細胞)から分泌されるホルモンで, 破骨細胞を抑制することにより骨吸収を抑制し,血中のカルシウムイオン濃度を低下させる。

(3) エストロゲンは、骨形成を促進する。
エストロゲンは骨形成を進め骨吸収を抑制するので, 骨粗鬆症の発症リスクを低下させる。したがって, エストロゲンが激減する閉経後の女性において、 骨粗鬆症の発症リスクが高まる。
 
(4)骨吸収マーカーとして尿中ピリジノリン, デオキシビリジノリン,骨形成マーカーとしてオステオカルシン, 骨型アルカリフォスファターゼなどがあげられる。
 
(5)骨密度は,若年者の骨密度であるYAM (若年成人平均値)との比較で評価される。YAMは,腰椎では20~44歳, 大腿骨近位部では20~29歳の骨密度平均である。脆弱性骨折がない人の場合, 骨密度がYAMの70%以下, あるいはTスコアが-2.5SD以下の場合に, 骨粗轄症と診断される。
 
Q38
女性生殖器疾患と妊娠合併症に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

  1. 子宮頸がんは、腺がんが多い。
  2. ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンは、子宮体がんの予防に用いる。
  3. 閉経後の肥満は、乳がんのリスク因子である。
  4. 妊娠高血圧症候群の重症度は、浮腫の有無で分類する。
  5. 妊娠中に発症した明らかな糖尿病を、妊娠糖尿病という。
A38 正解(3)
 
(1)子宮頸がんは、扁平上皮がんが多い。
子宮頸部に発生する悪性腫瘍で, 特に, 子宮内膜上皮の円柱上皮から膣上皮である重層扁平上皮へと移行する移行帯に多い。がんの組織型には扁平上皮がんと腺がんがあり,扁平上皮がんの比率が多く. 7割程度を占める。

(2) ヒトパピローマウイルスは子宮頸がんの主たる原因である。そのため,子宮頸がん予防にヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンが有効であり, 2013年度から定期接種化されている。

(3) 乳がんのリスクには,エストロゲン曝露と遺伝因子がある。エストロゲンについては, 出産授乳経験が少ないことや,初経が早い場合に曝露期間が長くなる。また, 閉経後は卵巣でのエストロゲン産生は著減するが, 脂肪組織でエストロゲンが産生されることから, 閉経後の肥満もまたエストロゲン曝露の原因となり, 乳がんのリスク因子となる。

(4)妊娠高血圧症候群では, 血圧等で分類する。
収縮期血圧160mmHg以上または拡張期血圧110mmHg以上の場合, あるいは加重型妊娠高血圧腎症において母体の臓器障害または子宮胎盤機能不全を認める場合を重症とする。たんばく尿の多寡による重症度の分類はない。浮腫は本症候群の診断基準そのものにも入っていない。なお, 軽症という分類はない。

(5)妊娠中の糖代謝異常には, 妊娠前から糖尿病がある「糖尿病合併妊娠」と,「妊娠中に初めて発見される糖代謝異常」
の2種類がある。後者は,血糖値が正常よりも高いが糖尿病と診断するほどは高くない「妊娠糖尿病」と,明らかに血糖値が高くて妊娠中に判明した糖尿病「妊娠中の明らかな糖尿病」の2っに分けられる。
 
Q39
血液疾患に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

  1. 鉄欠乏性貧血では、総鉄結合能(TIBC)が低下する。
  2. 悪性貧血は、内因子の欠如で起こる。
  3. 腎性貧血では、エリスロポエチン産生が亢進する。
  4. 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)では、ビタミンK欠乏がみられる。
  5. 血友病では、ハプトグロビンが低下する。
A39 正解(2)
 
(1)鉄欠乏性貧血では,血清鉄の低下と,総鉄結合能(TIBC) と不飽和鉄結合能(UIBC)の上昇がみられる。
「TIBC=不飽和鉄結合能(UIBC) +血清鉄」

(2) 悪性貧血は,萎縮性胃炎により内因子が欠乏してビタミンB12不足となる貧血で, 大球性正色素性貧血となる。 DNA
合成障害による核の成熟障害の結果,骨髄で巨赤芽球を認め,無効造血となる。末梢血では,大型赤血球と過分葉好中球を認め,汎血球減少を示す。

(3)腎性貧血は、 腎障害により腎臓でのエリスロポエチンの分泌が低下して起こる貧血で, 正球性正色素性貧血となる。
骨髄での造血機能が低下し, 網状赤血球が減少することで生じる。
 
(4)特発性血小板減少性紫斑病(ITP)は,免疫学的機序により血小板が破壊される疾患で, 血小板減少により一次止血が障害されて出血傾向をきたす疾患である。一方,ビタミンKは血液凝固に関与するプロトロンビンの生合成に必要であり,欠乏すると二次止血が障害され, 出血を起こす。特に新生児メレナの原因として重要である。

(5) 通常ハプトグロビンの低下はみられない。ハプトグロビンは, 血中の遊離へモグロビンと結合して鉄損失や遊離へモグロビンによる腎障害を防ぐたんぱく質なので,溶血時に血中濃度が低下する。血友病は, 凝固因子の第Ⅷ因子または第Ⅸ因子の先天的な欠損による出血性疾患であり、出血による貧血はあるが, 溶血は起こさない。
Q40
免疫と生体防御に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

  1. 溶血性貧血は、Ⅲ型アレルギーの機序で起こる。
  2. ツベルクリン反応は、Ⅱ型アレルギーの機序で起こる。
  3. 形質細胞は、液性免疫を担う。
  4. IgAは、免疫グロブリンの中で最も血中濃度が高い。
  5. IgGは、5量体である。
A40 正解(3)
 
(1)溶血性貧血は、Ⅱ型アレルギーの機序で起こる。
自己免疫性溶血性貧血や血液型不適合輸血では, 赤血球に抗体が結合することで, 補体の活性化や貪食細胞の働きで赤血球が破壊されて溶血が起こる。 抗体や補体,貪食細胞 が関与して細胞障害が起こるアレルギーはⅡ型アレルギーである。

(2) ツベルクリン反応は, 細胞性免疫による炎症は, IV型アレルギーに分類される。
 結核菌のたんぱく質を皮内注射して48時間後に発赤や硬結を判定して, 結核の感染を判定する
検査である。結核に感染すると, 結核菌のたんぱく質をTリンパ球が認識して細胞性免疫が成立している。 Ⅳ型アレルギーの例に,接触性皮膚炎や臓器移植で起こる拒絶反応がある。

(3) 獲得免疫には, 抗体が関わる液性免疫とTリンパ球などの細胞の反応が中心の細胞性免疫がある。液性免疫では,抗原を認識して活性化したBリンパ球が形質細胞に分化して抗体を産生する。抗体は抗原と特異的に結合して抗原の不活性化や分解に関わる。
 
(4)IgGは、免疫グロブリンの中で最も血中濃度が高い。感染防御等に働く代表的な抗体であり,胎盤を通過して胎児に移行できる唯一の抗体である。抗体には, IgG, IgA, IgM, IgD, IgEの5種類がある。IgAには, 血液に含まれる血清型IgAと, 粘液。消化液,乳汁などに含まれる分泌型IgAがある。

(5)IgGは、単量体である。
抗体として働く免疫グロプリンの基本構造は, Y字型をしている。抗体の種類によってY字型の各部位の構造が異なるが、IgG, 血清型IgA, IgD, IgEはY字型の構造が1つの単量体である。分泌型igAは2量体である。血液の凝集や感染初期に出現するIgMは5量体である。 
Q41
免疫・アレルギー疾患に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

  1. 強皮症では、胃食道逆流症がみられる。
  2. 全身性エリテマトーデス(SLE)は、男性に多い。
  3. 関節リウマチでは、蝶形紅斑がみられる。
  4. シェーグレン症候群では、涙液分泌の増加がみられる。
  5. 食物依存性運動誘発アナフィラキシーは、IgA依存性である。
A41 正解(1)
 
(1)強皮症では, 全身の臓器に硬化性病変をきたし, 様々な臨床症状を呈する。消化管症状として, 嚥下困難,胃食道逆流症や吸収不良症候群を呈する。

(2) 全身性エリテマトーデス (SLE) は, 20~40歳代の女性に多い。抗核抗体, 抗DNA抗体などの自己抗体と自己抗原の免疫複合体が全身組織に沈着することによって発症する全身性の自己免疫疾患で,多彩な臓器病変を示す。蝶形紅斑·円板状紅斑などの皮膚症状,関節炎, ループス腎炎などがみられる。

(3) 蝶形紅斑は鼻梁を中心に両頬に生じる紅斑で, 円板状紅斑とともに全身性エリテマトーデスに特徴的な皮膚症状として知られている。。
 
 
(4) シェーグレン症候群は, 腺細胞からの分泌物の低下が基礎となり,様々な症状が現れる自己免疫疾患のひとつである。涙腺の涙分泌,唾液腺の唾液分泌などが障害され,ドライアイや,ロ内乾燥による嚥下障害が生じる。

(5)食物依存性運動誘発アナフィラキシーは、発症機序はIgE依存性で, I型アレルギーに区分される。特定の食物を摂取した後,運動負荷によって誘発される疾患である。原因食物は小麦と甲殻類が多い。
Q42
感染症に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

  1. わが国の肝細胞がんの原因として、B型肝炎ウイルスが最も多い。
  2. 黄色ブドウ球菌は、グラム陰性球菌である。
  3. 結核は、新興感染症である。
  4. レジオネラ感染症の原因は、生の鶏肉の摂取である。
  5. カンジダ症は、消化管に起こる。
A42 正解(5)
 
(1)わが国の肝細胞がんは現状,肝炎ウイルスによるものが圧倒的に多く,7割がC型肝炎ウイルスで2割がB型肝炎ウイルスである。ただし, 最近ではC型肝炎ウイルスによるがんは減少傾向にあり, 非ウイルス性の肝がんが増えつつある(非アルコール性脂肪性肝疾患も原因のひとつとして考えられる)。

(2) 黄色ブドウ球菌はグラム陽性球菌に属し, 複数の外毒素を出すことから, 食中毒の他,様々な疾患の原因となる。

(3) 再興感染症は,以前から知られていたが最近再び問題となってきた感染症で,結核はその代表格である。新興感染症は近年になって初めて認識された感染症で, 局地的または国際的に急速に広がり, 公衆衛生上問題になるような感染症である。新型コロナウイルス感染症, 重症急性呼吸器症候群,鳥インフルエンザ, エボラ出血熱なとがある。
 
(4)レジオネラ感染症は,温泉·循環式風呂 貯水槽などが菌のリザーバーとなり, 汚染された水を誤嚥したりエアロゾルとして吸入することで感染する。グラム陰性標菌であるレジオネラニューモフィラに起因し, 肺炎を主体とした多彩な全身症状を示す疾患である。
生の鶏肉による感染症で有名なのは,カンピロパクター感染症である。
 
(5)カンジダ症はカンジダ属の真菌により起きる感染症で, 日和見感染症の代表格である。体表面に発症する表在性カン
ジダ症と、血液や内臓に発症する深在性カンジダ症に分けられ、前者は消化管(口腔 咽頭·食道など), 皮膚,性器などにみられる。

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