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第30回管理栄養士国家試験問題~栄養教育論~

問題をクリックすると解答が開きます。

    • Q100

  • 児童の野菜摂取に関する行動の記述である。オペラント条件づけに当てはまるものとして、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 先生に「野菜を食べましょう」と言われたので、食べた。
  2. 野菜を食べたら先生に褒められたので、次も食べた。
  3. 運動後おなかが空いたので、野菜も食べた。
  4. 友達が野菜を残したので、自分も食べなかった。
  5. 野菜を食べたがおいしくなかったので、食べなくなった。

 

A100 正解(2)かつ(5)
  • オペラント条件づけの「オペラント」は環境(environment)を操作(operate)する意味の造語。行動はその行動による結果に影響を及ぼすというもので、オペラント条件づけの特徴は学習により「自発的な行動」がその後の結果で変化を受けるところにある。(2)(5)はいずれも「野菜を食べた」という行動が先にあるのでオぺラント条件づけ。(1)は「先生に言われた」(3)は「お腹が空いた」(4)は「友達が残した」という刺激に対しての反応(行動)。

    • Q101

  • 生活習慣改善に消極的な中年男性に、計画的行動理論を用いた支援を行った。主観的規範を高めるための管理栄養士の発言である。正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. 体重が減ると、検査結果もよくなりますよ。
  2. ご家族は、あなたがずっと健康でいることを願っていますよ。
  3. 今よりも10分だけ多く、からだを動かしてみませんか。
  4. 簡単にできる食事の方法を紹介しましょう。
  5. 健康になった10年後の自分の姿を想像してみてください。

 

A101 正解(2)
  • 計画的行動理論における「主観的規範」は周囲の期待に応えたいという気持ち。(1)結果期待(社会的認知理論)(3)目標設定(4)行動のコントロール感、自己効力感を高める支援(5)感情的体験(トランスセオレテイカルモデル)

    • Q102

  • 高校運動部の生徒に対する食生活改善のための支援と、社会的認知理論の構成要素の組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. 食事内容を練習日記につけるよう勧めるー観察学習
  2. 望ましい食べ方をしている選手の例を紹介するー結果期待
  3. 食生活を改善すれば、体力がつくことを説明するー自己効力感
  4. 生徒の家族に、弁当の改善を提案するー相互決定主義
  5. できることからやってみようと話すー自己制御

 

A102 正解(4)
  • (1)自己監視(セルフモニタリング)(2)代理体験(自己効力感を高める方法で観察学習に通じる)(3)結果期待(5)スモールステップ(自己効力感を高める方法)

    • Q103

  • 半年前に配偶者を亡くし、食欲が低下したままの高齢期の男性に対する栄養カウンセリングである。ラポールの形成が期待できる管理栄養士の発言として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

  1. 昨日、どのようなものを召し上がりましたか。
  2. 食事の量が不足していますから、もっと食べて元気になりましょう。
  3. まだ半年ですから、食べる気力もでませんよね。
  4. もう半年も経ちますので、そろそろ気持ちを切りかえてみませんか。

 

A103 正解(3)
  • カウンセリングにおいてラポールの形成は「傾聴」「受容」「共感的理解」等が必要。(3)食欲がない現状を受入れ、その状況を理解したことを返す発言。

    • Q104

  • 大企業において、社員の健康づくりのための減塩行動の普及を目的に、新たな取組を行うこととなった。社内で減塩行動を早く普及させるための、イノベーション普及理論に基づく初期活動である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。

  1. 全社員に、減塩の意義を記載したリーフレットを配布する。
  2. 全社員に、減塩の意義を社内メールで知らせる。
  3. 部署ごとに、順次、減塩教育を行う。
  4. 部長を集め、減塩教育を行う。

 

A104 正解(4)
  • イノベーション普及理論は新しい情報・技術がどのように普及し社会を変化させていくかを示した理論。初期採用者に普及するとその後の普及が早くなると言われている。(1)(2)「減塩の意義」をリーフレット・メールで知らせても「減塩行動」には結び付きにくい。(3)部署ごとは社内での普及の速さに差が出る可能性がある。

    • Q105

  • 減量中の中年女性の行動である。行動変容技法のうち、刺激統制として、正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. 間食の回数を減らすことを、仲の良い友人に宣言する。
  2. 間食を1週間我慢できたら、バッグを買うと決める。 
  3. 菓子店のメールマガジンの配信を停止する。
  4. 間食をしたくなったら、友人に電話をかける。
  5. 間食を減らすことで得られるメリットとデメリットを考える。

 

A105 正解(3)
  • (1)行動契約(目標宣言)(2)オペラント強化(4)反応妨害・拮抗、行動置換(5)意思決定バランス

    • Q106

  • 減量のために禁酒を目標とした成人男性である。宴席に誘われてお酒を飲んでしまい、失敗したと思い込んでいる。行動変容技法のうち、認知再構成を用いた管理栄養士の支援である。正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. 禁酒の効果を、改めて説明する。
  2. お酒を飲んだ時の状況を確認する。
  3. どれくらいの量を飲んだのかを詳しく聞き取る。
  4. 1回くらいなら、あまり気にしなくてもよいと話す。
  5. 宴席に誘われた時の断り方を練習する。

 

A106 正解(4)
  • 認知再構成はこれまでの考えを変える事。(1)知識・情報の提供(2)(3)現状の把握・確認(5)社会技術訓練(ソーシャルスキルトレーニング)

    • Q107

  • 食事の準備が困難であると感じている、単身男性への栄養教育に関する記述である。バランスの良い食事をとることへの自己効力感を高める支援である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。

  1. 家にどのような調理器具があるかを尋ねる。
  2. 食事内容の記録を勧める。
  3. 栄養バランスの良い手作りメニューを紹介する。
  4. 外食を活用しても、栄養バランスがとれる方法があることを伝える。

 

A107 正解(4)
  • 自己効力感はある行動を実行できるという自信。問題設定の状況は「食事の準備が困難な単身男性」にバランスの良い食事を自身もって実行出来るように支援する適切な方法を選ぶ問題。(1)(3)「食事の準備が困難」な状況にはそぐわない。(2)食事記録からバランスの確認(評価)を勧めているが「バランスの良い食事をとる」ことからは間接的。

    • Q108

  • 糖尿病教室を修了した患者が集まり、セルフヘルプグループの立ち上げを計画している。それを支援する管理栄養士の対応である。正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 他のセルフヘルプグループのリーダーを紹介した。
  2. 年間の活動計画は、管理栄養士が決めた。
  3. 募金を募り、金銭的な援助をした。
  4. グループの活動に使える公共施設を紹介した。
  5. 運営は管理栄養士が主体的に行うこととした。

 

A108 正解(1)かつ(4)
  • (2)年間の活動計画はグループメンバーで話し合って決める。セルフヘルプグループを立ち上げる効果はグループ活動を通じてメンバー自らが気づき主体的に行動出来る能力が育成されること。(3)グループの活動計画・活動内容によって募金が必要かどうか判断。(5)運営はグループメンバーによって行われる。

    • Q109

  • 大学生を対象に、朝食を毎日食べることを目的とした栄養教育において、学習者が設定する行動目標である。正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. 朝食を食べる必要性を理解する。
  2. 早寝早起きをする。
  3. 家の人に朝食を用意してもらう。
  4. 簡単な朝食の作り方を学ぶ。
  5. 朝食を毎日食べている友人の話を聞く。

 

A109 正解(2)
  • 「朝食を毎日食べる事」を目的として学習者が自ら設定する「行動目標」に関する問題。学習者が具体的に行動するのは(2)のみ。(1)(4)(5)学習目的(3)自分の行動ではない。

    • Q110

  • 栄養教育プログラムの実施に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. 学習者に情報を伝達する経路を、プレゼンテーションという。
  2. 教育者の身だしなみは、非言語的コミュニケーションに含まれる。
  3. 学習者に教育者の持つ知識を伝える行為を、モニタリングという。
  4. 文字などで学習者に情報を伝達する行為を、チャネルという。
  5. プログラムが計画どおり進んでいるかの確認を、コミュニケーションという。

 

A110 正解(2)
  • (1)学習者に情報を伝達する経路をチャネル。(3)学習者に教育者の知識を伝える行為をプレゼンテーション。プレゼンテーションはコミュニケーションの1つ。(4)文字等で学習者に情報を伝達する行為を言語的コミュニケーション。(5)プログラムが計画通り進んでいるか確認をモニタリング。

    • Q111

  • ロコモティブシンドローム予防を目的として行う、骨粗鬆症検診受診者を対象とした栄養教育プログラムの評価と、評価の種類の組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. 検診結果から学習者を決定した方法が適切だったかを確認したー経過評価
  2. プログラムの参加率が低かったため、途中から開始時刻を変更したー結果評価
  3. 学習者が記録した毎日の歩数で、行動の実行を確認したー影響評価
  4. 学習者の日常生活動作の改善を確認したー形成的評価
  5. 学習者が書いた感想で、講義内容の理解度を確認したー企画評価

 

A111 正解(3)
  • 設問はロコモティブシンドローム予防目的で骨粗鬆症検診受診者を対象。(1)企画評価(2)経過評価(4)結果評価(5)影響評価

    • Q112

  • メタボリックシンドローム改善を目的とした栄養教育の経済評価に関する記述である。[ ]に入る正しいものの組合せはどれか。1つ選べ。
    • 栄養教育の総費用は、240,000円、学習者は60人であった。学習者のうち、教育の結果目標である、「体重を5%以上減少」を達成できた者は50%であった。結果目標達成者1人当たりを効果の単位とした場合の[a]は、[b]円であったと計算できる。

    •      a   b

  1. 費用効果ー8,000
  2. 費用効果ー4,000
  3. 費用便益ー120,000
  4. 費用効用ー8,000
  5. 費用効用-4,000

 

A112 正解(1)
  • 費用効果分析は効果1単位あたりの費用を算出する方法。費用便益分析は成果をすべて金額に換算して経済性を評価する方法。費用効用分析は質的な評価目標を用いて費用を算出する方法。240,000円を使って60人の50%の30人(60×0.5=30)が目標を達成したので1人あたりは240,000÷30=8,000の計算で8,000円。

    • Q113

  • 夏期に始業時刻を1時間早める職場において、朝食を食べる人を増加させるプログラムを計画している。プリシード・プロシードモデルに基づいて行うアセスメントの項目と、その内容の組合せである。正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 行動と生活習慣ー職場における朝の軽食サービスの有無
  2. 準備要因ー始業時刻が早まると朝食を食べにくいと考えている社員の割合
  3. 強化要因ー早朝でも朝食を入手できる職場近くの店舗の数
  4. 実現要因ーこのプログラムに携わるスタッフの数
  5. 教育戦略-朝食摂取と健康の関連を理解している社員の割合

 

A113 正解(2)かつ(4)
  • プリシード・プロシードモデルにおけるアセスメント「準備要因」は行動を起こす動機に関する要因・知識・態度等。「強化要因」は行動の継続に影響する周囲の人のサポート等。「実現要因」は行動の実現を可能にする資源、法律・制度等。(1)起床時間・就寝時間・朝食の摂取状況(3)早朝でも朝食を準備する家族の有無(5)職場において朝の軽食サービスを実践

    • Q114

  • ソーシャルマーケティングの考え方を、大学生を対象とした栄養教育に応用した。マーケティング・ミックスの4Pのプロダクト(Product)を、「学生食堂で野菜メニューを主体的に選択する」とした場合の取組である。誤っているのはどれか。1つ選べ。

  1. 対象集団の細分化のため、学生の野菜摂取行動の変容に対する準備性を調査した。
  2. 野菜摂取行動の変容の準備性別に、フォーカス・グループ・インタビューを実施した。
  3. プレイス(Place)として、学生食堂の受託企業と大学および学生代表からなる協議の場を設けた。
  4. プライス(Price)として、学生食堂で野菜メニューの割引を行った。
  5. プロモーション(Promotion)として、学園祭で、人気野菜メニューの試食イベントを開催した。

 

A114 正解(3)
  • ソーシャルマーケティングにおけるマーケティングミックスの4Pは、プロダクト(Product;良製品か)・プライス(Price;適正価格か)・プレイス(Place;よく流通しているか)・プロモーション(Promotion;販売促進を行っているか)。(3)プレイスとして学生食堂において野菜メニュー数を増やし選びやすく配置。

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