第31回管理栄養士国家試験問題~臨床栄養学~
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Q115
- 薬剤師
- 看護師
- 臨床工学士
- 理学療法士
- 臨床検査技師
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算定基準は1.医師2.看護師又は保健師3.管理栄養士。(1)算定基準に含まれない。(3)算定基準に含まれない。血液浄化装置・人工心肺装置等の生命維持管理装置の操作・保守点検を行う専門家。(4)算定基準に含まれない。心身に障害をもつ人に対し基本的動作を回復させるリハビリを行う専門家。(5)算定基準に含まれない。
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Q116
- クリニカルパスにより、チーム医療は不要になる。
- リスクマネジメントには、リスクの特定が含まれる。
- ノーマリゼーションは、患者の重症度を判別することである。
- アドヒアランスは、障がい者への栄養介入を実施することである。
- セカンドオピニオンは、患者が栄養食事指導を受ける権利である。
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(1)不要ではなく推進される。病気別に治療・検査・看護ケア内容・タイムスケジュールを一覧表にしたもの。複数で情報が共有できるのでチーム医療が進む。(3)重症度を判別するのはトリアージ。ノーマリゼ―ションは社会的弱者といわれる人々が他の人々と同じように生活できるのが社会の姿であるという考え方。(4)障害者への栄養介入実施ではなく、患者が積極的に治療方針の決定や治療に参加すること。(5)患者が栄養食事指導受けるのではなく、患者が納得のいく治療を受けるために他の医師の意見を聞く事。
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Q117
- 血清コリンエステラーゼーたんぱく質の合成低下
- 血清トランスサイレチンー鉄の欠乏
- 血清レチノール結合たんぱく質ー銅の欠乏
- 尿中ケトン体ーたんぱく質の異化亢進
- 尿中尿素窒素ーブドウ糖の利用障害
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(2)栄養状態の判定。トランスサイレチンはプレアルブミンとも呼ばれ、半減期が約2日と短いので、栄養状態や肝たんぱく質合成能の判定に用いる。(3)栄養状態の判定。レチノールを運搬する糖たんぱく質。半減期が16時間と短いため、栄養状態や肝たんぱく質合成能の判定に用いる。(4)ブドウ糖の利用障害を示す。ケトン体は脂肪がエネルギー源になる時できる中間代謝産物。ブドウ糖不足や代謝障害が起きると、脂質の代謝が盛んになり増加。(5)たんぱく質の異化亢進。尿素窒素はエネルギーとして使われたたんぱく質の老廃物が二酸化炭素と結合し無害化されたもの。排泄機能低下でも増加。
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Q118
- 成分栄養剤は、食物繊維を含む。
- 成分栄養剤の脂質エネルギー比率は、20%Eである。
- 経腸栄養剤のNPC/N(非たんぱく質カロリー窒素比)は、50未満である。
- 中心静脈栄養法では、糖質濃度30%の維持液が用いられる。
- 末梢静脈栄養法では、糖質濃度20%の維持液が用いられる。
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(1)消化管を刺激する食物繊維は含まない。消化管の安静が必要な疾患で用いるのが成分栄養剤。(2)1~2%E。消化管を刺激する脂質はほとんど含まない。長期にわたる場合は必須脂肪酸欠乏に注意。(3)150~200kcal/g。体たんぱく修復に使われるための指標。(5)7.5%。高濃度のブドウ糖を用いると血栓性静脈炎等のリスクが高くなる。
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Q119
- アキレス腱肥厚ー血清LDL-コレステロール高値
- 腹水ー血清アルブミン低値
- 満月様顔貌ー浮腫
- 味覚異常ー亜鉛欠乏
- さじ状爪ー鉄欠乏
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(3)副腎皮質ホルモンの過剰分泌により起こる。顔・方・腹等に脂肪が沈着する中心性肥満。ステロイドの長期間大量使用・クッシング症候群等で起こる。血清アルブミン低値で浮腫が起こる。
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Q120
- アンギオテンシン変換酵素阻害薬ーコレステロール合成の抑制
- α-グルコシダーゼ阻害薬ー食後血糖値の上昇抑制
- アロプリノールー血圧の降下
- マジンドールー食欲の亢進
- ラクツロースー低血糖の予防
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(1)血圧上昇に作用する。アンギオテンシンを活性化し、1.末梢血管収縮、2.副腎皮質のアルドステロン分泌を促し血圧が上昇。スタチン系薬剤がコレステロール合成抑制作用。(3)尿酸降薬。核酸からヒポキサンチン、尿酸に代謝される反応を阻害。(4)食欲抑制剤。シナプス前細胞から放出される神経伝達物質の再吸収を阻害しシナプス間隙の神経伝達物質を増加。満腹中枢を刺激し満腹感を感じる。(5)高アンモニア血症治療薬。腸内細菌により有機酸に代謝され腸管内の酸性度を上げる。高いと腸管でのアンモニア産生と腸管吸収が抑制され血中アンモニア濃度が低下。
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Q121
- 主観的情報ー80歳
- 客観的情報ー食べたくない。
- アセスメントー嚥下訓練を行った。
- 計画ー脳梗塞の既往
- 退院時要約ーミキサー食を摂取できるようになった。
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(1)主観的情報は食べたくない。患者の発言や家族からの情報。(2)客観的情報は脳梗塞。臨床データー・病状・身体計測・食事摂取量・観察。(3)アセスメントは嚥下障害。主観的情報と客観的情報を基に栄養ケアを行う為の問題、本人の受入れ状況等を分析する事。(4)計画は嚥下訓練。1~3を基にした治療方針。
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Q122
- ビタミンAーペラグラ
- ビタミンCー骨軟化症
- 葉酸ー巨赤芽球性貧血
- ヨウ素ーヘモクロマトーシス
- 亜鉛ーウイルソン病
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(1)欠乏症は夜盲症・皮膚乾燥症・易感染。過剰症は頭蓋内亢進・胎児催奇形。ナイアシンの欠乏がペラグラ。(2)欠乏症は壊血病。ビタミンDの欠乏が骨軟化症。(4)欠病商は甲状腺腫・クレチン病。先天性鉄代謝障害がヘモクロマトーシス。(5)欠乏症は味覚異常・成長障害。先天性銅代謝異常症がウイルソン病。
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Q123
- 外来通院治療とする。
- 6ヶ月以上、継続する。
- インスリン治療中の患者は、禁忌である。
- 1,000kcal/日である。水分摂取量を制限する。
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(1)入院。飢餓時の様な大きな代謝変化が起きるから。(2)期間は決まっていない。(4)1日600kcal以下。BMI≧30の睡眠時無呼吸症候群等の健康障害がある・早急に減量が必要な肥満者が対象。(5)積極的に摂取。食事の絶対量が少ない為水分摂取量が不足する。
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Q124
- 炭水化物量70g
- たんぱく質量60g
- 脂質量110g
- 食塩相当量12g
- 食物繊維量10g
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(1)175~210g。指示エネルギー量の50~60%。(3)30~40g。目安は20~25%。糖尿病治療ガイドでは脂質エネルギーは炭水化物とたんぱく質からのカロリーを除いたもの。(4)男性:8g/日未満、女性:7g/日未満。(5)1日20~25g以上。食後の血糖値上昇を緩やかに抑え、合併症予防効果が期待されるので積極的に取入れる。
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Q125
- ビグアナイド薬ー肝臓での糖新生の抑制
- チアゾリジン薬ー消化管での糖吸収の抑制
- スルホニル尿素薬(SU薬)ーインスリン分泌の促進
- DPP-4阻害薬ーインクレチン分解の抑制
- SGLT2阻害薬ー腎臓での糖再吸収の抑制
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(2)インスリン抵抗性改善薬。1.筋肉・肝臓での糖の取込を改善。α-グルコシターゼ阻害薬が消化管での糖吸収を抑制。
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Q126
- 高カイロミクロン血症では、脂質のエネルギー比率を30%E以上にする。
- 高LDL-コレステロール血症では、飽和脂肪酸の摂取を控える。
- 高LDL-コレステロール血症では、食物繊維摂取量を10g/日以下にする。
- 低HDL-コレステロール血症では、有酸素運動を控える。
- 高トリグリセリド血症では、水分摂取量を制限する。
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(1)15%E以下。カイロミクロンは小腸で吸収された食事由来の脂質を各組織へ運ぶ。脂質制限により合成量が減少。(3)水溶性食物繊維の摂取を増やす。コレステロールの吸収を阻害し体内のコレステロールの排泄を促す。(4)有酸素運動を勧める。運動不足・肥満・喫煙等が原因の為。3日/週、30分以上の有酸素運動はHDLを増加。(5)1.炭水化物エネルギー比はやや低め 2.アルコールの過剰摂取の制限。糖質・アルコール摂取によりVLDLの合成が亢進。
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Q127
- 食後は、すぐに仰臥位をとる。
- 1回当たりの食事量を多くする。
- 高脂肪食を選択する。
- カフェインの摂取を控える。
- かんきつ類を多く摂取する。
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(1)食後2時間は座位。食べ物に重力が働くので逆流を起しにくい。(2)少なくする。沢山の食べ物が胃に入ると滞在時間が長くなり、胃もたれ・膨満感・逆流の原因に。肥満が原因のこともある。(3)避ける。高脂肪食・アルコールは胃酸の分泌が増え逆流が起きやすくなる。(5)酸性の強いものは避ける。
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Q128
- たんぱく漏出性胃腸症では、たんぱく質摂取量を制限する。
- クローン病では、カリウム摂取量を制限する。
- クローン病では、脂質摂取量を制限する。
- 潰瘍性大腸炎では、水溶性食物繊維摂取量を制限する。
- 過敏性腸症候群では、中心静脈栄養を行う。
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(1)増やす。血中のアルブミンが消化管へ漏出するので低たんぱく血症が起こる。(2)腸管の安静・栄養状態の確保。低脂肪・低刺激・高たんぱく質・高カロリー食。腎臓病がカリウム制限。(4)制限しない積極的に摂取。不溶性食物繊維は避ける。(5)アルコールや刺激物を控え、食物繊維を積極的に摂取。腸の検査や血液検査で明らかな異常はないが下痢・分泌が続く疾患。
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Q129
- 急性肝炎の黄疸時では、たんぱく質の摂取量を制限する。
- C型慢性肝炎では、鉄の摂取量を増やす。
- 胆石症では、食物繊維の摂取量を制限する。
- 急性胆のう炎では、脂質の摂取量を制限する。
- 急性膵炎では、脂質の摂取量を増やす。
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(1)制限しない。ビリルビンを胆汁へ排出する機能が障害される。胆汁分泌を促す脂肪の摂取は制限する。(2)摂取制限を行う。血清フェリチンの高値例に対し肝内の過剰鉄を減らす為。(3)制限はしない。適正量を摂取。(5)負荷がかかるので制限する。
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Q130
- 腹部疼痛が増強する。
- 低血糖を起こしやすい。
- 飲酒を許可する。
- たんぱく質摂取量を制限する。
- 中鎖脂肪酸を食事に利用する。
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(1)膵臓組織の石灰化→線維化が進み、膵臓機能不全に基づく症状が主体となる時期。代表的な症状の痛みはあまり感じられない。(3)禁酒。(4)制限しない。胃・腸の臓器からたんぱく質分解酵素が分泌されるため。
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Q131
- サイアザイド系利尿薬は、ナトリウムの尿中排泄を促進する。
- カルシウム拮抗薬は、カルシウムの消化管での吸収を抑制する。
- アンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬は、カリウムの尿中排泄を促進する。
- β遮断薬は、インスリン分泌を促進する。
- α遮断薬は、脂肪分解を促進する。
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(2)抑制するものではない。血管の平滑筋にあるカルシウムチャンネルの機能を拮抗し血管拡張作用をする薬剤。(3)促進ではなく副作用として抑制され血中濃度の上昇を示すことがある。アンギオテンシンⅡがアンギオテンシンⅡ受容体への結合を阻害することで血圧の降下作用を示す。(4)交感神経系の興奮はノルアドレナリンがβ受容体に結合することで心臓・血管に伝わる。β遮断薬はβ受容体に結合してノルアドレナリンの結合を妨げ、心臓の心拍数を減らし収縮力を弱め血圧を下げる。(5)血管のα受容体とノルアドレナリンの結合を遮断し血管を拡張、血圧を下げる。又、グリコーゲン分解を抑制することで血糖上昇を抑制。インスリン分泌促進作用・血清コレステロール減少・血清HDL上昇等の脂質代謝改善作用もある。
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Q132
- 狭心症ー低カリウム食
- 脳出血ー減塩食
- うっ血性心不全ー低リン食
- 心房細動ー低脂肪食
- 高血圧ー高炭水化物食
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(1)カリウムは低ではなく十分摂取。(3)低リン食ではなく水分・塩分制限。(4)血液凝固防止に努め、ビタミンK摂取に注意。服薬治療時はビタミンKの含有量の多い納豆・グレープフルーツ等は控える。(5)食塩摂取量を少なく、カリウムを十分摂取。バランスの摂れた食事。
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Q133
- 重症度分類には、尿中尿素窒素値を用いる。
- たんぱく質摂取量の推定には、血清総たんぱく質値を用いる。
- 食塩摂取量の推定には、血清ナトリウム値を用いる。
- ビタミンD活性化障害の評価には、血清カリウム値を用いる。
- 代謝性アシドーシスの評価には、動脈血重炭酸イオン値を用いる。
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(1)尿中尿素窒素値ではなく糸球体濾過量・たんぱく尿値・アルブミン尿値。(2)血清総たんぱく質値ではなく1日の尿中窒素排泄量。(3)血清ナトリウム値ではなく早朝第一尿のナトリウム排泄量。(4)血清カリウム値ではなく血清カルシウム値。
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Q134
- エネルギー量1,300kcal
- たんぱく質量50g
- カリウム量1,500mg
- リン量1,500mg
- 飲水量1,300mL
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慢性腎臓病に対する食事療法基準2014年版より(1)エネルギー摂取量は30~35kcal/kg標準体重/日。適切な量は1485~1733kcal/日。(4)たんぱく質摂取量は0.9~1.2g/kg体重/日。適切量は45~59g/日。血液透析のリン摂取量はたんぱく質(g)×15mg/日以下。適正摂取量は675~885mg/日以下。(5)食事外水分は出来るだけ少なく、1,300ml/日多い。
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Q135
- バセドウ病では、甲状腺刺激ホルモン(TSH)受容体抗体が陽性となる。
- バセドウ病では、エネルギー摂取量を制限する。
- バセドウ病では、水分摂取量を制限する。
- 橋本病では、甲状腺刺激ホルモンが低下する。
- 橋本病では、たんぱく質摂取量を制限する。
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(2)制限しない。エネルギー代謝は亢進するから。(3)制限しない。水分代謝は亢進するから。(4)低下ではなく甲状腺ホルモン分泌が低下し甲状腺刺激ホルモンは増加。(5)制限しない。
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Q136
- 高度栄養障害である。
- エネルギー摂取量は、900kcal/日とする。
- たんぱく質のエネルギー比率は、10%Eとする。
- 脂肪のエネルギー比率は、15%Eとする。
- 経腸栄養剤の使用は、禁忌である。
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(2)エネルギー摂取量は安静時代謝量の1.5~1.7倍。1,125×1.2=安静時代謝量1,350。適切量は2,025~2,295kcal/日。(3)日本人の食事摂取基準2015年版より目標量は13~20%E。(4)日本人の食事摂取基準2015年版より目標量は20~30%E。(5)特に禁忌ではない。
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Q137
- がん悪液質には、サイトカインが関与する。
- がん悪液質では、除脂肪体重が増加する。
- がん化学療法では、食欲不振がみられる。
- 緩和ケアは、がんと診断されたときから開始される。
- 緩和ケアには、家族への支援が含まれる。
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(2)増加ではなく減少。体たんぱく質の分解が進むので。
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Q138
- 食道がんの術後ー少量頻回食
- 胃切除後の早期ダンピング症候群ー高炭水化物食
- 胃切除後の後期ダンピング症候群ー低カリウム食
- 小腸の大量切除後ー低たんぱく質食
- S状結腸がんの術後ー水分制限
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(2)高炭水化物食ではなく低糖質・高たんぱく質・適度な脂肪食。水分を少なくし冷たい物は避け、1日5~6回の少量頻回食。食後20~30分横になることが必要。(3)低カリウム食ではなく1回の食事量を少なく時間をかけて摂る。症状があらわれた時は飴等少量の糖分を補給。(4)低たんぱく質食ではなく回復を早めるために、適度なたんぱく質・エネルギー・ビタミン・ミネラルは十分摂取。脂質は控える。(5)水分制限はしない。食事制限はないが消化の悪い食品・食物繊維は避ける。
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Q139
- 胃瘻を施行している患者に経口移行のため嚥下訓練を開始する。嚥下訓練開始時に用いる食事である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
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- 寒天ゼリー
- くずゆ
- 牛乳
- 湯豆腐
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(2)提示されている食品の中で最も嚥下されやすい低張性食品。
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Q140
- 卵白のアレルゲンには、オボムコイドがある。
- 小麦のアレルゲンには、グルテンがある。
- ピーナッツは、アナフィラキシーの原因となる。
- 鶏肉のアレルゲン性は、加熱により低下する。
- 牛乳アレルギーでは、ヨーグルトを代替食品とする。
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(5)牛乳で作られているので代替食品には使用できない。
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Q141
- フェニルケトン尿症ーチロシン
- メープルシロップ尿症ー芳香族アミノ酸
- ホモシスチン尿症ーメチオニン
- 糖原病Ⅰ型ーブドウ糖
- ガラクトース血症ー果糖
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(1)フェニルアラニンの代謝障害なのでフェニルアラニンを制限。(2)分枝アミノ酸のバリン・ロイシン・イソロイシンを制限。(4)ブドウ糖は制限しない。糖新生・グリコーゲン分解が障害され低血糖・肝腫大を生じる疾病なので。(5)乳糖を制限。分解するとガラクトースが生じるので。
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Q142
- 栄養状態の低下は、発症の外的要因である。
- 糖尿病患者では、悪化しやすい。
- 踵骨部は、好発部位である。
- たんぱく質漏出期には、低たんぱく質食とする。
- 水分制限は、褥瘡を改善させる。
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(1)外的ではなく内的要因。(4)低ではなく高たんぱく質食で組織改善を早期に図る。(5)水分は損失が多いので十分に投与し改善を図る。