第32回管理栄養士国家試験問題~応用栄養学~
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Q84
- 栄養ケア・マネジメントに関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
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- 栄養スクリーニングは、侵襲性が高い。
- 栄養アセスメントは、栄養状態を評価・判定する。
- 栄養診断は、疾病を診断する。
- 栄養ケア計画の目標設定には、優先順位をつけない。
- モニタリングは、最終的な評価である。
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(1)低い。(3)既往歴・現病歴・体重歴・臨床症状の観察等により栄養状態を評価。(4)つける。(5)実施上、問題なかったか評価・判定する過程。
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Q85
- 静的栄養アセスメントの指標である。正しいのはどれか。1つ選べ。
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- 血清トランスサイレチン値
- 血清トランスフェリン値
- 血清総コレステロール値
- 血清レチノール結合たんぱく質値
- フィッシャー比
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静的アセスメント=栄養介入を行う前の一時点での栄養状態を評価すること。動的アセスメント=栄養介入後の経時的変化をみること。(3)脂質異常症の判断。(1)(2)(4)は術後短期間のたんぱく質栄養判断に用いられる動的アセスメントの指標。(5)は肝臓機能判断で動的アセスメント。
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Q86
- 日本人の食事摂取基準(2015年版)において、70歳以上で目標とするBMI(kg/m2)の範囲である。正しいのはどれか。1つ選べ。
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- 18.5~22.0
- 18.5~24.9
- 20.0~22.0
- 20.0~24.9
- 21.5~24.9
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虚弱予防・生活習慣病予防に配慮する必要から(5)を目標とした。
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Q87
- 日本人の食事摂取基準(2015年版)における、ビタミンの耐容上限量(UL)に関する記述である 。正しいのはどれか。1つ選べ。
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- ビタミンAでは、カロテノイドを含む。
- ビタミンEでは、α-トコフェロール以外のビタミンEを含む。
- ナイアシンでは、ナイアシン当量としての量で設定されている。
- ビタミンB6では、食事性ビタミンB6としての量で設定されている。
- 葉酸では、プテロイルモノグルタミン酸としての量で設定されている。
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(1)含まない。(2)α-トコフェロール以外のトコフェロールを含んでない。(3)ニコチンアミド・ニコチン酸量として設定。(4)食事性ビタミンB6量ではなくピリドキシン量で設定。
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Q88
- 成長・発達に伴う変化に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
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- 頭囲と胸囲が同じになるのは4歳頃である。
- 体重1kg当たりの摂取水分量は、成人期より幼児期の方が多い。
- カウプ指数による肥満判定基準は、年齢に関わらず一定である。
- 乳幼児身体発育曲線における50パーセンタイル値は、平均値を示している。
- 微細運動の発達は、粗大運動の発達に先行する。
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(1)1歳頃。(3)年齢により変化。(4)中央値を示している。(5)遅れて起こる。
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Q89
- 母乳に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
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- 乳糖は、成熟乳より初乳に多く含まれる。
- ラクトフェリンは、初乳より成熟乳に多く含まれる。
- 吸啜刺激は、プロラクチンの分泌を抑制する。
- 母乳の脂肪酸組成は、母親の食事内容の影響を受ける。
- 母親の摂取したアルコールは、母乳に移行しない。
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(1)成熟乳の方に多く含まれる。(2)初乳に多く含まれる。(3)促進させる。(5)移行する。
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Q90
- 妊娠期の糖代謝異常に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。
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- 妊娠糖尿病とは、妊娠中に発症した明らかな糖尿病のことをいう。
- 妊娠糖尿病の診断基準は、非妊娠時の糖尿病の診断基準とは異なる。
- 妊娠糖尿病では、巨大児を出産する可能性が高い。
- 肥満は、妊娠糖尿病発症のリスク因子である。
- 糖尿病合併妊娠では、インスリン療法を行う。
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(1)胎盤由来のホルモン作用でインスリン抵抗性の増大や尿糖がみられた場合に糖負荷試験で判断。大部分は腎の排泄閾値低下のよる腎性糖尿病。妊娠糖尿病診断基準は、非妊娠時糖尿病の診断基準と異なる。
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Q91
- 離乳の進め方に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
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- 哺乳反射が活発になってきたら、離乳食を開始する。
- 離乳を開始して1か月を過ぎた頃から、離乳食は1日3回にする。
- 歯ぐきでつぶせる固さのものを与えるのは、生後9か月頃からである。
- はちみつは、生後9か月頃より与えてよい。
- 卵は、卵白から全卵へ進めていく。
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(1)うまれてすぐ活発になる。開始はドロドロした食物を与え始めた頃。(2)1日2回。(3)9ヶ月頃から1日3回。(4)与えない。1歳未満児は乳児ボツリヌス症を発症する可能性が高い。(5)卵黄から全卵。
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Q92
- 新生児期・乳児期の栄養に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
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- 頭蓋内出血の予防として、ビタミンAを投与する。
- 母乳性黄疸が出現した場合には、母親のカロテン摂取量を制限する。
- 乳糖不耐症では、乳糖強化食品を補う。
- ビタミンDの欠乏により、くる病が起こる。
- フェニルケトン尿症では、フェニルアラニンを増量したミルクを用いる。
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(1)ビタミンKを投与。(2)治療をしない。生理的黄疸で自然に治癒される。(3)乳糖を含まない特殊ミルク。(5)フェニルアラニンを除く治療用ミルク。
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Q93
- 幼児期の栄養に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
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- 基礎代謝基準値(kcal/kg体重/日)は、成人より低い。
- 推定エネルギー必要量は、成長に伴うエネルギー蓄積量を含む。
- 間食は、幼児の好きなだけ摂取させてよい。
- 咀しゃく機能は、1歳頃に完成される。
- クワシオルコル(kwashiorkor)では、エネルギー摂取量が不足している。
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(1)高い。(3)摂取させられない。不足する栄養素補給が目的。(4)3~4歳頃。歯が生えそろった頃。(5)たんぱく質摂取量が不足。
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Q94
- 思春期の女子に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
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- 思春期前に比べ、エストロゲンの分泌量は減少する。
- 思春期前に比べ、皮下脂肪量は減少する。
- 貧血の多くは、巨赤芽球性貧血である。
- 急激な体重減少は、月経異常の原因となる。
- 神経性やせ症(神経性食欲不振症)の発症頻度は、男子と差はない。
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(1)増加。第二次性徴期で生殖機能の発達時期。(2)増加。(3)鉄欠乏性貧血。ビタミンB12・葉酸の欠乏で巨赤芽球性貧血を引起す。(5)女性に多い。
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Q95
- 更年期の女性に起こる変化である。正しいのはどれか。1つ選べ。
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- 血清HDL-コレステロール値の上昇
- エストロゲン分泌量の増加
- 黄体形成ホルモン(LH)分泌量の増加
- 卵胞刺激ホルモン(FSH)分泌量の減少
- 骨吸収の抑制
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(1)低下。LDL-コレステロール値が上昇。(2)減少。プロゲストロンも。(4)増加。(5)亢進。骨吸収=骨からCaが血中に出ること。骨形成=血中から骨へCaが蓄積されること。
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Q96
- 嚥下障害の高齢者に適した調理法に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。
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- バナナをつぶす。
- きゅうりを刻む。
- にんじんを軟らかく煮る。
- ジュースをゼリー状に固める。
- お茶にとろみをつける。
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飲み込みやすい調理が必要。
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Q97
- 高齢者の栄養管理に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。
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- ロコモティブシンドロームでは、要介護になるリスクが高い。
- サルコペニアでは、筋萎縮がみられる。
- フレイルティ(虚弱)の予防では、除脂肪体重を維持する。
- 褥瘡の予防では、たんぱく質を制限する。
- 誤嚥性肺炎の予防では、口腔ケアを実施する。
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(4)積極的に勧める。亜鉛摂取も。低栄養状態にならないように又適度な運動を推奨。
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Q98
- ストレス応答の抵抗期に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
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- 交感神経の活動は、低下する。
- 糖新生は、亢進する。
- 血中遊離脂肪酸値は、低下する。
- 血清ビタミンC値は、上昇する。
- 尿中カルシウム排泄量は、低下する。
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(1)亢進。(3)アドレナリンにより上昇。(4)消費され減少。(5)増加。
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Q99
- 環境温度と身体機能の変化に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
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- 低温環境では、ふるえ熱産生が起こる。
- 低温環境では、アドレナリンの分泌が減少する。
- 高温環境では、熱産生が増加する。
- 高温環境では、皮膚血管が収縮する。
- 夏季は、冬季に比べ基礎代謝量が増加する。
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(2)増加。(3)熱産生が必要ないので抑制される。(4)拡張。体表から放熱するので。(5)低下。