第33回管理栄養士国家試験問題~食べ物と健康~
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いも類に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
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- じゃがいもの食用部は、塊根である。
- さつまいもの主な炭水化物は、グルコマンナンである。
- きくいもの主な炭水化物は、イヌリンである。
- こんにゃくいもの主な炭水化物は、タピオカの原料となる。
- さといもの粘性物質は、ポリグルタミン酸である。
- A45 正解(3)
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(1)塊茎。(2)デンプン。(4)グルコマンナン。(5)ガラクタン。
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果実類に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
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- パパイアに含まれるたんぱく質分解酵素は、ブロメラインである。
- うんしゅうみかんの果肉に含まれる主なカロテノイドは、β-クリプトキサンチンである。
- レモンの酸味は、酒石酸による。
- グレープフルーツの苦味は、ヌートカトンによる。
- りんごの特有な食感は、石細胞による。
- A46 正解(2)
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(1)パパイン。(3)クエン酸。(4)ナリンギン。(5)石細胞をもつのは梨。
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牛乳に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
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- 主な糖質は、マンノースである。
- 主な脂質は、リン脂質である。
- 中鎖脂肪酸が含まれているのが特徴である。
- 加熱で変性するたんぱく質は、カゼインである。
- LL牛乳は、低温長時間殺菌法で殺菌される。
- A47 正解(3)
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(1)ラクトース。(2)多くは中性脂肪でリン脂質は微量。(4)ホエーたんぱく質。(5)超高温瞬間殺菌法。
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調味料に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
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- みその褐色は、酵素反応による。
- しょうゆのうま味は、全窒素分を指標とする。
- みりん風調味料は、混成酒である。
- バルサミコ酢の原料は、りんごである。
- マヨネーズは、油中水滴型(W/O型)エマルションである。
- A48 正解(2)
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(1)メイラード反応。(3)混成酒はみりん。(4)ぶどう(濃縮ぶどう果汁)。(5)水中油滴型(O/W型)。
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食品の水分に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
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- 水分活性は、食品の結合水が多くなると低下する。
- 微生物は、水分活性が低くなるほど増殖しやすい。
- 脂質は、水分活性が低くなるほど酸化反応を受けにくい。
- 水素結合は、水から氷になると消失する。
- 解凍時のドリップ量は、食品の緩慢凍結によって少なくなる。
- A49 正解(1)
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(2)増殖しにくくなる。(3)受けやすい。(4)消失しない。(5)多くなる。
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食品とその色素成分の組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。
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- とうがらしーカプサイシン
- すいかーリコペン
- いちごーベタニン
- 赤ビートーフィコエリスリン
- 卵黄ーレンチオニン
- A50 正解(2)
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(1)カプサンチン。(3)カリステフィン。(4)ベタニン。(5)カロチノイド系脂溶性色素。
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食品の呈味とその主成分に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
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- わさびの辛味は、ピペリンによる。
- 干ししいたけのうま味は、グルタミン酸による。
- にがうりの苦味は、テオフィリンによる。
- 柿の渋味は、不溶性ペクチンによる。
- たけのこのえぐ味は、ホモゲンチジン酸による。
- A51 正解(5)
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(1)アリルイソチオシアネート。(2)グアニル酸。(3)モモルデシン。(4)可溶性タンニン。
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食品の物性に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
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- 牛乳のカゼインミセルは、半透膜を通過できる。
- 寒天ゲルは、熱不可逆性のゲルである。
- ゼリーは、分散媒が液体で分散相が固体である。
- クッキーは、分散媒が固体で分散相が液体である。
- ケチャップは、ダイラタンシー流動を示す。
- A52 正解(3)
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(1)高分子たんぱく質なので半透膜は通過できない。(2)熱可逆性のゲル。加熱によりゾルに変化。(4)この定義に該当しない。(5)チキソトロピー流動。
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食品衛生行政に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
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- 保健所に配置される食品衛生監視員は、厚生労働大臣が任命する。
- 検疫所は、食中毒が発生した場合に原因究明の調査を行う。
- 検疫所は、輸入食品の衛生監視を担当している。
- 消費者庁長官は、食品中の農薬の残留基準を定める。
- 食品安全委員会は、厚生労働省に設置されている。
- A53 正解(3)
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(1)都道府県知事・保健所設置市の市長・特別区の区長が任命。(2)検疫所は輸入食品の衛生監視等を行い、食中毒は保健所が行う。(4)厚生労働大臣が定める。(5)内閣府に設置。
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食品の変質に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。
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- 油脂の酸敗は、窒素ガスの充填によって抑制される。
- アンモニアは、魚肉から発生する揮発性塩基窒素の成分である。
- 硫化水素は、食肉の含硫アミノ酸が微生物によって分解されて発生する。
- ヒスタミンは、ヒスチジンが脱アミノ化されることで生成する。
- K値は、ATP関連化合物が酵素的に代謝されると上昇する。
- A54 正解(4)
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(4)脱炭酸されることで生成。
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細菌性およびウイルス性食中毒に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
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- ウェルシュ菌は、通性嫌気性芽胞菌である。
- 黄色ブドウ球菌の毒素は、煮沸処理では失活しない。
- サルモネラ菌による食中毒の潜伏期間は、5~10日程度である。
- ノロウイルスは、乾物からは感染しない。
- カンピロバクターは、海産魚介類の生食から感染する場合が多い。
- A55 正解(2)
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(1)偏性嫌気性芽胞菌。(3)6~72時間。(4)感染する。(5)汚染された畜肉・鶏肉、二次汚染された調理器具から感染。
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腸管出血性大腸菌による食中毒に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。
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- 少量の菌数でも感染する。
- 毒素は、テトロドトキシンである。
- 潜伏期間は、2~10日間程度である。
- 主な症状は、腹痛と血便である。
- 溶血性尿毒症症候群(HUS)に移行する場合がある。
- A56 正解(2)
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(2)ベロ毒素。テトロドトキシンはフグ毒。
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食品中の汚染物質に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
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- ポリ塩化ビフェニル(PCB)は、水に溶けやすい。
- デオキシニバレノールは、りんごを汚染するカビ毒である。
- ストロンチウム90は、甲状腺に沈着しやすい。
- メチル水銀の毒性は、中枢神経系に現れる。
- アフラトキシンは、調理加熱で分解されやすい。
- A57 正解(4)
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(1)水に溶けない。(2)麦類を汚染するカビ毒。フザリウムが産生する。(3)骨に沈着しやすい。(5)耐熱性で分解されない。
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食品添加物に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
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- 無毒性量は、ヒトへの試験をもとに設定される。
- 使用基準は、一日摂取許容量(ADI)を超えないように設定される。
- 指定添加物は、消費者庁長官によって指定される。
- ソルビン酸カリウムは、酸化防止の目的で添加される。
- オルトフェニルフェノールは、漂白の目的で添加される。
- A58 正解(2)
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(1)動物への試験をもとに設定。(3)厚生労働大臣により指定。(4)微生物増殖の抑制し保存性を高めるために添加。(5)防カビの目的で添加。
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特定保健用食品の関与成分とその表示の組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。
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- キトサンー「血圧の高めの方に適する食品」
- カゼイン由来ペプチドー「コレステロールが高めの方に適する食品」
- フラクトオリゴ糖ー「血糖値の気になり始めた方の食品」
- パラチノースー「虫歯の原因になりにくい食品」
- L-アラビノースー「ミネラルの吸収を助ける食品」
- A59 正解(4)
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(1)「コレステロールが高めの方に適する食品」(2)「血圧の高めの方に適する食品」(3)「ミネラルの吸収を助ける食品」(5)「血糖値の気になり始めた方に適する食品」
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食品表示法に基づく一般用加工食品の栄養成分表示に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
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- 一般用加工食品には、栄養成分表示が推奨されている。
- 栄養成分の量および熱量の表示単位は、1食当たりとしなければならない。
- 熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物および食塩相当量以外の栄養成分についての表示はできない。
- ナトリウム塩を添加していない食品は、「食塩相当量」を「ナトリウム〇mg(食塩相当量△g)」に変えて表示してもよい。
- 100g当たり糖類1g以下の食品は、「糖類ゼロ」と表示可能である。
- A60 正解(4)
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(1)一部を除き義務。(2)①100g②100mL③1食分④1包装⑤その他の1単位のいずれか。(3)義務表示は5項目(熱量・たんぱく質・脂質・炭水化物・食塩相当量)。推奨表示は不飽和脂肪酸・食物繊維。任意表示はn-3系脂肪酸・n-6系脂肪酸・コレステロール・糖質・ナトリウムを除くミネラル類・ビタミン類。(5)100g当たり0.5g未満は「糖質ゼロ」表示可能。
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食品の成分規格に関する記述である。正しいのはどれか。2つ選べ。
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- 牛乳は、乳脂肪分が2.8%以上のものをいう。
- アイスクリームは、乳脂肪分が8.0%以上のものをいう。
- 殺菌液卵は、サルモネラ属菌が検出されてはならない。
- 米中のカドミウム含量は、0.01ppmを超えてはならない。
- 一般食品の放射性セシウムの基準値は、500Bq/kgである。
- A61 正解(2)かつ(3)
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(1)生乳100%・成分無調整・乳脂肪分3.0%以上が牛乳。(4)0.4ppm。0.01ppmは残留基準値設定がないもの。(5)平成24年4月1日から100Bq/kgに改訂。
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食品の加工に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
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- 遺伝子組換え食品は、加工食品に利用できない。
- 小麦粉は、一次加工食品である。
- 手作りの味噌は、二次加工食品である。
- 精白米は、二次加工食品である。
- マヨネーズは、三次加工食品である。
- A62 正解(2)
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(1)利用で出来る。(3)一次加工食品。(4)一次加工食品。(5)二次加工食品。
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食品の保存に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
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- 微生物の生育は、食品を冷蔵保存することで止まる。
- 米飯の老化は、冷凍保存に比べて冷蔵保存で抑制される。
- 魚肉の脂質の酸化は、長期冷凍保存では起こらない。
- さつまいもは、10℃以下で貯蔵する。
- 野菜の呼吸作用は、室温保存中も進行する。
- A63 正解(5)
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(1)冷蔵保存で抑制できるが止めることは出来ない。(2)冷凍保存のが水分が氷になり離水が起こらないので老化が抑制される。(3)冷凍保存で抑制できるが止めることは出来ない。脂質酸化は促進される場合もある。(4)低温障害を起すので、15℃付近で貯蔵。
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食品成分の変化に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
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- ビタミンB2は、光照射で分解する。
- イノシン酸は、脂肪酸の分解物である。
- なすの切り口が短時間で褐変するのは、メイラード反応による。
- だいこんの辛みが生成するのは、アリイナーゼの反応による。
- りんご果汁の濁りは、ミロシナーゼ処理で除去できる。
- A64 正解(1)
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(2)核酸の分解物。(3)ポリフェノールオキシダーゼによる酵素的褐変。(4)ミロシナーゼの反応。(5)ペクチナーゼを使う。
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食品の嗜好要因とその測定機器の組合せである。誤っているのはどれか。1つ選べ。
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- 水分ー加熱乾燥式水分計
- 無機質(ミネラル)ー原子吸光分光光度計
- テクスチャーー味覚センサー
- 有機酸ー高速液体クロマトグラフィー
- 温度ー熱電対
- A65 正解(3)
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(3)咀嚼感を数値化するテクスチュロメーターを用いることはできるが、食品のテクスチャーは評価困難な要因。
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食品の酵素的褐変を防ぐ調理操作に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。
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- 水にさらす。
- 酢水に浸す。
- 食塩水に浸す。
- レモン汁をかける。
- 40℃で保温する。
- A66 正解(5)
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(5)酵素の至適温度付近の保温になり酵素的褐変を促進させる。
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加熱調理に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
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- 電子レンジでは、ほうろう容器に入れて加熱する。
- 電気コンロには、アルミ鍋が使用できない。
- 天ぷらの揚げ油の適温は、250℃である。
- 熱伝導率は、アルミニウムよりステンレスの方が小さい。
- 熱を速く伝えるためには、熱伝導率が小さい鍋が適している。
- A67 正解(4)
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(1)ほうろう容器は鉄製なので火花が発生したり、機器を損傷することがあるため使用しない。(2)最近はオールメタル対応タイプが開発され使用できるようになった。土鍋等の非金属は使えない。(3)180℃。(5)熱伝導率が大きいほどよい。
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野菜の調理操作に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
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- 緑色野菜を鮮緑色にゆでるために、ゆで水を酸性にする。
- 煮崩れ防止のために、ゆで水をアルカリ性にする。
- 山菜のあくを除くために、食酢でゆでる。
- 十分に軟化させるために、60℃で加熱する。
- 生野菜の歯ごたえを良くするために、冷水につける。
- A68 正解(5)
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(1)約0.9%の食塩を加えたゆで水にする。(2)微酸性にする。(3)重曹を加えたアルカリ性のゆで水でゆでる。(4)80℃以上。時間・方法は野菜による。
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食事に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
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- 客をもてなす食事を、供応食という。
- 日常食を、ハレの食事という。
- 中国料理のスープを、点心という。
- 家庭で調理して食べる食事を、中食という。
- 立食形式のセルフサービスの食事を、正餐という。
- A69 正解(1)
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(2)ケの食事。(3)湯。(4)内食。(5)ビュッフェ。