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第34回管理栄養士国家試験問題~基礎栄養学~

問題をクリックすると解答が開きます。

Q68
食欲と日内リズムに関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

  1. 食経験は、食欲の形成に影響しない。
  2. 血中遊離脂肪酸濃度の上昇は、食欲を抑制する。
  3. レプチンは、摂食を促進する。
  4. 食事のサイクルは、日内リズムに影響しない。
  5. 視床下部の視交伹上核は、日内リズムを調節する。
A68 正解(5)
 
(1)生命維持のために本能的に感じる空腹感や満腹感の他に,ヒトは過去の食経験によっても影響を受ける。例えば,以
前食べたことがあり, 美味しかったという経験をもっていると,空腹でなかったとしても目の前の食べ物を食べてみたいと感じる。また,その時の楽しかった状況等によっても食欲は左右される。

(2)血中遊離脂肪酸濃度の上昇は食欲を亢進する。 空腹になると, グルカゴン等のホルモン作用によって, 体脂肪に蓄積されているトリグリセリドの利用が高まる。すなわち,脂肪組織中のトリグリセリドが分解され, 遊離脂肪酸として血中に放出される。

(3)レプチンは視床下部の弓状核という部位に作用し, 摂食促進性の神経ペプチドYの産生,放出を抑制し, 食欲を低下させる。さらに, 交感神経を介してエネルギー消費を充進させる。体脂肪量の増加に伴い, 脂肪組織からはペプチドホルモンであるレプチンが分泌される。
 これ以上体脂肪が蓄積されないように, 食欲とエネルギー代謝の長期的な調節役を担っている物質である。

(4)毎日規則正しい食生活をすることで,摂食に関する日内リズムは維持される。動物に対して1日のうちの決まった時間にだけ餌を与えるように習慣づけると, たとえ真っ暗にした状態の中でも,餌をもらえるはずの時間になると,動物の行動が活発になる。さらに,その時間に合わせて消化酵素が分泌され, 消化管機能が活発になる。

(5) 朝の光を浴びることで, 視交叉上核の神経細胞は活動を始め,日内リズムは正しく刻まれる。視交叉は両眼の視神経が脳に入る前に交叉する場所であり,その上にある核 (1mmの神経細胞のかたまり) のことを視交叉上核という。
Q69
消化酵素に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

  1. α-アミラーゼは、チモーゲンとして分泌される。
  2. トリプシンは、エキソ型酵素である。
  3. 膵リパーゼの働きは、胆汁酸によって抑制される。
  4. ペプシンの至適pHは、弱アルカリ性である。
  5. スクラーゼは、膜消化に関わる。
A69 正解(5)
 
(1)α-アミラーゼは、チモーゲンとしての分泌ではない。チモーゲンとは, 酵素の前駆体をいう。例えば, ペプシノーゲンはペプシンの, トリプシノーゲンはトリプシンのチモーゲンである。通常,チモーゲンは不活性型であり,酵素活性を示さない。ペプシノーゲンは胃酸によって, トリプシノーゲンはエンテロペプチダーゼによって活性化される。

(2) ペプシン,トリプシン, キモトリプシンはいずれもンド型のたんぱく質消化酵素である。エンド型酵素は高分子の物質を内側から分解するものをいう。一方、エキソ型酵素は, 高分子の物質を外側(端)から分解させるものをいう。たんぱく質消化酵素であれば, カルボキシペプチダーゼやアミノペプチダーゼが相当する。
 
(3)膵リパーゼの働きは、胆汁酸によって促進される。
胆汁酸は脂肪を乳化し, 脂溶性の固まりの表面積を高め,脂肪の消化速度を最大限に高める作用をもつ。このような環境の下,膝リパーゼは, 脂肪 (トリグリセリド) のグリセリンの1および3位に位置する脂肪酸を切断し, 2-モノグリセリドと脂肪酸にする。
 
(4)ペプシンの至適pH (働きやすい環境)は, pH1~2の強酸性状態である。この強酸性状態は, 胃の壁細胞から分泌される胃酸(塩酸) の働きによる。また, ペプシンは胃の主細胞からペプシノーゲン (不活性型)として分泌され, 胃酸によって活性型のペプシンとなる。このように,ペプシンが働くために, 胃内は酸性状態であることが重要となる。

(5)スクラーゼは糖質の膜消化酵素であり, スクロース(ショ糖)をグルコースとフルクトースに分解する。膜消化とは, 小腸に吸収される際に関与する消化のことで、小腸(空腸) の吸収細胞膜に存在する膜消化酵素によって行われる。この他,膜消化に関わる糖質消化酵素としては, ラクターゼ,グルコアミラーゼ, イソマルターゼ, トレハラーゼがある。
Q70
糖質の代謝に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

  1. 糖質の摂取量増加は、ビタミンB6の必要量を増加させる。
  2. グルコースは、脂肪酸に変換されない。
  3. グルコースは、可欠アミノ酸に変換されない。
  4. ペントースリン酸回路は、リボース5-リン酸を生成する。
  5. 赤血球には、解糖系が存在しない。
A70 正解(4)
 
(1) 糖質のエネルギー代謝が亢進すると, ビタミンB1の必要量が増加する。ビタミンB1はチアミンピロリン酸とよばれる補酵素として働く。グルコースの解糖によって生じたピルビン酸をアセチルCOAへ転換する際や, クエン酸回路での a-ケトグルタル酸をスクシニルCOAへ転換する際の脱炭酸反応でチアミンピロリン酸が必要となる。
一方, ビタミン B6はアミノ基転移反応に関わるため,たんぱく質の代謝に必要なビタミンである。

(2) エネルギーが必要な時にはアセチルCOAはクエン酸回路に入るが, エネルギーが十分である時には, アセチルCOAはアセチルCOAカルボキシラーゼによって,脂肪酸合成経路に入る。アセチルCOAカルボキシラーゼは,インスリンによって活性化される酵素である。

(3) a-ケト酸とアミノ酸間の反応は, 両方向に代謝される,(グルコースからアミノ酸(非必須)が合成)グルコースとアミノ酸の相互変換は, アミノ基転移反応によって行われる。代表的なアミノ基転移反応としては, ピルビン酸⇔アラニン, オキサロ酢酸⇔アスパラギン酸である。

(4)ペントースリン酸回路は, グルコース6-リン酸から分岐し,リボース5-リン酸を作り出す経路である。ここでつくられたリボースおよびデオキシリボースは, 核酸の構成成分として利用される他,リボースはATPや補酵素の合成材料としても利用される。この経路のもうひとつの重要な点は,脂肪酸やステロール合成に必要とされるNADPHを供給することである。

(5) 赤血球は通常の細胞とは異なり, 核やミトコンドリア等の細胞内小器官をもたず,細胞膜に包まれたサイトゾル (細胞質可溶性物質)と, 色素たんぱく質であるヘモグロビンのみをもつ。サイトゾルには, グルコースの酸化経路である解糖系が存在することから,赤血球では, グルコースの酸化は解糖系までとなり,生じたピルビン酸は乳酸となって完了する。
Q71
血糖とその調節に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

  1. 筋肉グリコーゲンは、血糖維持に利用される。
  2. インスリンは、筋肉への血中グルコースの取り込みを抑制する。
  3. 健常者の血糖値は、食後約3時間で最高値となる。
  4. 糖新生は、筋肉で行われる。
  5. アドレナリンは、肝臓グリコーゲンの分解を促進する。
A71 正解(5)
 
(1) 肝臓と異なり, 筋肉グリコーゲンが血糖維持に利用されない理由は,筋肉にはグルコース6-リン酸をグルコースに変換するグルコース6-ホスファターゼが存在しないためである。そのため, 筋肉グリコーゲンから生じたグルコース6-リン酸は解糖系に取り込まれ, 筋肉自身のエネルギー源として活用される。

(2) 筋肉への血中グルコースの取り込みには, グルコーストランスポーター(GLUT)とよばれる, 細胞膜に存在するたんぱく質でできた輸送体が必要となる。この輸送体は,インスリンにすばやく反応し,グルコースの細胞内への取り込みを促進している。

(3) 空腹時の血糖値は70~80mg/dLであるが,食後0.5~1時間後にピークになる。上昇した血糖値はインスリンによって低下し、約2時間後には元の空腹時の値となる。

(4)糖新生とは,糖質以外の物質 (ビルビン酸, 乳酸,グリセロール,アミノ酸)からグルコースが合成されることをいう。大部分が肝臓で, 一部は腎臓で行われる。
 筋肉では糖新生が行われないため, 筋肉で生じた乳酸は血液を介して肝臓に運ばれ,そこで糖新生を受けグルコースとなる(コリ回路)。
 
(5) アドレナリンは肝臓と筋肉のグリコーゲンホスフォリラーゼ活性を高め肝臓グリコーゲンの分解を促進する。空腹時,血糖を維持するために,肝臓では蓄積したグリコーゲンをグルコースに分解し, 血糖として放出する。これに関わるホルモンは, グルカゴン, アドレナリンである。これらのホルモンは肝臓に対して作用し, グリコーゲン分解酵素のひとつであるグリコーゲンホスフォリラーゼを活性化する。
Q72
たんぱく質とアミノ酸の代謝に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

  1. 過剰なたんぱく質の摂取は、アミノ酸の異化を抑制する。
  2. ロイシンは、体たんぱく質の合成を抑制する。
  3. インスリンは、体たんぱく質の合成を抑制する。
  4. 絶食時には、体たんぱく質の合成が抑制される。
  5. アルブミンは、トランスサイレチンより代謝回転速度が速い。
A72 正解(4)
 
(1) 過剰なたんぱく質の摂取時には,アミノ酸の異化は促進される。成人の場合, 体たんぱく質は合成 分解が常に行われ, 平衡状態を保っている。したがって, 平衡状態を保っためのたんぱく質量を摂取することは必要であるが,平衡状態以上にたんぱく質摂取量を増やした時には, 増やした分はエネルギーとして燃焼する。
 
(2) ロイシンは体たんぱく質の合成を促進し, 分解を抑制する。ロイシンはバリンやイソロイシンとともに, 分岐鎖アミノ酸の仲間である。分岐鎖アミノ酸は, 筋肉の必須アミノ酸の約35%を占めるとともに, 骨格筋で酸化分解されるため,運動時の重要なエネルギー源となる。
 
(3) 食後, 血糖値の上昇とともにインスリン分泌が促進される。インスリンは, 血中に増えた食事由来のアミノ酸の血液から組織への取り込みを促し, さらに細胞内におけるたんばく質合成を促進し, 分解を抑制する。そのため, 食後は血中アミノ酸濃度の上昇とインスリン作用の両者によって,体たんぱく質合成が促進される。

(4)絶食時には、体たんぱく質の合成が抑制される一方, 分解が促進される。生体にとって, 空腹時にはエネルギーの確保が最も大切となるため,体たんばく質はエネルギー源として利用される。
 
(5) アルブミンの半減期は約20日で, トランスサイレチン (プレアルプミン) の半減期は3~4日と短く代謝回転速度が遅い。トランスサイレチンは,甲状腺ホルモンの運搬や,血清レチノール結合たんぱく質と複合体を形成し,レチノールの血中運搬般に重要な役割を果たしている。ラピッドターンオーバープロテインのひとつである。
Q73
食品たんぱく質の評価に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

  1. アミノ酸評点パターンは、食品中の不可欠アミノ酸量を示す。
  2. 生物価は、食品たんぱく質の化学的評価法の一つである。
  3. 制限アミノ酸がない食品のアミノ酸価は、100である。
  4. 無たんぱく質食の摂取時には、尿中に窒素は排泄されない。
  5. 摂取窒素量が排泄窒素量を上回ると、窒素出納は負になる。
A73 正解(3)
 
(1) アミノ酸評点パターン (基準アミノ酸パターン) は, ヒトの成長や体を維持するために理想的な必須アミノ酸の量をいう。
これまで, 1973年にWHO0/FA0合同で, 1985年および2007年にはWHO/FAO/UNU合同で, アミノ酸評点パターンが求められてきた。

(2)生物価は、食品たんぱく質の生物学的評価の一つである。 食品中のたんぱく質の栄養価を判定する方法として, 生物学的評価法と化学的評価法がある。生物学的評価法は動物実験によって行うものであり,生物価と正味たんぱく質利用率等がある。一方, 化学的評価法は食品のアミノ酸分析によって行うものであり, アミノ酸価, プロテインスコア等がある。

(3) アミノ酸評点パターンを下回っているアミノ酸を制限アミノ酸といい,その中でも最も割合が下回っているアミノ酸(=不足しているアミノ酸)を第一制限アミノ酸という。
第一制限アミノ酸のアミノ酸評点パターンに対する含有割合が、食品たんぱく質のアミノ酸価となる。アミノ酸価は0から100の範囲で求められ, 数値が100に近いほど,良質のたんぱく質であると評価される。制限アミノ酸がない場合は,アミノ酸価は100となる。
 
(4)無たんぱく質食の摂取時にも尿中に窒素は排泄される。
食事からの必須アミノ酸が供給されない状況下においても, 体内では体たんぱく質の合成· 分解が行われている。必須アミノ酸不足では,分解量に対して十分な体たんぱく質の合成ができないため,その結果,尿中には窒素の排池が起こる。

(5) 摂取窒素量が排池窒素量を上回る場合を窒素出納が正(プラス)の状態といい, 妊産婦や成長期の子供でみられる。
一方,排池窒素量が摂取窒素量を上回る場合を窒素出納が負(マイナス)の状態といい, 飢餓時や糖尿病でみられる。
Q74
空腹時の脂質代謝に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

  1. 脂肪組織では、リポたんぱく質リパーゼの活性が上昇する。
  2. 脂肪組織では、トリグリセリドの分解が抑制される。
  3. 肝臓では、脂肪酸の合成が促進される。
  4. 肝臓では、エネルギー源としてケトン体を利用する。
  5. 筋肉では、エネルギー源として脂肪酸を利用する。
A74 正解(5)
 
(1) (2) (5) 空腹時に分泌されるグルカゴン, アドレナリンは,ホルモン感受性リパーゼの働きを促進し, 脂肪組織中のトリグリセリドをグリセリンと脂肪酸に分解する。 トリグリセリドの分解によって生じた遊推脂肪酸がエネルギーを必要とする肝臓や筋肉組織に運ばれ, エネルギー源として利用される。
 
(3) 脂肪組織から取り出され, 血流を介して肝臓に運ばれた遊離脂肪酸は、β酸化によってエネルギーとして利用される。空腹時の肝臓では, 脂肪酸の合成は抑制され,分解(β酸化) が促進する。

(4) 肝外組織では、エネルギー源としてケトン体を利用する。
肝臓では, 空腹時に多量のケトン体が生成されるが、このケトン体を処理する酵素が肝臓には存在しない。ケトン体は、アセト酢酸, B-ヒドロキシ酸酸,アセトンの総称であり, 脂肪酸から生じた過剰のアセチルCOAからつくられる。
そのため,ケトン体は血中に放出され、最終的には、脳や肝外組織に輸送され, クエン酸回路に入ってエネルギ一源として利用される。
 
Q75
脂質の栄養に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

  1. 脂肪酸の利用が高まると、ビタミンB1の必要量が増加する。
  2. パルミチン酸は、必須脂肪酸である。
  3. エイコサペンタエン酸(EPA)は、リノール酸から合成される。
  4. エイコサノイドは、アラキドン酸から合成される。
  5. α-リノレン酸は、n-6系脂肪酸である。
A75 正解(4)
 
(1)糖質のエネルギー代謝が亢進すると, ビタミンB1の必要量が増加する。
グルコース代謝では必要となるが, 脂肪酸代謝では必要とならない
 

(2) パルミチン酸は飽和脂肪酸であり, アセチルCOAから合成することができる。 必須脂肪酸は, リノール酸 (炭素18個,二重結合2個, n-6系), a-リノレン酸(炭素18個,二重結合3個, n-3系)をいう。植物細胞では, リノール酸はオレイン酸から, a-リノレン酸はリノール酸から合成されるが、ヒト体内ではその代謝に関わる酵素が欠損している。

(3) エイコサペンタエン酸は、α-リノレン酸から合成される。α-リノレン酸を摂取すると,体内で鎖長延長,不飽和化を受け,EPA(炭素20個, 二重結合5個, n-3系), DHA(炭素22個,二重結合6個, n-3系)が合成される。

(4) アラキドン酸(炭素20個, 二重結合4個, n-6系)は, エイコサノイド (トロンボキサン,ロイコトリエンなどの生理活性物質) の前駆物質であり,細胞膜構成成分としての働きに加え,生体防御などに関わる。体内ではアラキドン酸は,同じn-6系のリノール酸から合成される。
 
(5)α-リノレン酸は n-3系脂肪酸 である。
a-リノレン酸, EPA, DHAはn-3系脂肪酸,リノール酸, アラキドン酸はn-6系脂肪酸である。
 
Q76
脂溶性ビタミンに関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

  1. ビタミンAは、消化管からのカルシウム吸収を促進する。
  2. カロテノイドは、抗酸化作用をもつ。
  3. ビタミンDは、血液凝固に関与している。
  4. ビタミンEは、核内受容体に結合する。
  5. ビタミンKは、視覚機能に関与している。
A76 正解(2)
 
活性型ビタミンDは, カルシウムの吸収に働くカルシウム結合たんぱく質の合成を促進する。それにより,カルシウムとリン酸の消化管での吸収の促進,腎臓でのカルシウムとリン酸再吸収作用の促進, および骨吸収を促進し,カルシウムの恒常性を維持している。

(2) カロテノイドは, 野菜や果実,卵の黄身,鮭などの黄色~赤色を呈する脂溶性色素である。高度の共役したポリエン構造を有し、数百種の同族体が知られている。一般に,カロテノイドはいずれも強力な抗酸化作用を有することか生活習慣病の予防に有効と考えられている。トマトに含まれるリコペンは, ビタミンA作用はもたないものの抗酸化作用が強く, 動脈硬化やがん予防に効果があるとされる。

(3)血液凝固因子であるプロトロンビンは, その構造内にy-カルボキシグルタミン酸とよばれるアミノ酸を有する。 y-カルボキシグルタミン酸は, ビタミンKを補因子としてもつカルボキシラーゼによってグルタミン酸からつくられる。そのため,ビタミンKが欠乏すると, y-カルボキシグルタミン酸の生成が障害され, プロトロンビンの働きにも障害が現れる。
 
(4)レチノイン酸 (ビタミンA) の働きはステロイドホルモンとよく似ており,核内受容体に結合し, 次に遺伝子の制御部位に結合する。それにより, 標的遺伝子の発現の調節を行う。同様の作用機序をもつものとしては, 活性型ビタミンDがあげられる。

(5) ロドプシンは光感受性分子であり,レチナール (ビタミンA)とオプシン(たんぱく質)からつくられる。光刺激を網膜の神経細胞に伝達する役目を担っている。そのため,ビタミンAが不足すると暗順応がスムーズに行われなくなり,やがては夜盲症(とり目)となる。
 
 
Q77
水溶性ビタミンに関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

  1. ビタミンB2は、内因子と結合して吸収される。
  2. ナイアシンは、メチオニンから合成される。
  3. 葉酸は、分子中にコバルトを含む。
  4. ビオチンは、コエンザイムA(CoA)の構成成分である。
  5. ビタミンCは、ビタミンEラジカルをビタミンEに変換する。
A77 正解(5)
 
(1) ビタミンB12は, 胃の壁細胞から分泌された糖たんぱく質である内因子と結合する。内因子-ビタミンB12複合体は腸管を下降していき, ほぼ中性のpHでカルシウム存在下において回腸下部の上皮細胞の微被毛に分布する受容体に結合し、上皮細胞内に取り込まれる。

(2) ナイアシンは, 必須アミノ酸であるトリプトファンから体内合成することができる。ナイアシン当量は, 次式であらわされる。ナイアシン当量(mgNE) = ナイアシン (mg) +1/60トリプトファン(mg)

(3)生体内のコバルトの約85%はビタミンB12の構成元素となっている。骨髄の造血機能に不可欠であることから, 欠乏によって貧血となる。過剰症には悪心, 嘱吐, 食欲不振等がある。

(4)補酵素であるコエンザイムA (CoA) は, パントテン酸からつくられる。アセチル基, アシル基の転移反応に関与し、糖質および脂質代謝で重要な役割をもつ。ビオチンは、体内では酵素たんぱく質のリシンと共有結合して存在し、炭酸固定反応に関わるカルボキシラーゼ (ピルビン酸カルボキシラーゼ, アセチルCoAカルボキシラーゼ等)の補酵素としての役割をもつ。

(5)ビタミンC, ビタミンE, B-カロテンは抗酸化作用をもち,抗酸化ビタミンとよばれる。ビタミンEは脂溶性であり,体内の多価不飽和脂肪酸と共存することで,多価不飽和脂肪酸の連鎖的な脂質過酸化反応を食い止める働きをもつ。
酸化を阻止したビタミンEはビタミンEラジカルとなり,抗酸化作用が消失する。その際に, ビタミンCが共存しているともとのビタミンEに戻る。
Q78
ミネラルに関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

  1. 骨の主成分は、シュウ酸カルシウムである。
  2. 血中カルシウム濃度が上昇すると、骨吸収が促進する。
  3. 骨中マグネシウム量は、体内マグネシウム量の約10%である。
  4. モリブデンが欠乏すると、克山病が発症する。
  5. フッ素のう歯予防効果は、歯の表面の耐酸性を高めることによる。
A78 正解(5)
 
(1) 骨の主成分は、リン酸カルシウムである。カルシウムの体内量は体重の1~2%, 体重60kgのヒトで1kg以上にも達するが, そのうち99%は骨や歯の中に貯蔵カルシウムとして存在している。骨中のカルシウムは, リン酸と結合してヒドロキシアパタイトとよばれる結晶状態で存在する。

(2)血中カルシウム濃度が上昇すると,甲状腺からカルシトニンが分泌され,カルシウム濃度を下げるように働く。カルシトニンは骨吸収を抑制し, 骨からのカルシウム溶出を減らす。また,骨形成を促進し, 血液中のカルシウムを骨へ移行するのを促進する。

(3) マグネシウムは成人の体内に約25g存在しており,その60~65%は骨に,20~30%が筋肉に, 残りは脳,神経, 体液に存在する。主に骨の成分であり, また, 300種以上の酵素の補因子として, 酵素の活性化に関与している。神経の興奮,筋肉の収縮に関与し, 細胞の機能維持に働く。

(4)セレンの欠乏症としては,中国東北部の風土病である克山病が知られており, 心筋障害が主症状であった。 モリブデンは,キサンチンオキシダーゼに含まれ, プリン塩基の異化に関与している。完全静脈栄養によるモリブデン欠乏患者では,血漿メチオニンと尿中チオ硫酸の増加,血漿尿酸,尿中尿酸の減少,さらに,神経過敏,昏睡,頻脈。頻呼吸がみられたとの報告がある。ヒト体内には約13mgのセレンが含まれ, 抗酸化作用を有するグルタチオンペルオキシダーゼはセレンを含んでいる。
 
(5)成人体内には約2.6gのフッ素が含まれ, その95%は骨·歯に存在する。フッ素は,歯のエナメル質中ヒドロキシアパタイトに取り込まれ, 結晶構造の安定化や再石灰化の促進に関与する。また,エナメル質の溶解度も低下させる。フッ素には解糖阻止作用があることから, 糖分が分解して酸が生成されるのを防ぐ。そのため, フッ素が欠乏すると虫歯になりやすくなる。
 
Q80
電解質に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

  1. カリウムイオン濃度は、細胞内液より細胞外液の方が高い。
  2. 不感蒸泄では、電解質の喪失が起こる。
  3. 低張性脱水では、ナトリウムを含まない水を補給する。
  4. 重炭酸イオンは、血液の酸塩基平衡の調節に関わる。
  5. 血中ナトリウムイオン濃度が上昇すると、血漿浸透圧が低下する。
A80 正解(4)
 
(1) 生体のカリウムの98%は細胞内に, 2%が細胞外に存在している。
浸透圧の維持の他, 神経刺激の伝達や筋肉の収縮等生命維持にとって重要な役割をもっている。カリウムの摂取によって,血圧の低下が期待される。特に, 食塩感受性のある人において, 良好な血圧低下効果が示されている。
 
(2) 皮膚および呼吸器からは, 知らないうちに, 絶えず水が蒸発(不感蒸泄)している。皮膚表面からの水分の蒸発は1日当たり約500mL, 呼吸に伴う肺や気道からの水分の蒸発は約300mLであり,  不感蒸泄  は1日約800mLにも達する。汗は 不感蒸泄  とはいわない 不感蒸泄    では, 汗とは異なり,ナトリウムイオンなどの電解質の損失もない。

(3)低張性脱水では, ナトリウムを含む水を補給する。
水分の損失よりナトリウムの損失割合が大きく,細胞外液の浸透圧が低下する。そのため, 電解質を含まない水を補給すると,ますます細胞外液の浸透圧が低下し,低張性脱水は悪化する。低張性脱水が進むと, 水分が細胞外から細胞内へと移動し, 細胞内水中毒の状態となり,最悪の場合, 脳浮腫を起こし, 意識障害を起こす。
 
(4)緩衝作用の主なもののひとつとして, 重炭酸- 炭酸緩衝系がある。塩基である重炭酸イオンは, 酸である水素イオンを中和させる役割をもっている。
体液のpHは7.35~7.45の非常に狭い範囲に保たれておりpH7.35以下の酸性状態をアシドーシス, pH7.45以上のァルカリ性状態をアルカローシスという。いずれも病的な状態であり,pH6.8以下, あるいはpH7.8以上になると, 死に至る。体液pHの変化を抑えて一定に保つしくみが生体には備わっており,そのしくみを緩衝作用という。

(5)血漿浸透圧が上昇する原因は,水分摂取量の低下,尿崩症,発汗,消化管からの水分喪失,熱傷などによる血中ナトリウムイオン濃度の上昇などである。血漿浸透圧が低下する原因は,ナトリウム摂取不足, ナトリウムイオンの体外喪失および抗利尿ホルモン(ADH)分泌異常症候群,心不全,腎不全など水分過剰に伴う血中ナトリウムイオン濃度の低下である。
Q81
20歳、体重50kgの女性が、3.0メッツの運動を1時間行った。その1時間の総エネルギー消費量(kcal)の計算式である。正しいのはどれか。1つ選べ。
身体活動レベル(PAL)は1.75、基礎代謝基準値は22.1(kcal/kg体重/日)、安静時代謝量は基礎代謝量の1.2倍とする。

  1. 22.1×50×3.0×1/24
  2. 22.1×1.2×3.0×1/24
  3. 22.1×50×1.2×3.0×1/24
  4. 22.1×1.75×3.0×1/24
  5. 22.1×50×1.75×3.0×1/24
A81 正解(3)
 
(3) メッツとは, 身体活動時の全エネルギー消費量を安静時代謝量の倍数として表したものである。当該女性の1日の基礎代謝量は基礎代謝基準値に体重を乗じた値(22.1 [kcal/kg体重/日] ×50kg)であり, 安静時代謝量は基礎代謝量の1.2倍(22.1 [kcal/kg体重/日] ×50kg×1.2) である。165.75kcal

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