鹿児島大学の医学部保健学科理学療法学専攻牧迫教授の研究チームは、鹿児島県垂水市で実施している「垂水研究」で、「サルコペニア」およびそのリスクを有する高齢者を対象に運動プログラムを実施し、12週間程度のエクササイズによって、椅子からの立ち上がりなどの身体機能の有意な改善が示されたという結果を発表した。

運動プログラムは、ゴムバンドを用いた筋力トレーニングのほか、柔軟運動(ストレッチ)、バランストレーニング、有酸素運動を含む多面的な運動プログラムで、運動手帳を見ながら自宅でも実施可能なプログラムです。

1回60分の運動プログラムを週1回の頻度で12週間参加した運動群36名では、対照群36名に比べて、身体機能(椅子からの立ち上がりなど)の有意な改善が認められました。
しかし、大腿部(太もも)の筋肉量の明らかな増加は認められず、運動群においても筋量の低下を抑制することが可能な程度の効果でした。

高齢期の身体機能は12週間程度の運動プログラムで改善可能であることが示されましたが、骨格筋量の増大を得るためには、さらに長期間で高負荷のトレーニングが必要であるかもしれないという事がわかった。
本研究で実施した運動プログラムは運動手帳を見ながら自宅でも実施可能なプログラムであり、自主的な運動の促進へのツールとしての活用が期待されます。

《詳しくはこちら》⇒ 【研究成果】高齢期のサルコペニア(骨格筋量の減少)に対する運動(エクササイズ)の効果~自宅で実施可能なプログラム