こんにちは、外部執筆スタッフの福永です。
特定保健指導で対象者の方とお話をする中、「減量のために炭水化物を食べないでたんぱく質を積極的にとっています」、「筋トレをしているので毎食たんぱく質メインの食事にしています」などの声をよく伺います。
たんぱく質は、筋肉、臓器、皮膚、毛髪など、体の様々な組織を作るための材料となる栄養素で炭水化物、脂質とともに三大栄養素と言われ、生命の維持のために欠かせない重要な栄養素のひとつです。
しかし、摂りすぎによるデメリットもたくさんあることは理解していただきたい重要なポイントです。
今回は、過剰摂取のデメリット、適正量、食べ物に含まれるたんぱく質量について正しい知識を再度確認し、今後の栄養指導や保健指導に役立つ情報をお伝えします。
▼目次
過剰摂取のデメリット
まず改めて、たんぱく質の過剰によるデメリットを確認しましょう。
1. 腎臓への負担
たんぱく質を分解するときに出る老廃物(尿素など)を腎臓が処理します。
過剰な摂取が続くと、腎臓に負担がかかり、腎機能が低下するリスクがあります。
特に、すでに腎疾患がある人には注意が必要です。
2. 脱水症状
たんぱく質の代謝で尿の量が増え、水分排出が多くなる傾向があります。
水分補給が不十分だと脱水状態に陥る可能性があります。
3. カルシウムの排出が増加し骨への影響
高たんぱく食は尿中のカルシウム排出量を増やすことがあり、長期的にみると骨密度の低下(骨粗しょう症)のリスクになる可能性も指摘されています。
4. 体重増加(脂肪蓄積)
摂取カロリー全体が増えると、余分なエネルギーは脂肪として蓄積されます。
たんぱく質も、過剰であれば肥満の原因になります。
5. 痛風のリスク
高たんぱく食品(特に動物性)に多く含まれるプリン体が原因で、尿酸値が上がりやすくなります。
痛風や高尿酸血症のリスクが高まる可能性があります。
適正量はどれぐらい?

※日本人の食事摂取基準(2025年版)参照
一般的な推奨量(1日あたり)
・男性(18~64歳):65g
・女性(18~65歳):50g
・高齢男性(65歳以上):60g
・高齢女性(65歳以上):50g
推奨量は健康維持するのに十分な量とされています。
推奨量を体重あたりに換算すると、体重1kgあたり0.8g/日ですので、体重60㎏の場合の推奨量は約48g/日です。
ただし、筋トレや運動をしている人、ダイエット中や高齢で筋肉量が減少しやすい人は推奨量では足りないこともありますので、基準よりも少し多く摂取する必要がありそうですね。
食べ物に含まれるたんぱく質量を指導で伝えるには

※あくまで平均的な数値です。商品によって多少前後します
・卵1個(殻付き約60g):約6g
・納豆1パック(約50g):約8g
・豆腐半丁(150g):約10g
・ヨーグルト(プレーンタイプ100g):約3~4g
・ベビーチーズ(1個約15g):約3g
・鶏ささみ肉(100g※1本当たり約50g):約23g
・鮭の切り身(1切れ約80g):約15g
・マグロの刺身(2切れ約30g):約6g
・食パン(6枚切り1枚):約4g
・ロースハム(1枚約15g):約3g
・牛乳(200ml):約6.6g
・豆乳(無調整200ml):約7g
・枝豆(さや付き100g):約3.5g
まずは、自分の体にあった適正量を理解し、食べ物の選択をしていくことで必要以上に摂取することを避けられますね。
そして、特定保健指導などで食習慣を伺った際、「この方はたんぱく質を摂りすぎている可能性が高い…」と感じた際は、
① まずは体重を確認し、今の体付きや年齢で必要な摂取量を伝える
② 3食で割った時、1食あたりのたんぱく質量を割り出す
③ 普段食べているたんぱく質の食材だとどれぐらいの量なのか
を順番に説明していくと理解を示していただけることが多いです。
例えば、お肉100gあたりのたんぱく質量は~、とgで伝えても、それってどれぐらいなの?と頭の上にハテナを浮かべる方も多くいらっしゃいます。
ですので、卵1個、納豆1パック、ささみなら1本50gぐらい、牛乳はコップ1杯200ml、などと、食材を想像した時に分かりやすい目安を伝えてあげると、より普段の生活に取り入れやすいかと思います。
お話をする中で時間に余裕がある場合は、今食べている摂取量だと基準よりも〇gも多く、この量を長い期間摂取し続けると過剰摂取になり、こんなリスクに繋がる可能性も高まってしまいますね、など、今の食習慣を続けることのデメリットを伝え、理解してもらうと行動変容にも繋がりやすくなると思います。
ぜひ、ご自身の食事の参考にしたり、保健指導などのアドバイスにも役立てていただけると幸いです。
参考文献
■腎機能への影響
■たんぱく質と尿の関係(分解)
■カルシウムの排出
■日本人の食事摂取基準(2025年版)
まとめ
たんぱく質は健康維持に欠かせない栄養素ですが、「過剰摂取=リスク」という視点も持つことが管理栄養士として大切です。
今回のコラムでは、
といった、栄養指導にすぐに役立つポイントが整理されていました。
対象者さんは「グラム数」で説明してもピンとこないことが多いです。
「卵1個=約6g」「納豆1パック=約8g」など、身近な食材で置き換えて説明することで理解が深まり、行動変容につながりやすくなります。
このような「現場で伝わる工夫」を学び、自分の言葉で指導に落とし込める力は、管理栄養士のキャリアアップに直結します。
転職活動や面接でも「食事指導をどう伝わりやすく工夫しているか」を具体的に話せると強みになりますね。
Dietitian Jobでは、管理栄養士の皆さんが現場でより活躍できるよう、最新の栄養知識や指導スキルアップにつながる情報をこれからも発信していきます。
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