栄養士・管理栄養士の副業とは?

栄養士・管理栄養士は、栄養に関する総合的かつ専門的な知識と経験を持つプロフェッショナルです。近年では、その専門性を活かしながらフリーランスとして独立をする方も増えてきました。
フリーランスや在宅での柔軟な働き方は、ライフワークバランスの面でとても魅力的ですが、収入が安定しないことや確定申告を自身で行う必要がある等、いきなりフリーランスとして独立するのにはハードルが高いと感じる方も多いでしょう。

そこでまず、副業という形で一歩を踏み出すことは、自分のスキルを活かしながら、新たな収入源を得るチャンスにもなります。それぞれにニーズがあり、自分のペースで働けるものも多いため、自分に合った働き方を見つけやすい点も魅力です。今回のコラムでは、栄養士・管理栄養士の経験を活かせる多様な副業の選択肢をまとめてみました。

目次

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栄養士・管理栄養士にオススメの副業10選

栄養士・管理栄養士の副業には、さまざまな選択肢があります。
ポピュラーなものとしては、特定保健指導やオンライン栄養相談等が浮かぶと思います。
コロナ禍以降、業務内容の変化や在宅での仕事が増えると同時にICTが発達し、オンライン面談も一般的になりました。全国どこからでも栄養相談や保健指導が受けられるようになり、栄養士の活躍の場が増えてきています。
次に、健康料理教室の講師も人気です。自分のレシピを活かしながら、多くの人に食育を広めることができるのはとてもやりがいのある仕事です。

その他にも、スポーツジムでの食事アドバイスや料理動画の配信やSNSでの栄養情報発信など……それぞれ魅力的な選択肢を次から詳しく説明していきます。

特定保健指導

特定保健指導は、メタボリックシンドロームに着目し、健康維持や疾病予防を目的とした、厚生労働省が実施している一次予防の取り組みです。特定健診でメタボリックシンドロームや生活習慣病予備群と判定された方に対し、一人ひとりのライフスタイルに合ったアドバイスを提供します。2008年から開始された特定保健指導は、今現在管理栄養士の副業としてとてもポピュラーなものとなりつつあります。

この副業の魅力は、保健指導を通じて対象者を健康へ導ける、一次予防に強く関われる点です。また、特定保健指導は、働く時間が柔軟なことも多く、自分のライフスタイルに合わせた働き方が検討できます。自分のやりがいを感じながら収入につながる選択肢の一つとして、かなり有力です。
DietitianJobでもフリーランスの方が多数所属しており、地方自治体での対面での保健指導業務をはじめ、人間ドッグでの保健指導業務で人員不足時のサポートはもちろん、健康経営を目指す企業の健康診断現場へ派遣されるなど、様々な場所で多くの管理栄養士が活躍しています。
参考:厚生労働省「特定健診・特定保健指導」

栄養指導・栄養相談

栄養指導や栄養相談は医師の指示に基づき、疾病治癒の補助及び重症化予防などの為、管理栄養士としての知識を活かし集団ないしは個人へ栄養素の摂り方、正しい食事法等を指導する仕事です。

病院には管理栄養士の必置義務があるためフルタイムでの求人が目立ちますが、食事提供のない個人のクリニックによっては、曜日の指定で栄養相談や時間を指定して管理栄養士を配置しているところがあり非常勤で働くことができるため、副業の選択肢の一つとなるでしょう。土のみや午後のみ等勤務曜日や時間を相談できるところも魅力的ではありますが、DietitianJobで掲載する求人でも経験者優遇のところが多く少しハードルの高い傾向となっています。

レシピ開発

レシピ開発は、栄養士にとって人気の高い副業の一つです。レシピ開発には自身の知識や経験を活かすのはもちろん、栄養士として栄養・健康に配慮した料理やメニューを考案することが求められます。オリジナリティを求められるため少し難しいイメージがあると思いますが、栄養価が高く、かつ美味しいレシピを提供することで、多くの人々の健康づくりに寄与できる魅力があります。

また、レシピ開発を通じて、レシピ本の出版や料理教室の開催、さらにはオンラインでのレシピ販売といった収入源を得るチャンスも広がります。近年では健康志向が高まっており、栄養価に配慮したレシピへの需要が高まっている傾向もあります。

DietitianJobでも、乾物マエストロの方や薬膳に詳しい栄養士によるレシピ記事を掲載しています。おいしく手軽だけでなく栄養に配慮したレシピを提示、健康への影響を説明できるのは、栄養士ならではの強みといえるでしょう。

Webライター

Webライターも栄養士にとって非常に魅力的な副業の一つです。コロナ禍以前より健康情報への需要は一定でありましたが、ここ近年栄養や健康に関する情報は多くの人々が求めており、ニーズが増えている分野の一つです。栄養士にとって自分の専門知識を駆使して収入につなげやすい働き方のひとつです。

Webライターとして働く際は、栄養士や健康に関するさまざまなテーマについて執筆します。例えば、ダイエット、食事管理、栄養素の解説など、幅広い内容が扱えます。自分の興味や知識に応じて執筆テーマを選ぶことができるため、やりがいを感じることができるでしょう。

さらに、在宅で自由な時間に作業できるため、フルタイムの仕事と両立しやすいのもポイントです。初めての方でも取り組みやすい分野であり、少しずつ経験を積むことで、より専門的な内容にも挑戦できるようになります。栄養士という専門資格を持っていることで、信頼性の高い情報を提供できるため、クライアントからの評価も得やすいです。
昨今はコラムにもAI生成コンテンツが増えていて、「誰が書いても似たような文章」になりがちですが、だからこそ、栄養士としての実体験や具体例、数字やエピソードを入れると差別化になります。
例:
「レシピ開発の経験で、記事に載せる料理を実際に試食し試行錯誤したエピソード」
「特定保健指導で◯歳代の方によく相談されるのは◯◯というテーマ」
「現場で患者さんが誤解しがちなこの栄養素」
こういう具体的な一文があるだけで、AIが生成する一般論+αの“自分の強み”を持った文章を書けることでしょう。

記事・レシピの監修(コンテンツ監修)

レシピ作成や掲載にも通じますが、記事やレシピの監修も、栄養士にとって専門性を活かしやすい副業の一つです。特に、食品関連企業やヘルスケアメディアが発信する情報の正確性を担保するために、専門的な知識を持つ栄養士へのニーズは高まっています。

具体的には、栄養や健康に関連する記事やレシピの内容をチェックし、正確性や表現の妥当性を確認します。単なる事実確認にとどまらず、読者が理解しやすく興味を持てるように調整することも役割の一つです。

監修業務はフリーランスとしても取り組みやすく、自宅で作業できるため時間の柔軟性がある点も魅力です。家庭や他の仕事と両立しながら、自身の専門性を活かして活動できます。

栄養士の知識を活かしてコンテンツの質を高めることは、発信者・読者双方に価値をもたらし、自身のスキルアップにもつながります。副収入を得ながら信頼性のある情報発信に貢献できる点は、この副業ならではの魅力です。

セミナー・イベント講師

セミナーやイベントの講師として活動することは、栄養士のスキルを活かせる副業の一つです。特に、栄養や健康に関する知識を広めたいという思いがある方にとって、満足感を得やすい仕事といえます。Webライター等とは異なり、生の反応や声を見られるのも魅力の一つです。

セミナーでは、一般の方から特定のターゲット(妊婦や高齢者など)を対象にした内容を提供することができます。参加者に具体的なアドバイスや実践的なヒントを届けられるため、学びや生活改善に役立ててもらえる可能性があります。

また、イベントでは、栄養に関連するさまざまなテーマを取り扱うことができ、講師としての活動はネットワーキングの機会にもつながります。同業者とのつながりを深めたり、新たな活動のきっかけを得られるのも魅力です。

自分の知識や経験をシェアすることでキャリアアップにもつながり、ブランディングにも寄与します。セミナーやイベント講師は、やりがいと発信力の両方を得やすい副業の一つといえるでしょう。

フィットネスジムの栄養サポート

フィットネスジムの栄養サポートは、注目されつつある仕事の一つです。近年、多くの人々が健康やダイエットへの関心を高めており、ジムと連携して会員の栄養管理を支援する役割が求められることがあります。

この業務では、ジムに通う利用者に対し、食事スケジュールや栄養素の摂取方法についてアドバイスを行います。トレーニングプログラムに合わせた食事プランを提案することで、より効果的なボディメイクを後押しできます。

また、定期的にセミナーやワークショップを開催する機会もあり、知識を広めると同時に、自分自身のブランドを確立する場としても役立ちます。さらに、リアルタイムでのフィードバックを得られるため、クライアントとの関係を深めつつ、自身のスキルアップにもつながります。
ですが、栄養士としての仕事だけではなく、スタッフやインストラクターとしての側面も求められることが多いため、柔軟に対応できる力も大切になってきます。フィットネス需要の高まりもあり、今後増えてくる仕事でしょう。目指すならば栄養士に加え、健康運動指導士等の資格を取得するのもおすすめです。

料理教室の講師・サポートスタッフ

料理教室の講師やサポートスタッフはあまり数が多くはありませんが魅力的な副業の一つです。自分の栄養に関する知識を活かしながら、料理の楽しさや健康的な食事の大切さを伝えながら、多くの人と関わることができるお仕事です。

料理教室では参加者との対話を通じて、食材や調理方法への理解を深めてもらうことができ、食育の重要性を広める場にもなります。また、自分のオリジナルレシピを披露したり、参加者の感想や反応を直接得られることで、大きなやりがいを感じられるでしょう。

このような講師・サポートの仕事は、自分の専門性を発揮できる場であり、副収入につながるだけでなく、人とのつながりを広げる貴重な経験にもなります。講師を目指すなら調理師の資格などもあると良いでしょう。

飲食店や惣菜店のメニュー監修も数は少ないですが、栄養士にとって人気の副業の一つです。店舗が提供する料理の栄養バランスやプレゼンテーション、健康的な食材の選定についてアドバイスをする仕事内容です。

メニュー監修を行うことで、自分の専門知識をフルに活かせると同時に、地域の健康促進にも寄与できます。顧客に対して栄養価の高い料理を提供することで、店舗の評判を高める手助けができるのです。皆さんもスーパーで栄養士監修と書かれたメニューを見たことがありませんか?健康志向の高い一般の方への購買意欲の促進になります。

また、メニューの企画や季節ごとの新商品開発に参加することもあります。自分で考案したメニューが実際に販売され、多くの人に食べてもらえることは大きなやりがいを感じる瞬間です。

メニュー監修は、フリーランスとしての活動が可能で、時間の融通が利きやすいのも大きな魅力です。飲食業界での経験や、栄養に関する知識を活かせる仕事です。

SNSでの情報発信(インフルエンサー)

SNSでの情報発信は、他の職業でももちろん、管理栄養士にとっても近年注目される副業の一つです。インフルエンサーとして活動することで、自分の専門知識を広めながら副収入につなげられる可能性があります。

SNSは、多くの人に瞬時に情報を届けられるため、栄養や健康に関連するコンテンツを発信することでフォロワーを増やすことができます。レシピや健康的な食材の選び方、ダイエットに関する情報など、幅広いテーマを扱えるのも魅力です。

フォロワーが増えれば、企業からのスポンサーシップや商品のPR依頼が来るケースもあります。自分の専門性を活かしながら情報を発信することは、自身のブランディングにも直結し、新しい挑戦の機会にもつながります。
DietitianJobではフリーランスで活躍中の赤松先生の記事を掲載しています。栄養士に向けたお役立ちコラムを是非参考にしてみてください。
赤松先生のコラム:水分補給にスポーツドリンクを飲む方への指導~栄養指導に役立つ知識~

栄養士が副業を選ぶポイント

栄養士が副業を選ぶ際には、いくつかのポイントを意識することが大切です。まず、働く時間や場所の柔軟性も重要です。栄養士・管理栄養士だけではなく、多くの人にとってライフスタイルに合った勤務形態を選ぶことは、働きやすさを左右します。在宅でできる業務や短時間での仕事など、自分の生活に合わせやすい副業を探すとよいでしょう。

次に、自分の専門知識はもちろん、今までの経験を活かせる仕事を選ぶことが挙げられます。経験は強みとして面接時等に役立つだけでなく、スムーズに業務を進めやすくなり、自信を持って取り組みやすくなります。

最後に、報酬面も見逃せません。副業の収入がどの程度か、また成果に応じた報酬が得られるのかを事前に確認しておくことが重要です。これらのポイントを踏まえて選ぶことで、より充実した仕事と生活の両立が実現しやすくなります。

ライフスタイルに合った選び方

副業を選ぶ際には、自分のライフスタイルに合っているかを重視することが大切です。例えば、家事や育児と両立したい場合には、在宅でできる仕事が向いています。オンラインでの保健指導、栄養相談やレシピ記事の執筆、在宅型の特定保健指導などは、時間を調整しやすく家庭との両立にも適しています。

また、副業に「やりがい」を求める方は、自分の興味や強みを発揮できる業務を選ぶと良いでしょう。健康づくりに直接役立つ内容や、専門知識を形にできる仕事は、充実感を得やすく長続きしやすい傾向があります。

さらに、病院や施設勤務と並行して副業を行う場合は、時間の使い方にも注意が必要です。必要以上に負担をかけず効率よく進められる副業を選ぶことが、ストレスを減らし満足度の高い働き方につながります。シフト制なら調整も効きやすく、土日のみの健康相談会にスポットで入る等、色々な働き方があります。

スキルの活かし方を考えた選び方

また、副業を選ぶ際には、まず自分のスキルをどのように活かせるかを考えることが重要です。例えば、栄養に関する専門知識を持つ管理栄養士であれば、オンラインでの栄養相談や食事指導などが適しています。これらは需要が高く、専門知識を直接活かせる分野といえます。

また、料理やレシピ作成に強みがある場合は、レシピ本やウェブサイトへの寄稿も有効な選択肢です。食に関心を持つ人々に向けてオリジナルレシピや食事プランを提案することで、副収入につながるケースもあります。

さらに、教育分野に目を向けるのも一つの方法です。食育講師として学校や地域で講座を行えば、専門スキルを社会に役立てながら地域貢献にもつながります。このように、自分のスキルや興味と合致する副業を選ぶことで、より充実した働き方を実現しやすくなるでしょう。

目的を明確にする

副業を始める際には、まずその目的を明確にすることが重要です。副業を始める理由には、収入を増やしたい、専門スキルを活かしたい、新しい挑戦をしてみたい、フリーランスへのきっかけにしたいなど、さまざまなケースがあります。それぞれの目的に応じて、適した副業の種類も異なります。

例えば、収入を重視する場合は、比較的早く報酬を得られる仕事を選ぶと効果的です。一方、スキル向上を目的とする場合は、コネクション等の土台作りも大切です。セミナーや料理教室のサポートは今までの経験に加え、知人や友人の紹介から始まることも少なくはありません。

また、新しい挑戦を楽しみたい場合は、自分の関心のある分野に取り組むことでモチベーションを維持しやすくなります。目的を明確に意識することで、自分に合った副業を見極めやすくなり、結果として充実感のある働き方につながります。

栄養士の副業を探す方法

栄養士を活かした副業を探す方法はいくつかあります。まず活用しやすいのはインターネットです。求人サイトやフリーランス向けのプラットフォームを利用することで、自分に合った仕事を見つけやすくなります。

栄養士・管理栄養士向けの求人情報は こちら からも探すことができます。実務経験のあるエージェントが相談に乗ってくれるので安心です。

また、自分のネットワークを活かすのも有効です。友人や同僚に副業を探していることを伝えることで、思わぬチャンスが得られることもあります。さらにSNSで情報を発信することで、自分のスキルをアピールでき、仕事につながる可能性も広がります。

また、ハードルは高いですがオンラインセミナーや講座を開くという方法もあります。自分の専門性に合ったニーズを見極めてサービスを提供できれば、やりがいと収入の両方につながる副業になるでしょう。

求人サイト・副業プラットフォーム

求人サイトや副業プラットフォームは、栄養士が副業を見つけるうえで便利なツールです。これらのサイトではさまざまな案件が掲載されており、自分のスキルや希望条件に合った仕事を探しやすくなっています。

栄養関連の職種を専門に扱う求人サイトもあり、地域や勤務形態で絞り込むことで効率的に探すことが可能です。また、副業専用のプラットフォームでは短期案件やフリーランス向けの仕事が豊富で、自宅作業や時間に縛られない案件も多く掲載されています。

新しい機会を求める栄養士にとって、こうした求人サイトや副業プラットフォームは心強い選択肢のひとつになります。

栄養士・管理栄養士向けの求人情報は\こちら

SNSでの情報収集

SNSは、副業に関する情報を得るうえで役立つツールです。栄養士に関連した専門的な情報や最新のニュースを知る際にも有効で、多くの業界関係者がリアルタイムで情報を発信しています。

例えば、TwitterやInstagramでは、栄養士や健康関連の専門家をフォローすることで、イベントやセミナー情報、最新の研究や論文に触れることができます。また、自分からも専門知識を発信すれば、フォロワーが増えて副業のきっかけにつながる可能性もあります。

さらに、FacebookやLinkedInでは専門グループに参加することで、交流や情報交換を通じて新たな副業のヒントを得られる場合があります。LinkedInは日本では利用者が少なめですが、海外のヘルスケア情報や国際的なネットワークづくりに役立つため、英語が得意な方や海外案件に関心がある方には特に有効です。

積極的に情報を集め、自分のスキルや知識を高めていくことが、より良い副業の選択肢を広げることにつながります。
ただ、情報の正確性に欠ける場合があるので、注意は必要です。新しい情報を探す、拡散する際は発信源などのファクトチェックをする癖をつけると良いでしょう。

知人・友人からの紹介

知人や友人からの紹介は、管理栄養士として副業を探す際に有効な手段の一つです。多くの場合、信頼関係を前提とした紹介になるため、仕事の安心感や信頼性が高いのが特徴です。

まずは自分の周囲のネットワークに副業を探していることを伝えてみましょう。例えば、友人や知人に自分のスキルをアピールすることで「栄養相談をお願いしたい」といった声がかかることがあります。また、以前の職場での人脈を通じて、新しい仕事の機会を得られるケースも期待できます。

実際に、DietitianJobでも、ご友人の紹介をきっかけに登録し、保健指導の場や講師として活躍している栄養士の方が複数いらっしゃいます。こうした実例からも、紹介が副業の大きな一歩につながることがわかります。

紹介を受けることで、初めての仕事でも信頼感を得やすく、クライアントも安心して依頼できます。知人や友人からの紹介を積極的に活用することは、副業のチャンスを広げる効果的な方法の一つといえるでしょう。

企業への直接アプローチ

栄養士が副業を探す方法の一つに、企業や団体への直接アプローチがあります。自分のスキルや経験を必要としている先に積極的に働きかけることで、新たなチャンスを得られる可能性があります。まずは、自分の専門性に関連する企業をリストアップし、それぞれのニーズを調べてみましょう。

例えば、歯科クリニックに勤める管理栄養士が、そこに通う患者のお子さんが通う保育園での食育に悩んでいる話を聞き、その保育園へ自分のスキルで手助けができると直接アプローチをした事例があります。結果、園児向けの栄養指導に携わる副業へとつながったのです。このように、日常の勤務先や人脈からヒントを得て活動の場が広がるケースも少なくありません。

企業へのアプローチ方法としては、人事部門や関連部署に直接コンタクトを取るほか、メールや電話、SNSやウェブサイトを活用した自己PRも効果的です。特に小規模な企業やスタートアップは柔軟に外部の専門家を求めることが多く、チャンスが見つかりやすい傾向にあります。

最初のコンタクトがうまくいけば、自分の提供できるサービスや価値を具体的に伝えることが重要です。企業にとってどのようなメリットがあるのかを明確に説明し、信頼関係を築くことが副業につながる第一歩となります。

栄養士の副業に役立つスキルや資格

栄養士・管理栄養士の資格そのものはもちろん大きな強みですが、副業で活躍の幅を広げるには+αのスキルや資格があると有利です。

まず、栄養学や健康管理に関する知識・食事指導の経験は基盤となり、オンライン栄養相談や特定保健指導、健康講座など幅広い分野に活かせます。加えて、コミュニケーション力やプレゼンテーションスキルは、セミナーやワークショップを成功させるうえで欠かせません。

さらに、副業の選択肢を広げる資格として以下が挙げられます。

  • 公認スポーツ栄養士(日本スポーツ栄養学会)
    アスリートや運動愛好者を対象に、パフォーマンス向上や健康管理を目的とした栄養サポートを行う資格。ジムやスポーツチームとの副業に強みを発揮します。
  • 健康運動指導士
    個々人の心身の状態に応じ、安全で効果的な運動を実施するための運動プログラムの作成及び運動指導を行う資格。ジムやスポーツチームとの副業に強みを発揮します。
  • 食生活アドバイザー
    食生活全般に関する知識を活かして、消費者に正しい情報を伝えるスキルを養う資格。企業とのタイアップや監修業務にも活用できます。
  • 食育アドバイザー
    地域社会や家庭、職場での食育活動を推進するための知識を深めることができます。小児方面で活躍したい方におすすめです。
  • フードコーディネーター
    メニュー開発、店舗プロデュース、料理教室の運営など、食ビジネスや食文化に関する幅広い分野で活躍できます。

これらの資格やスキルを組み合わせることで、栄養士としての専門性を高めつつ、副業の選択肢を広げることができます。また、資格取得のための勉強は自己成長やキャリアアップにもつながるため、興味のある分野から少しずつ取り入れていくと良いでしょう。

ITスキルの重要性

現代の働き方において、ITスキルは欠かせないものとなっています。栄養士が副業を行う際にも、ITスキルは大きな強みになります。

Webライターだけではなく、オンラインでの栄養相談やメニュー作成の依頼は、デジタルプラットフォームを通じてやり取りされることが多く、基本的なコンピュータ操作に加え、特定のアプリやソフトウェアの理解が求められます。

また、SNSを活用した情報発信や、ブログの運営も大切な要素です。自分のサービスを効果的にプロモーションできれば、多くの人にアプローチでき、副業の広がりにつながります。

さらに、オンラインセミナーの開催やWebサイトの運営・管理なども、ITスキルがあれば柔軟に対応できます。こうした力は収入の向上やキャリアアップにも直結するでしょう。

近年ではAIを使った情報整理やコンテンツ作成の機会も増えていますが、必ず自分でエビデンスを確認し、正確性を担保することが重要です。ITスキルにAIリテラシーを加えることで、栄養士としてより信頼性の高い活動が可能になります。

栄養士が副業するメリットとデメリット

栄養士が副業を選ぶ際には、メリットとデメリットをしっかり理解することが重要です。まず、メリットとしては、専門知識を活かして収入を得られる点が挙げられます。自分のスキルを最大限に活かせる仕事内容は充実感をもたらします。さらに、柔軟な働き方ができるため、家事や育児との両立がしやすく、ライフスタイルに合わせた働き方が可能です。

一方で、デメリットも存在します。特に時間管理が難しくなり、本業とのバランスを取ることが求められるため、ストレスを感じる可能性があります。また、副業によって本業に影響を与えることも懸念されます。これらを踏まえ、自分に合った副業のスタイルを選ぶことが重要です。

メリット

副業を持つことには、大きなメリットがあります。まず、自分の専門知識を活かして収入を得られる点が大きいです。栄養に関するアドバイスや改善案を提供できるため、クライアントからの信頼も得られます。

さらに、柔軟な働き方ができることも嬉しいポイントです。フリーランスや在宅勤務など、自分のライフスタイルに合わせた働き方が可能です。これにより、家庭やプライベートとの両立も実現しやすくなります。

また、副業を通じて新たな人脈を築く機会が増えることも魅力です。異業種の人々と交流することで、視野が広がり、さらなるスキルアップが期待できます。自分の成長につながる要素が多く含まれているのです。

デメリット

副業を行う際のデメリットにはいくつかの点があります。まず、時間管理の難しさです。本業を持ちながら副業をする場合、両方の時間をどのように効率的に使うかが課題となります。特に、締切やクライアントとの調整が必要な副業では、柔軟に時間を捻出することが求められます。

さらに、ストレスの増加も大きな特徴です。副業が本業に影響を与えることもありますし、自分の時間が減ることでリフレッシュの機会が奪われることも考えられます。結果として、仕事のパフォーマンスが低下する危険性もあります。

また、副業には経済的なリスクも伴います。初期投資が必要な事業や、コネクションが薄いと顧客を獲得するまでの期間は収入が安定せず、精神的負担を感じることもあります。このように、副業を行う際には、デメリットも十分に考慮する必要があります。

参考事例:フリーランスで活躍する管理栄養士・藤井先生のコラム もぜひご覧ください。実際の働き方やリアルなメリット・デメリットを知ることができます。

まとめ

栄養士としてのスキルを活かす副業には、多くの選択肢があります。収入を増やすだけでなく、自分の専門性を発揮できる場を見つけることで、人々の健康に直接貢献できるのも大きな魅力です。

副業を選ぶ際は、自分のライフスタイルや働き方の柔軟性を考慮することが大切です。例えば、レシピ開発、提案やオンラインでの講座の開催は自宅で行えるため、時間のやりくりがしやすいでしょう。

さらに、SNSやブログを活用して情報発信を行うことで、多くの人とつながり、知識を深めながらコミュニティを広げることができます。副業を通じて、自分自身の成長を実感できるのは、栄養士にとって大きなメリットです。

もし「自分に合った副業が分からない」「キャリアをどう広げていくべきか悩んでいる」という場合は、DietitianJobで相談してみませんか?実務経験のある栄養士がエージェントとして相談に乗るので、一人ひとりに合った働き方を一緒に探していけますよ。

これらの点を踏まえ、自分に最適な副業を見つけ、キャリアの可能性を広げていきましょう。