管理栄養士と栄養士の違い、何となく分かっていてもいざ聞かれると悩んだり、どこまで栄養士に任せて良いのか分からなくなったりしますよね。今回は加算や配置基準を元に管理栄養士にしかできない業務を職場別に徹底解説します!
管理栄養士とは
栄養士、管理栄養士は栄養士法で定められており、管理栄養士の定義は以下のようになっています。
「管理栄養士とは、厚生労働大臣の免許を受けて、管理栄養士の名称を用いて、傷病者に対する療養のため必要な栄養の指導、個人の身体の状況、栄養状態等に応じた高度の専門的知識及び技術を要する健康の保持増進のための栄養の指導並びに特定多数人に対して継続的に食事を供給する施設における利用者の身体の状況、栄養状態、利用の状況等に応じた特別の配慮を必要とする給食管理及びこれらの施設に対する栄養改善上必要な指導等を行うことを業とする者をいう。」
これをかみ砕くと、管理栄養士は
〇 疾病を持っている方への栄養指導や栄養管理ができる
〇 多くの人へ定期的に出す給食の管理ができる
〇 特別な配慮が必要な給食の管理ができる
ということです。栄養士は健康な人に向けて栄養の指導が行えるのに対し、管理栄養士はより専門性のある栄養指導や栄養管理が行えるという位置付けになります。

管理栄養士資格の取得方法
管理栄養士の取得方法は
① まず栄養士免許を取得
② 管理栄養士国家試験の受験資格を取得
③ 管理栄養士国家試験へ合格し厚生労働省から免許の交付
の流れになります。必ず栄養士または管理栄養士の養成校の卒業が必要となる上、年に一度の管理栄養士国家試験へ合格する必要があります。また、栄養士の養成校を卒業した場合、国家試験の受験資格を取得するために実務経験が必要となるので注意が必要です。年数は以下のように養成校の年数によります。

管理栄養士の養成校の場合は卒業と同時に受験資格を取得できるので、卒業後は実務経験がなくても受験が可能です。
📌おすすめコラム :<管理栄養士国家試験> 社会人でも効率良く勉強すれば合格できる!その勉強法とは
実務経験とは
栄養士養成校を卒業した方は、栄養士として実務をしたことを証明するため、願書を出すときに実務証明書も一緒に必要です。(毎回書式が異なるので注意が必要です。)実務先の施設長に照明してもらう必要があり、所定の書式があるので早めにもらうと良いでしょう。(委託給食会社での勤務の場合は会社と派遣先の施設長からの証明書が必要です。)また、願書提出時までの期間となるので、ちゃんと期間が足りているか、注意が必要です。
管理栄養士にしかできないこと
ここからは職場別に管理栄養士にしかできないこと、そして配置義務等も解説します。
是非参考にしてくださいね。
病院・クリニック
まず、病院は医学的な管理を必要とする特定給食施設とされ、1回300食以上又は1日750食以上の食事を提供する、または300床以上ある場合は管理栄養士の設置が義務付けられています。また「特定機能病院」という高度な医療を提供する病院は入院可能数に関わらず管理栄養士の必置義務があります。
ただし、必置義務のないの病院でも様々な加算の関係で管理栄養士を配置する必要があります。
入院栄養管理体制加算
・⇒専従の常勤の管理栄養士が1名以上配置されていること。
早期栄養介入管理加算
・⇒栄養管理に関する十分な経験を有する専任の管理栄養士が配置されていること。
周術期栄養管理実施加算
・⇒周術期の栄養管理を行うにつき十分な経験を有する専任の常勤の管理栄養士が配置されていること。
特定機能病院リハビリテーション病棟入院料
・⇒専従の常勤の管理栄養士が1名以上配置されていること。
摂食嚥下支援加算
・⇒摂食嚥下支援チームの設置(チームには専任の常勤管理栄養士と記載)
退院時共同指導料
・⇒メンバーに新しく管理栄養士が追加
経腸栄養管理加算
・⇒専従の常勤の管理栄養士が1名以上配置されていること。
慢性腎臓病透析予防指導管理料
・⇒専従の常勤の管理栄養士が1名以上配置されていること。
栄養サポートチーム加算
・⇒栄養管理に係る所定の研修を修了した専任の常勤管理栄養士が配置されていること。
外来・入院・在宅患者訪問栄養食事指導料
・⇒管理栄養士が医師の指示に基づき栄養の指導。
・・・と管理栄養士でないといけない加算がたくさんあります。これらに関連する業務は管理栄養士が行わないといけないため、各種会議や加算に関係する栄養管理、書類作成などが管理栄養士にしかできないこと、になります。
具体的には
① 入院患者・外来患者・在宅患者への栄養指導、食事指導
② 低栄養防止のため栄養ケアマネジメント計画、栄養管理計画
③ 特別食の献立管理
が管理栄養士にしかできないこと、になりますね。
(入院時食事療養加算であれば栄養士でも問題はないため一般食の献立作成は栄養士でも構いませんが、特別食加算には医師の指示に基づいた管理栄養士による栄養食事指導という定義があるため、管理栄養士にしかできないこととなります。)

高齢者・障碍者福祉施設
介護老人保健施設又は介護医療院など、医学的な管理が必要な施設は、継続的に1回300食以上又は1日750食以上の食事を提供している場合管理栄養士が必置となります。
それ以外の特別養護老人ホームや障害者支援施設は管理栄養士による特別な栄養管理を必要とする特定給食施設ではありますが、継続的に1回500食以上又は1日1500食以上の食事を提供する施設でなければ必置ではありません。
ですが、栄養ケアマネジメント加算には常勤の管理栄養士が1名以上配置していること、と算定要件にあり、令和3年以降は栄養ケアマネジメントの未実施は減算になるため、実際はほぼ必須と言っても過言ではありません。経口維持加算など他の加算についてもチームには管理栄養士が必要とされています
更に特別養護老人ホーム・老健・介護医療院では令和3年より「栄養マネジメント強化加算」が新設されました。常勤換算で管理栄養士を、利用者数50人(常勤の栄養士を1人以上配置し、当該栄養士が給食管理を行っている場合は70人単位)で除して得た数以上配置すること。とあり、加算を取るためには必須となっているため、ここ数年高齢者福祉施設では管理栄養士採用が増員傾向にあります。
栄養ケアマネジメントに関連する業務は管理栄養士が行わないといけないため、各種会議や加算に関係する栄養管理、書類作成などが管理栄養士にしかできないこと、になります。
具体的には
① 栄養ケアマネジメント計画の作成、それに基づいた栄養管理と記録
② 看取り介護加算や褥瘡マネジメント加算などの栄養管理と記録
です。
療養食加算は管理栄養士または栄養士が食事を管理と記載があるため、病院の特別食とは異なり栄養士でも構わないです。

保育園・幼稚園
乳児院、児童養護施設、福祉型障害児入所施設、情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設、は管理栄養士による特別な栄養管理を必要とする特定給食施設ではありますが、継続的に1回500食以上又は1日1500食以上の食事を提供する場合必置です。ですが、該当しない場合は栄養士・管理栄養士を置くように努める、とされ必置ではありません。
自治体からの栄養管理加算がありますが、栄養士という文言しかない為、管理栄養士ではなく、栄養士を置いている施設が多いです。保育園・幼稚園は健康な子供がいる施設のため栄養管理は必要ですが疾病に関する専門性などは薄い為管理栄養士ではないといけない、という業務はありません。
ただし、児童発達支援センターでは、食事提供加算(Ⅱ)の算定に管理栄養士が食事の提供に係る献立を確認するとともに、食事提供の支援及び助言を行うこととあるため、児童発達支援センターでは管理栄養士が献立作成などを行っていることがあります。
また、小学校では学校栄養職員が設置されていますが、学校栄養職員は栄養教諭または栄養士とされており、管理栄養士ではないといけないことはありません。

企業・その他
社員食堂は、継続的に1回500食以上又は1日1500食以上の食事を提供する施設であれば必置の義務がありますが、それ以外は設置の義務や加算などはありません。
その他管理栄養士ではないといけないことで大きいのは、特定保健指導があげられます。「保健指導に関する専門的知識及び技術を有する者は、医師、 保健師又は管理栄養士とする。」とあり、栄養士では行えないことが分かりますね。
また、行政機関で働く「行政栄養士」は管理栄養士ではないといけないとはされていませんが、多くが管理栄養士での募集となっています。健康な方から疾病のある方まで幅広く対応できる管理栄養士の方が重視されているためですね。
他には昨今、管理栄養士の治験コーディネーターでの募集を見かけます。資格は必須ではありませんが、管理栄養士の資格があると有利な場合があります。

まとめ
管理栄養士と栄養士はどちらも栄養・食事のプロフェッショナルではありますが、より特別な配慮が必要な状態の方への栄養管理や、食事指導などは管理栄養士ではないとできません。管理栄養士の方が仕事内容の幅が広く、より専門性を磨く必要があります。ぜひ栄養士の方はもちろん、すでに管理栄養士資格をお持ちの方も自身のスキルアップ・キャリアアップを目指してみませんか?

栄養士・管理栄養士のキャリアアップにDietitianJob!

DietitianJob(ダイエッティシャン ジョブ)では、栄養士・管理栄養士の様々な求人やスキルアップセミナー情報を掲載しています。
あなたにあった働き方を一緒に探しませんか?
転職エージェントは全員実務経験のある栄養士・管理栄養士なので詳しいお仕事の話や、専門性のある質問にもお答えできるので相談はもちろん転職後のサポートも安心!弊社では、あなたの経験や強みを最大限に活かせるようにフォローし、理想の職場への転職をお手伝いします。
詳しくはスタッフ登録をご覧ください。
