栄養士の薬膳に親しもう 第2回 五味の作用

<最終更新日2025.12.18>
こんにちは、外部執筆スタッフ管理栄養士の首藤です。
前回のコラム(2/14掲載分)ではプロローグが中心でしたので、本題に入っていきたいと思います。

👉 目次

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生薬とは

中国伝統医学(以下中医学)では、体質改善のために漢方薬を用います。
その漢方薬は、生薬の組み合わせによってできていますが、生薬とは何かを何となく皆さんはご存知かと思います。

生薬とは、薬効のある自然由来のもの
薬効成分を抽出せず、乾燥したり粉にしたりはしますが、基本はまるごと摂取します。
ですので、西洋の薬とは異なり患部への即効性よりもゆっくりと体質改善をして治していく…そんな考えなのです。

そして、中医学では、生薬や食材の性質を「性」「味」「帰経」「効能」で表します。
性 … 身体を熱くするか、冷やすかとを示す(五性ともいう)
味 … 今回はこれを説明!
帰経 … どこに効くか
効能 … どのように効くか

例)「生姜」
…温
…辛
帰経…脾・胃・肺
効能…化痰、止咳、解表、散寒、健脾、解毒、温中、止嘔
つまり生姜を摂取すると…身体を温める、脾臓・胃・肺に効く、効能は書いてある通り
(参考:現代の食卓に生かす「食物性味表」 日本中医食養学会)

このように、食材そのものが持つ栄養素で捉えるというより、身体の感覚的なものでみていくイメージでしょうか。

性質のうち今回は「味」についてお伝えします。

薬膳の五味とは

中医学では「酸」「苦」「甘」「辛」「鹹」を基本の味とし、それらをまとめて「五味」と言います。
味は舌で感じるだけではなく、身体に作用をもたらすとされています。
生薬の味といえば苦いイメージがありますが、食材同様それぞれの生薬にも「五味」があります。
早速それぞれどんな作用があるのか見ていきましょう。

酸味とは

「酸味」食材例:酢、レモン、梅、サンザシ、五味子など

引き締めることで、出過ぎるものを止める作用を持ちます。具体的に言うと多汗や下痢症状などを止める作用を言います。また体液を生み出す働きもあります。レモンを見たあなたもじゅわ、と唾液が出ませんか?酸にはそうした作用もあるのです。

苦味とは

「苦味」食材例:苦瓜、よもぎ、お茶、アロエなど

熱・老廃物・湿気等身体に溜まっている余分なものを取り除く働きをします。また体内の湿気を乾燥させる作用もあります。
暑い日にゴーヤやピーマンを使った料理を食べることは放熱し、体内の熱を正常に保つようになります。つまりほてりの防止になり、夏バテ防止のためになる…といった考えです。

甘味とは

「甘味」食材例:穀類、芋類、はちみつ、黒砂糖、なつめなど


滋養強壮の働きがあります。他にも身体の緊張を緩めたり、痛みを緩和させたりしてリラックス効果をもたらします。
※スイーツのような砂糖による甘みというよりも、食材自体がもともと持っている甘みをイメージされてください。

お米などは甘味に該当します、食べると元気になる…カロリー補給の考えですね。山芋等は胃の荒れに効くのでここになります。
また、はちみつは緩急と呼ばれ痛みを取り除く効果があります。

 

辛味とは

「辛味」食材例:生姜、葱、にんにく、しそ、胡椒、唐辛子、シナモンなど

身体を温める作用があり、体表を開き、汗など不要な物質を発散させたり、気や血の巡りを良くしたりする働きをもちます。
一番感覚的に分かりやすい身近な感覚ですね、香辛料が多いので、摂りすぎには注意ですね。

鹹味(かんみ)とは

「鹹味」食材例:海藻類、えび、いか、貝類など

しこり、結石、便などの固くなったものを柔らかくし下す作用があります。
「鹹」は塩辛いという意味を持ちますが、しょっぱいものと言うよりミネラルを多く含むものが鹹味の食材に挙げられます。
あまり見なれない言葉ですよね。海産物が多いです。また食物繊維も多く、便通等も良いものです。

まとめ

五味に関して簡単に説明してみました。
いくつか食材例を挙げておりますが、食材一つ=一つの味を持つというわけではなく、複数の味を持つ食材もありますね。
味の作用は、それぞれの味を感じた時の身体の反応を思い出してみるとイメージしやすくなります。
特に酸っぱいものや辛いものを食べた時のことを思い出してみると腑に落ちやすいのではないでしょうか。

またそれぞれの『五味』には作用しやすい『臓器(五臓)』があります。特定の味だけを過剰に摂ると、作用する臓器を傷め、五臓同士のバランスまでも崩してしまいます。(五臓については、また別の回でお話しします。)

栄養士として薬膳の考えは取り入れやすい!

暑い季節には酸味のあるものを食べて汗をかき過ぎないようにしたり、寒い季節には辛味を持つ食材を摂り入れたりなど、食材選びや味付けを工夫することで季節やその日の体調に合わせた食養生ができます。栄養士として献立やレシピ作成、栄養指導の際にもとても参考になります。

次回は『食性』をテーマに食材の温める力・冷ます力についてお話しさせていただきます。

 

参考文献:中医基礎理論(上海科学技術出版社)・現代の食卓に生かす「食物性味表」(日本中医食養学会

 

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