
管理栄養士の国家試験を受ける方は、試験日まであと半年…と少しずつ近づくにつれ焦る気持ちも出てくるのではないでしょうか。
「今からでも間に合う?」
「どんな勉強法がいい?」
などと、不安な気持ちを持つ方も少なくないはずです。
このコラムでは管理栄養士国家試験対策のアドバイスと、社会人になってから管理栄養士国家試験に合格された方の実体験を元に実際に行った国家試験対策もお伝えします!
<最終更新日2025.9.8>
目次
- 社会人の国家試験勉強には効率が大事
- 管理栄養士国家試験の勉強時間
- 毎日の学習時間の割り振り
- 長期的な学習計画の立て方
- 社会人の勉強のコツは量よりも質
- 「勉強時間」より「内容」重視
- 勉強しない日をつくらない
- 近年の過去問を中心に解く
- 働きながら管理栄養士国家試験に合格した話
- まとめ
社会人の国家試験勉強には効率が大事
管理栄養士の勉強時間は、個々の学習スタイルや生活環境によって異なりますが、特に働きながら勉強をしている方は効率よく学ぶことが求められます。そしてがむしゃらにやるよりも、国家試験に合格するためには、計画的な学習が不可欠です。いきなり何時間もやって先の見えない状態で進めて挫折…にならないように具体的な数字で見てみましょう。
管理栄養士国家試験の勉強時間
まず、合格に必要な勉強時間を見積もることが重要です。目安としては、300時間から500時間が必要だと言われています。
4月からスタートしたら…ほぼ毎日こつこつ1.5時間 約330日で495時間とかなり余裕がありそうです。
8月からスタートすると…1日2.5~3時間 約6ヶ月で500時間を目指す
等々。
働きながら、家庭のことをしながら3時間は少し確保が難しいように感じますね。ですがまとめて勉強するのではなく、隙間時間に積み重ねていけば…移動時間に…等工夫は様々。そして、個々により平日も少しづつ勉強タイプ、休日にまとめて勉強するタイプ、朝が集中できる、夜が集中できる…自分にとって効率の良い勉強時間をまず見つけそれにそって時間を確保し計画していくのも大切な事です。最初は15分だけでOK、無理なく習慣化すると少しずつ慣らして習慣化していくのもとても良い方法です。
毎日の学習時間の割り振り
日々の学習時間は先述の通り、残りの日数を見つつ、2時間程度が一般的なようです。ですが、自分の生活スタイルや仕事に合ったスケジュールを考えることが一番大切です。そして無理なく日々のルーチンに組み込むことで、勉強を継続し積み重ねていくことができるようになるのです。また、週間の学習計画を立てることもおすすめです。科目ごとに重点を置く日や週間を決めれば、単調な勉強を避けることが得られます。(生理学強化週間!等)さらに、日記やSNS等で学習の進捗を記録することで、自分の達成度を確認でき、モチベーションの維持にもつながります。SNSに投稿し仲間と共有するのは刺激としても良いでしょう。
長期的な学習計画の立て方
長期的な学習計画を立てるためには、まず目標を明確にすることが大切です。最終目標の管理栄養士国家試験に合格、に向けて中間目標を立てましょう。目指しやすいのは、各科目ごとに週間や月間の目標を設定することです。模試で何点を目指す、何回過去問をこなす…等、具体的な数字にすると分かりやすいですね。
そして、実行可能なスケジュールを作成します。管理栄養士国家試験は科目が多いです。各科目の内容を理解しながら、ゆとりを持った時間配分を心がけましょう。模試を定期的に受け、自分の弱点科目を把握しているとより良いです。弱点科目には多めの時間を割り当てて進めていくと良いでしょう。
社会人の勉強のコツは量よりも質
ここまで具体的な数字で勉強時間の話をしてきましたが、実際仕事の後に家庭のことをこなしたらもう寝る時間…というのも多い事だと思います。
それでも合格したい…!その思いで2時間勉強をしようにも疲労で全く頭に入ってこない…というのはある話です。
社会人の勉強のコツは
「勉強時間」より「内容」重視
2時間やった、という日課達成よりも、何問の復習をこなせた、何ページ読み進めて理解した、という数での日課等にするとこなしやすいです。
これならば移動中の隙間時間や、仕事の休憩時間に少しでも進めて家での勉強時間を減らす…というのも分かりやすくなります。
大切なのは時間ではなく、内容です。
勉強しない日をつくらない
習慣になるまで辛抱強く続けるのはとても大事です。
毎日参考書を少しでも読み進め知識に触れる、毎日過去問を1問でも解いてみる……スキマ時間から始めて、習慣化することが大切です。
そのうちに勉強時間が苦ではなく癖としてできてきた頃、後から結果がついてくるものです。
近年の過去問を中心に解く
これは様々な試験において多くの合格者が言うことですが、教科書を丸暗記は非効率的です。
過去問には出題者が覚えてもらいたいところ、間違ってほしくないところ、必須のところがまとまっています。
もちろん日々栄養を取り巻く環境や栄養学も日進月歩の為最新へアップデートは必要ですが、基礎的な面では大きく変わらないものも多いです。
基礎的な知識が整った後は、5年程度の過去問を2,3周こなすと、自分が良く間違えるところや理解のできないところが浮かんでくるのでそれをピンポイントで補っていくのはとても効率的です。
この後は効率良く勉強して管理栄養士国家試験に合格した方の実体験を紹介します。
働きながら管理栄養士国家試験に合格した話
こんにちは 管理栄養士の広田千尋です。
私は短大卒で栄養士として実務経験を積んだ後、管理栄養士免許を取得しました。
働きながらの挑戦で時間がない中の受験でしたが、幸い一度の受験で合格することができました。
今回は経験を踏まえながら、やってしまいがちなNG勉強法、効率のいい勉強法などを解説していきます。
また講座や通信講座ってどうなの?と迷っている方へのアドバイスもお伝えしています。

やってはいけない勉強法(NG勉強法)
NG①ノートにまとめる
全ての範囲をノートにまとめるのはNGです。
というのには大きく2つの理由があります。
①範囲が広いために時間がかかりすぎてしまう(試験にあまり出ない範囲にも時間をかけてしまう)
②ノートにまとめただけで満足してしまう
というものです。
このため、時間がいくらあっても足りなくなります。
ノートにまとめない勉強法は、以下のようにするのがおすすめです。
*参考書に直接書き込む
→そもそも参考書にポイントがきれいにまとめられているので、自分でノートにまとめ直すのは時間がもったいないです。
ポイントや必要な情報などを参考書に直接書き込みをすれば自分だけの参考書を作れます。
*しっかり覚えたい範囲だけ、ノートに書き写す
→ノートにまとめて満足してしまい、暗記や理解が不十分なっていることも。
しっかり覚えたい部分に関しては、書くことで理解や暗記に繋がるので◎。
科目や情報を選んで書き写しましょう。
例えば人体の構造などは、参考書を眺めるよりもノートに書き写してみる方が覚えやすいです。
効率的に勉強したいなら、このような方法で取り組んでみましょう。
NG②古い参考書を使う
中古などの最新でない参考書を使って勉強すると、古い情報で覚えてしまう恐れがあるためおすすめしません。
法律、ガイドライン、食事摂取基準、診療報酬、介護報酬など、毎年のように何かしらの変更や改正があります。
古い情報を覚えてしまうと、新しい情報を覚え直すのも大変です。
さらに、気付かなかった場合は誤った情報で試験に臨んでしまうことになります。
1点勝負の国家試験では、これは不利ですよね。
メインで使う参考書は、なるべく最新のものを使いましょう。
もし過去の参考書を使って勉強したい場合は、人体の構造の部分や基礎栄養学などの変更が少ない部分のみを活用する、などという風にしておきましょう。
NG③自分の性格に合わない勉強法を続ける
勉強法は人それぞれで、1人でコツコツするのが得意なタイプ、人と一緒に勉強したり、講座を受けたりする方が向いているタイプ…などとさまざまです。
自分に合った方法に気づかずに勉強を続けても、思うようにはかどらなかったり、集中して取り組めなかったり…。
時間がない中で勉強するなら、自分に最適な方法を考えてみて、効率よく勉強を進めましょう。
また勉強する場所も、自宅だけでなく、外でもできる環境を探してみましょう。
自宅で集中できなくなったときに、外へ出ることで気持ちの切り替えができます。
静かに勉強できる図書館がいい方や、反対に少しにぎやかなカフェの方が集中できる方…など人それぞれですので、自分に合った環境を見つけておきましょう。
効率よく勉強して合格しよう!
過去問を中心に勉強する
おすすめの参考書は過去問をベースにしたものです。
過去問の出題傾向に基づいて必要な情報がまとめられているので、覚えておきたい箇所を効率的に勉強できます。
さらには5年分の過去問が載った過去問集もおすすめです。
過去問を暗記するくらいひたすら解いていると、出てきやすい問題のポイント、覚えるべき箇所が徐々にわかるようになってきます。
繰り返し過去問で出ている箇所を重点的に覚えていきましょう。
「正解」以外の選択肢はスルーして効率アップ
過去問の答え合わせをしながら勉強するときは、正解になっている選択肢以外はスルーしましょう。
なぜなら、ほかの選択肢まで勉強すると勉強量が5倍になるからです。
過去問ですべての選択肢を勉強しようとすると、200問×選択肢5個×5年分=5000個になりますが、正解だけであれば200問×正解1個×5年分=1000個になり、5分の1で済みます。
もちろん、ほかの選択肢もしっかりと勉強出来ればベストですが、時間がない中勉強したいなら絞って勉強するべきです。
特に正解になっている選択肢は、「間違えて覚えやすい」「しっかりと覚えておきたい」というポイントがつまっているので、効率的に勉強できるのです。
誤答の選択肢に時間をかけすぎずに、ほかに重要なポイントを復習したり、模試にチャレンジしてみたりするなど、身になる勉強をしていきましょう。
セミナー・通信講座の活用法
セミナーや講座は前のめりで受けるならアリ!
セミナーや講座を受けるかどうか悩む方も少なくないのではないでしょうか。
“前のめり”で受けることができるなら、参加して大いに活用しましょう!
セミナーや講座のメリットは、自分だけではわからない部分を教えてもらえるところ。
しかし、ただ単にセミナーや講座に参加するだけでは合格はありえません。
セミナーや講座の内容を活かして、しっかり自分でも勉強することが大切です。
「何となく受けてみる」「受けたら受かるかな?」という気持ちで受けるのは時間とお金がもったいないです。
セミナーや講座は、しっかりと“前のめり”で受けて、自分がわからない・苦手な分野を克服して合格に近づきましょう。
こつこつ頑張れるなら通信講座も◎!
通信講座にもたくさん種類がありますよね。
こつこつ頑張れる方は、通信講座も選択肢に入れてもいいでしょう。
通信講座のメリットは、書店では買えない独自のテキストで勉強出来たり、添削を受けられたり、模試を受けられたりするところ。
ただし、申し込みをして満足しないよう、こちらも“前のめり”で通信講座を受けて、しっかりと活用しましょう。
今からでも間に合う!
あと数か月にせまった管理栄養士国家試験。
効率よく勉強してしっかりと対策をとれば、今からでも遅くはありません。
来年には合格して、管理栄養士として一緒に働けるのを心から楽しみにしています!
まとめ
管理栄養士国家試験の勉強は、合格がゴールではなくキャリアのスタートラインです。国家資格を取得することで、病院・介護施設・保育園・特定保健指導など幅広い職場での活躍が可能になります。また、学習で培った「知識の整理力」や「伝える力」は、現場での栄養指導や食育活動にも直結します。
今後のキャリアを考える際は、試験合格後にどんな分野でスキルを磨きたいか、どんな栄養士として働きたいかを意識して求人情報をチェックしてみるとよいでしょう。DietitianJobでは、国家資格を活かして働ける求人や、さらなるスキルアップにつながる職場情報を掲載しています。学びを未来のキャリアにつなげていきましょう!
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