<最終更新日2025.10.20>
こんにちは。外部執筆スタッフの管理栄養士の広田千尋です。
栄養士や管理栄養士の働き先の選択肢のひとつとして、給食委託会社があります。
「忙しそう」「大変そう」というイメージを持つ方もいますよね。でも、給食委託会社で働く魅力もぜひ知ってほしいな、と思います。
実際に働いた経験のある筆者が、給食委託会社で働いて感じた魅力と、大変に感じた部分もあわせてお伝えします。
👉 目次
そもそも給食委託会社とは
給食委託会社とは、学校や企業、病院などの施設向けに給食サービスを提供する企業のことを指します。また、給食委託会社はしばしば「委託」「委託会社」などと呼ばれていますが、正しくは給食受託会社といいます。(本文中では分かりやすく呼び慣れている委託会社と表記します。)
病院や高齢者施設、保育園、学校、寮、社員食堂など、さまざまな現場で給食に関わるサービスを提供しています。
給食委託会社の業務内容
給食委託会社の業務内容は多岐にわたります。
受託する業務内容としては、献立作成から発注、調理、提供まですべて受託する場合もありますが、調理のみを受託する場合もあり、受託先によって業務の範囲はさまざまです。
献立作成は栄養士の仕事となり、各施設のニーズに合ったメニューを提案します。施設ごとに配置された栄養士が作成を行う場合や、まとめて本部の栄養士が行う場合など様々です。
次に、食材の発注や在庫管理です。発注業務も栄養士が行うことが多いです。献立作成と同様に、施設ごとの栄養士が行うか、本部の栄養士がまとめて行うかは様々です。委託料の中で食材料費と人件費をやり繰りする必要があります。
そしてもちろん、調理も行うと同時に、衛生管理の徹底も求められます。
委託会社によってはセンターで調理し、施設では再加熱のみの場合もありますが、調理場の状況、利用者のニーズ、食材料等により内容は大きく異なるため、もし委託会社への就職を検討する場合は業務内容をよく確認すると良いでしょう。
給食委託会社で働く魅力
そんな給食委託会社で働く魅力にはどのようなものがあるのでしょうか?
皆さんのイメージとしては調理が大変、キツイ、残業が多い…等ネガティブなものが多いと思います。
ですが、給食委託会社だからこそ持つノウハウや、病院・保育園・福祉施設等の垣根を超えたチームワーク、最新の衛生管理の知識などは栄養士として学びが多くあるものです。
ここからは、実際に働いて感じた魅力についてお伝えします。
給食管理のプロになれる
何といっても給食委託会社の栄養士、管理栄養士といえば、給食管理のプロフェッショナルです。
筆者である私は、給食委託会社、病院の両方で働いたことがありますが、やはり給食管理の知識が身に付くのは給食委託会社ならではと思っています。
委託給食会社以外でも、栄養士や管理栄養士は調理現場を統括することが多く、給食管理の基礎知識はもちろん、給食を提供する一連の流れを把握していないと仕事をこなせません。一度委託給食会社で経験を積めば、異動でどの現場に配属になっても重宝されますし、転職したいと思ったときにも必ず役立ちます。
福祉施設や病院、企業など、異なる環境での食事提供に関わることができ、会社のもつ様々なノウハウや、献立パターン、様々な施設形態での行事食などの引き出しを持つことができるのは栄養士・管理栄養士のキャリアとして貴重な財産となるでしょう。
年代が近い同期や仲間がいる
年代が近い同期や仲間がいるのも魅力のひとつです。病院や施設などでは栄養士や管理栄養士は1人のこともあり、同じ職場で悩みを共有できる人がいないこともあります。
私は今までの転職の中では、給食委託会社で働いていたときが年代の近い同僚が一番多く、悩みを共有したり愚痴をこぼしたりしたものです。
ただ、年代の近い同僚と同じ現場に配属されることはほとんどないため、入社時のオリエンテーションなどで顔を合わせる際に仲良くなっておくのがおすすめです。
さまざまな職場で働ける
病院や施設などの栄養士や管理栄養士は、ほとんどの場合同じ職場で働き続けることが多いものですが、給食委託会社であれば異動があるため、さまざまな職場で働くことができます。
異動によりたくさんの経験ができるだけでなく、結婚などで引越しすることになった際も、近くの現場に異動願いを出せるので、長く続けやすいのもメリットです。
キャリアアップへ繋がる
最後に、キャリアアップの機会があります。給食委託会社では、実務経験が積めるため栄養士から管理栄養士になるための国家試験受験資格を取得できます。また、若くとも栄養士は現場の責任者となることが多い為、チームのリーダーとしての経験は今後マネジメント職へとキャリアを進める道へとつながるでしょう。ただ、その場合施設側の管理栄養士と会社の顔として接する必要があり、神経を使うのは否めません。
給食委託会社の大変なところ
給食委託会社は魅力もありますが、大変なところももちろんあります。
皆さんの想像以外に、どのようなものがあるのでしょうか?
調理や配膳などの作業が多い
給食委託会社で働くなら、調理や配膳などの作業は避けられない、と言ってよいでしょう。
立ち仕事も多いので「デスクワークだけの仕事がしたい!」という方には向かないかもしれません。ですが、デスクワークと作業の両方の仕事があることで、メリハリをつけて仕事がしやすい、と捉えることもできますよ。
調理に関しては委託先、委託元により様々です。下処理から行う場合や、完全調理済み料理が配送されるので盛り付けが中心等、必ず確認しましょう。
忙しい現場も
給食委託会社で働くかどうか迷うひとつの理由に「忙しそう」「残業が多そう」とイメージを持っている方もいるのではないでしょうか。
実際、病院や施設などの1日3食を365日提供するような現場では、忙しいところがあるのも事実です。ただし、現場によって忙しさは大きく変わりますし、また最近では残業がないよう処遇改善に取り組んでいるところも増えてきています。
就職や転職の際には、残業の状況や休日についての確認はしっかりと行いましょう。
「働いてよかった!」と思える就職・転職をしよう
給食委託会社はひとつの施設ではできない様々な環境で働ける、栄養士の仲間が多くいる、給食管理のプロになれるなど、魅力がある一方で、忙しいことや、立ち仕事が多いなどイメージ通り大変なところがあるのも事実。
でも給食委託会社だけでなく、どのような職場でも大なり小なり大変なことはつきものです。また、私の周りの話ではありますが、経験者は「委託で働いてよかった!」と言っている方が多いですし、現職の方でも「働き続けたい!」と言っている方もたくさんいますよ。
就職や転職を考えている方はイメージにとらわれ過ぎず、ぜひ給食委託会社で働く魅力を知ってほしい、と思います。このコラムが参考になりましたらうれしいです。
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