体内農薬、有機食材を1か月食べ続けると農薬は1割未満に。

農薬や化学肥料を使わない「有機農法」の食材を選ぶと、実際に体内の農薬を大幅に減らせることが、調査で明らかになった。
NPO法人「福島県有機農業ネットワーク」が、北海道大学大学院獣医学研究科の池中良徳准教授(毒性学)の協力を受け、尿に含まれるネオニコチノイド系殺虫剤6種類と、それらが体内で分解されてできる物質1種類の濃度を測定した。

通常の市販の食材(慣行食材)を食べ続けた集団と比べ、有機食材を5日間とった人は体内の農薬は約半分、1カ月間続けた人は同1割未満の濃度だった。
安全性をデータで示した貴重な成果と専門家は評価している。

この研究は、日頃、農薬を散布して育てた慣行栽培の農産物を食べている子育て世代の20家族61人に5日間、有機食材(米、野菜、味噌、米麹、米粉のお菓子、豚肉)を摂取してもらい、その前後における尿中のネオニコチノイド系農薬含有量を比較する調査を行なった。

慣行栽培の農産物を食べていた場合5.0ppb(主にジノテフラン、アセタミプリド代謝産物)だったのに対し、有機食材の食事を5日間摂取した場合、2.3ppbと54%減少。
その後さらに1か月有機食材を摂取し続けた場合は、94%まで減少することがわかり、短期間でも有機農産物を摂取することで、体内に農薬を取り込むことが防げる結果となった。
安全性をデータで示した貴重な成果と専門家は評価している。

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