厚生労働省は、平成30年11月に実施した「国民健康・栄養調査」の結果を公表した。
平成30年調査では、毎年実施している基本項目に加え、所得等社会経済状況と生活習慣等に関する状況を重点項目とし、その状況も把握された。

【結果概要】
・生活習慣等に関する状況を所得別に比較すると有意な差がある
・就業時間が週に1~39時間の者は、男女ともに健診未受診者の割合が高い
・栄養バランスのとれた食事をしている者の割合は4割超だが、所得別では差がみられた
・「加熱式たばこ」等の喫煙状況を今回初めて把握した。受動喫煙の状況については改善傾向がみられた

概要3の栄養、食品いについての調査結果を詳細
①所得と食生活等に関する状況 の比較(世帯所得が 600 万円以上の世帯員と200 万円未満世帯員男女ともの比較)
<食品を選択する際に重視する点>
「おいしさ」、「栄養価」、「季節感・旬」を重視すると回答した者の割合は、200 万円未満の世帯員で有意に低い。

<主食・主菜・副菜を組み合わせて食べている食事の頻度>
組み合わせた食事を1日2回以上食べる頻度が「ほとんど毎日」と回答した者の割合は、200 万円未満の世帯員で有意に低い。
また、「ほとんどない」と回答した者の割合は、200 万円未満の世帯員で有意に高い。

<主食・主菜・副菜を組み合わせて食べることができない理由等>
組み合わせた食事の頻度が週5日以下と回答した者における主食・主菜・副菜を組み合わせて食べることがバランスの良い食事であることを知っている者の割合は、200 万円未満の世帯員で有意に低い。

主食・主菜・副菜を組み合わせて食べることができない理由は「食費の余裕がない」と回答した者の割合が200 万円未満の世帯員で有意に高い。
また、「外食が多く難しい」と回答した者の割合は、200 万円未満の世帯員で有意に低い。

<食品群別摂取量等>
・肉類、乳類の摂取量は、世帯の所得が200万円未満の世帯員で有意に少ない。
・エネルギー摂取量は、世帯の所得が200 万円未満の世帯員で有意に少ない。

②食塩摂取量の状況(性別・年代別)
食塩摂取量の平均値は 10.1g 。この 10年間でみると男女ともいずれも有意に減少している。
男女とも 60 歳代で最も高い。

③野菜摂取量の状況(性別・年代別)
野菜摂取量の平均値は 281.4g。この 10年間でみると男女ともいずれも有意な増減はみられない。男女ともに20~40 歳代で少なく、60 歳以上で多い。

④食品を選択する際に重視する点(性別・年代別)
食品を選択する際に重視する点として回答した者の割合が男女とも高い項目は「おいしさ」。男女の違いが大きい主な項目は、「栄養価」、「季節感・旬」、「安全性」、次いで「鮮度」、「価格」。

⑤栄養バランスのとれた食事に関する状況(性別・年代別)
主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日2回以上食べることが、「ほとんど毎日」と回答した者の割合は、男性 45.4%、女性 49.0%である。

年代別にみると男女ともに若い世代ほどその割合が低い傾向にある。
主食・主菜・副菜を組み合わせた食事の頻度が週5日以下と回答した者のうち、主食・主菜・副菜の3つを組み合わせるとバランスの良い食事になることを知っている者の割合は、男性 88.7%、女性 95.5%である。
また、知っている者のうち、主食・主菜・副菜の3つを組み合わせて食べることができない理由は、男女ともに「手間がかかる」の割合が最も高い。