咽頭痙攣とは?誤嚥との違いを知っておこう

こんにちは!執筆スタッフの高橋です。

食事介助や栄養ケアに携わる栄養士・管理栄養士にとって、嚥下に関わるリスクを正しく理解しておくことはとても大切です。
高齢者施設や病院などの現場でよく知られている「誤嚥」と似ている症状に、咽頭痙攣(いんとうけいれん)があります。
今回は意外と知らない咽頭痙攣について実体験を元にお伝えします。
<最終更新2025.8.25>

▼目次

咽頭痙攣とは、実体験

咽頭痙攣と誤嚥の違い

咽頭痙攣とは、咽頭(のどの奥)が一時的にけいれんし、呼吸がしづらくなる状態のこと。声が出にくくなったり、突然息苦しくなったりするため、周囲が誤嚥と勘違いすることも少なくありません。

誤嚥は、高齢者がなりやすいとはいわれますが、実は、喉自体の衰えは40代頃から始まっています。

私も40代始めですが、喉の衰えを感じており、少しずつ食べる、固めの食材はよく噛んで食べるを心がけています。

しかしながら年末に食事ではなく、まさかの唾の誤飲で、喉の痙攣を起こすようになりました。

咽頭痙攣が起き、誤嚥と勘違い

咽頭痙攣が初めて起きた時は本当に焦りました。
喉に蓋がされたかのように全く息ができず、話すこともできないのです。

救急車を呼ばないと死んでしまうのではないかと思うくらいですが、1.2分で息が再開できます。
このような症状を知らない方は多いと思います。私自身もそうでした。

きっかけが唾の誤飲と、顆粒の粉でむせてからでしたので、誤嚥であると疑いもしませんでした。

そして、まず考えたことは、

誤嚥性肺炎に注意しないといけない!
誤嚥予防グッズを確認しないと!

ということでした。

気を付けていたのに繰り返す発作

その後も、少々の粒が入ったものが喉につくとむせる、
チョコレートの粘性のものが喉についた時に発作を起こす、
栄養ドリンク、ブラックペッパー、酢のもの・・・と喉の痙攣が起きる頻度が多くなり、

さらには食べ物だけでなく、なぜか毎晩のように、就寝中にも起きるようになりました。

しかし、就寝中に起こることが続いて初めて、「本当に誤嚥なんだろうか?」と疑問になり、総合病院の耳鼻科を受診しました。

耳鼻科へ受診、そして

総合病院の耳鼻科の先生に申しあげたところ、

「あなたのような症状でたまに来る方いらっしゃいますよ!
内科も行って、いろいろまわって、原因不明で、最終的に耳鼻科に来るみたいですけど。
まずは、喉の筋肉を緩める薬を出しておきますね。」

と薬を処方してもらい帰宅しました。

人によっては、これにプラス抗不安剤を処方してもらえるようですが、私は、とりあえず喉の筋肉を緩める薬だけ頂きました。

内心、これを飲んだらすぐに治る!と喜んだのですが、
残念ながら2.3錠飲んだからといってすぐに効くわけではありませんした。
食べ物は気を付けることができても、夜中の発作はどうにもならず、
息ができない1.2分を耐えるしかありませんでした。

2回目の受診で「喉に蓋がされて、息ができなくて死んでしまうような気がします。」と話すと
「息ができなくなっても、必ず声門は開くので死ぬことはないですよ。
大丈夫。発作の頻度が開いてきたら、うまく治療がいっていると思いましょう。」
思わず、その言葉で泣いてしまいました。

その後、発作の回数が減り、3回目の受診の時は、ほぼ発作が起こらなくなっていました。
夜中の発作が起きなくなってから気持ち的にも楽になり、現在に至っております。

ただ、まだ食べ物では、瞬間的に「ヒィー。」と喉が鳴ります。

しかし声門が完全に閉じることもなく数秒でおさまります。
自分でも少し慣れたもので、焦らなくなりました。
もちろん、痙攣が起きそうな食べ物は外出中には控えるように注意しています。

栄養士が知っておきたい咽頭痙攣の特徴

実体験を読んでもらった通り、咽頭痙攣は

*誤嚥のように食べ物や水分が気道に入るわけではない
*数十秒〜数分で自然に治まることが多い
*強い不安感やパニックを伴いやすい

一見すると「誤嚥したのでは?」と思われがちですが、原因や対応が異なるため、現場での冷静な観察と判断が必要です。

私の場合、上気道炎、咳嗽、睡眠時無呼吸は、日常生活で起こる咽頭痙攣発作を惹起する誘因となると書かれており、
もちろんそれだけでなく、慢性的な鼻炎で痰などが喉につき刺激が加わったこともあるかもしれません。
いずれにしても、誤嚥とは異なり、適切な投薬により症状が消失していくことが可能なようです。

咽頭痙攣が起きたときの一般的な対応

また、発作が起きた時は、息が吸えないことで焦って呼吸する、努力性吸気運動により、ますます声門が閉じてしまいますので、吸気運動は細く長く行うことがポイントです。

*無理に水分を飲ませない
*落ち着いて声をかける
*数分で治まることを伝えて安心させる

介護・医療の現場では、誤嚥や嚥下障害への対応が日常的に求められます。栄養士も献立作成や食事形態の工夫だけでなく、食事中に起こり得るリスクを理解しておくことが重要です。特に咽頭痙攣は、誤嚥と間違えて水やお茶を無理に飲ませてしまうと、かえって危険になる可能性があります。
日常的に、看護師や介護スタッフと連携し、状況を正しく共有できる知識が必要です。

栄養士視点のまとめとキャリアのつなげ方

咽頭痙攣は誤嚥と似ているため混同されやすい症状ですが、対応の仕方が異なるため正しい理解が必要です。
栄養士・管理栄養士がこの知識を持つことで、現場での連携力や信頼性が高まり、利用者の安全を守るサポートにもつながります。

近年は高齢者施設や病院などで、嚥下食や食事介助に強い栄養士のニーズが増加しています。こうした知識や経験を活かして働ける求人も多くありますので、スキルアップを目指す方はぜひチェックしてみてください。

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