厚生労働省は2018年1月9日、「あなたの栄養と食生活アドバイザー 管理栄養士を知っていますか?」報告書を公表した。

 昨今、わが国では、高齢化や生活習慣病などの発症により、在宅の要介護高齢者や療養者が増えていることから、食生活の改善や介護食・療養食の適切な提供のためのサポートが求められている。
こうした背景を受け、本報告書は、管理栄養士が「あなたの栄養と食生活のアドバイザー」として活動している現場を訪ね地域における特徴的な栄養ケア活動について取材し、まとめたものとなっている。

 報告書は2部構成となっている。第1部は「管理栄養士を知っていますか」と題し、管理栄養士の職責は「栄養の指導」であることを明記している。
ひとが一生を通じて「栄養」きちんと摂り続けることの難しさにふれ、国は、「指導してくれる専門家=管理栄養士」の協力が得られる環境整備(栄養ケア・ステーション設置など)を進めていると述べられている。
また、国民に対して、管理栄養士の専門性と可能性を紹介する一方で、管理栄養士がどこにいるのか国民からは見えにくいという課題も指摘されていた。

 第2部は厚生労働省の補助事業である栄養ケア活動支援整備事業を活用した都道府県栄養士会の中から茨城県・新潟県・京都府・兵庫県の取り組みを紹介している。調査の結果、4つの取り組みに共通する、地域における栄養ケア活動のポイントは2つ。

①発症予防のための相談者の暮らし方に沿った栄養相談(相談者自らが気づく機会の提供/楽しみながらできる小さな目標から開始)
②在宅の要介護高齢者・療養者と家族まで含めた丁寧な訪問栄養食事指導(病態や体力などの変化に応じた食事療法/家族への支援)

 《詳しくは》⇒ http://www.mhlw.go.jp/iken/after-service-2018.01.09.html