
こんにちは!外部執筆スタッフ 管理栄養士の藤井です。
私は、食品会社での勤務を経て、現在はフリーランスの管理栄養士として、栄養指導やレシピ開発、セミナー講師などの仕事に携わっています。
栄養士が行うレシピ開発は、単に美味しい料理を考えるだけでなく、栄養学的な裏付けや、食べる人の健康への配慮が求められる、やりがいのある仕事です。
この記事では、レシピ開発の仕事内容や魅力、求められるスキル、そしてキャリアの広がりについて、私自身の体験も交えながらご紹介します。
「レシピを考えるのが好き」「食に関わる仕事をもっと広げてみたい」と感じている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
レシピ開発の仕事とは?
レシピ開発の仕事内容
レシピ開発は、単なる料理づくりではなく、ターゲットとなる人の健康や嗜好、ライフスタイルを踏まえたレシピを設計するクリエイティブ仕事です。具体的には以下のような業務があります。
* 栄養管理のためのレシピ開発
学校給食や糖尿病・腎疾患など、特定の健康課題に対応したレシピを考案します。制限のある中で「美味しさ」と「栄養管理」の両立が求められ、まさに栄養士の力の見せどころです。
* PR向けのレシピ
食品メーカーなどが取り扱う特定の商品や食材を使ったレシピを提案します。美味しそうに見える工夫や、限られた条件の中で商品の魅力を引き出す力が求められます。さらに、動画、紙面、SNSなど媒体ごとに「伝え方」も異なるため、クライアントとの丁寧なすり合わせが欠かせません。
* 外食向けのレシピ
飲食店やカフェのターゲット層や店舗の特徴に合わせて、魅力的なメニューを開発します。食材の調達コストや厨房のオペレーション体制、料理の再現性といった実務面まで踏まえながら進める必要があります。
このようにレシピ開発は、料理の知識だけでなく、マーケティングや現場運営の視点も求められる、幅広いスキルが活きる仕事です。「相手の立場を考えて提案できる力」が大きな強みになります。
レシピ開発の流れ
1. 依頼を受ける
まずはクライアントから依頼を受け、業務内容や目的、納期、提供先メディアの形式などを確認します。使用したい食材や調理方法に制限がある場合もあるため、最初の打ち合わせで条件をしっかりとすり合わせておくことが重要です。
2. ターゲットの分析
クライアントとの打ち合わせを通して、ターゲット層の年齢、性別、ライフスタイル、食の好みや健康ニーズなどをリサーチし、どのようなレシピが求められているかを読み解いていきます。
3. アイディア出し
ターゲットに合ったレシピを提案するために、食のトレンドや類似商品の情報を収集し、方向性を検討します。ベンチマークとなるレシピがあれば実際に試食して研究し、そこから着想を得ることも多くあります。
4. レシピの設計
レシピを試作。見栄えがよく美味しいだけでなく、コストや調理工程などの条件も考慮します。
5. 試作・改良
完成した試作品は、社内またはクライアントを交えた試食会でフィードバックを受け、必要に応じて改良を加えます。
6. レシピの完成・納品
レシピが確定したら、正確な分量や調理手順、調理時間、注意点などをわかりやすく記載します。必要に応じて料理のスタイリングや撮影も行います。その後、クライアントに納品するか、自ら企業やメディア、SNSなどを通じて発信し、消費者に届けます。
レシピ開発のやりがい
レシピ開発の最大の魅力は、自分が考えたレシピが多くの人々に届き、美味しく食べていただけることです。特に、「美味しく作れました」という声を聞いたときや、外食や給食の場面で美味しく食べて頂く場面を見た時は、本当に嬉しいです。また、管理栄養士の知識を活かして生活習慣病予防、ダイエット、アレルギー対応など、多様な健康課題に貢献できるのも魅力です。
たとえば、私が担当した「海外ヴィーガン向けラーメン」のレシピでは、動物性食品だけでなく、にんにくやニラもNGという制限がありました。制限が多い分、工夫とチャレンジが求められましたが、それがむしろやりがいに変わりました。他にも、外食向けのメニューとして採用され、お客様が美味しそうに食べている姿を見ると、「また次のレシピを頑張ろう!」という意欲が湧いてきます。
大変なこと
常に新しいアイデアが求められるのが、レシピ開発の難しさです。トレンドの変化も早く、SNSや業界ニュース、料理本などから最新情報をキャッチし続ける必要があります。
さらに、一度で完璧なレシピができることは稀であり、試作と改良を何度も繰り返す根気強さが求められます。
また、レシピ開発は他社の担当者(シェフやマーケティング担当、商品開発部門など)と連携することが多いため、コミュニケーション力も重要になります。他の人の意見を柔軟に取り入れながら、プロとして自分の考えをしっかり伝えるバランス感覚も必要です。
レシピ開発のキャリアを広げていくために
レシピ開発の仕事は、スタートの仕方も、その後の広がり方も人それぞれです。たとえば筆者の場合は、食品メーカーに勤務していた頃、自社商品を使ったレシピ開発を担当していました。その後、独立してフリーランスとなり、企業のWebサイト向けレシピや、外食チェーンのメニュー開発など、さまざまな依頼をいただくようになりました。
良いレシピができると、それが次の仕事を呼ぶ“名刺代わり”になってくれることがあります。はじめのうちはジャンルや媒体にこだわりすぎず、さまざまな案件にチャレンジしてみることをおすすめします。
レシピ開発は管理栄養士の可能性を広げる!
レシピ開発は、食の楽しさと健康の両立を提案できる、栄養士ならではのやりがいのある仕事です。活躍の場は、企業の商品開発からメディア発信、個人での活動まで多岐にわたり、自分の強みやライフスタイルに合わせた働き方が可能です。
もちろん、地道な作業や調整も必要ですが、完成したレシピが誰かの健康に役立ち、美味しいと喜んでもらえる瞬間は、何にも代えがたい喜びです。
あなたの「食」への情熱と栄養士としての知識を掛け合わせて、レシピ開発というフィールドで新たな一歩を踏み出してみませんか?
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