こんにちは、外部執筆スタッフの管理栄養士Hです。
春のやわらかい気配を残しつつ、少しずつ夏への移ろいを感じるこの時期。雨により植物が豊かに育つ“成長”の季節です。
一方で、蒸し暑くじめじめすることから、「朝起きて体が重い」「むくみやすい」「食欲が出ない」などの不調を感じやすい時期でもあります。
今回は、そんな移ろいの季節に寄り添い、体のバランスを整える薬膳の考え方をご紹介します。
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☀夏の特徴と身体の変化
梅雨〜初夏は雨が続き、湿度が高く、蒸し暑さを感じやすい季節です。
水分を含んだ空気がまとわりつくように、“湿(しつ)”の力が強くなるこの時期は、体の中でも水分の巡りが滞りやすくなります。
また、梅雨の時期は五臓でいう「脾(消化吸収を担う胃腸)」が影響を受けやすい季節です。
脾は“湿”を嫌うため、湿気が多いと働きが落ちやすく、だるさ、むくみ、食欲不振、胃もたれ、下痢や軟便などの不調が起こりやすくなります。
さらに気温が上がるにつれて体に熱がこもりやすくなり、汗で体力やうるおい(津液)が消耗して、
寝苦しさや疲れやすさ、渇きなど、夏バテの入口サインも出やすくなるため注意が必要です。
☀夏の養生ポイント
この時期は、冷たい飲み物やアイス、冷やし麺などが増えがちですが、
摂りすぎると胃腸が弱り、むくみやだるさを助長します。
さっぱりした味付けを選びつつ、汁物を温かくするなど「冷やしすぎない工夫」がおすすめです。
薬膳では、次の2点がポイントとなります。
・胃腸の働きを整え、全身に栄養を巡らせる
・体にたまりやすい“湿”と、こもりやすい“熱”を適度に排出・発散させる
☀夏の薬膳おすすめメニュー
<冬瓜と鶏と白いんげん豆のスープ>(2〜3人前)

【薬膳的効能】
・冬瓜 : 利水消腫(余分な熱と水分を整え、むくみ対策に)
・鶏肉 : 補中益気(体力の土台を支え、回復を助ける)
・白いんげん豆: 健脾益気(胃腸を整え、体を支える)
・玉ねぎ: 理気和胃(気の巡りを整え、消化をサポート)
・生姜 : 温胃止嘔(胃腸を温め、消化トラブルを和らげる)
・茗荷 : 行気健脾(香りで巡りを促し、重だるさをすっきり)
【材料(2〜3人前)】
冬瓜 : 約320g(1/4個/食べやすい大きさに)
鶏もも肉: 約150g(1/2枚弱/一口大)
玉ねぎ : 1/2個(薄切り/約3mm幅)
白いんげん豆
(ゆで/水煮): 60g
生姜 : 1かけ(薄切り)
茗荷 : 1個(千切り)
小ねぎ : 適量(小口切り)
水 : 600ml
塩 : 一つまみ(約1g) ※味を見て調整
【作り方】
1. 冬瓜は皮をむき、種とわたを除いて食べやすい大きさに切る。玉ねぎは薄切りにし、鶏もも肉は一口大に切る。
2. 鍋に水300ml(分量の半分)、冬瓜の皮、種とわたを入れて弱火で20分ほど煮出し、濾す。
3. 2のだしに残りの水を加え、冬瓜・玉ねぎ・鶏もも肉・生姜を入れて火にかける。
4. 煮立ったらアクを取り、白いんげん豆を加えて弱めの中火で冬瓜がやわらかくなるまで煮る。
5. 食材に火が通ったら、塩で味を調える。
6. 器に盛り、仕上げに茗荷と小ねぎを散らして完成。
【point】
・ 鶏もも肉の旨味と白いんげん豆のコクで、やさしい塩味でも満足感が出ます。
・ 冬瓜の皮やわたは昔から利用されてきた部位で、余分な水分を整える食材としても知られています。
・ 生姜で胃腸を温めつつ、仕上げの茗荷とねぎの香りで“巡り”をプラスし、蒸し暑い日でも食べやすい味わいになります。
☀スーパーで買える夏の薬膳食材
薬膳は特別な食材でなくても、季節の食材を意識するだけで十分に実践できます。ここでは、夏の「むくみ対策」「胃腸」を助ける、スーパーで買える薬膳食材をご紹介します。
○はと麦

性味・帰経 :涼・甘・淡/脾・胃・肺
効能 :利水滲湿・健脾(むくみ対策、胃腸サポート)
おすすめの食べ方:お茶、雑穀ごはん、サラダ
ポイント :体に溜まった余分な水分を外に出す代表食材。
○とうもろこし

性味・帰経 :平・甘/大腸・胃
効能:健脾・利尿(胃腸を支え、余分な水分を排出する)
おすすめの食べ方:蒸し、茹で、焼き
ポイント :甘みで満足感があり、食欲が落ちやすい時期にも◎。
○空豆

性味・帰経 :平・甘/脾・胃
効能:健脾・利湿(胃腸を整え、余分な水分を
ため込みにくくする)
おすすめの食べ方:茹でる、焼く、ポタージュ
ポイント :タンパク質やカリウムなど栄養素が豊富。
身体のベースづくりに
○しそ(大葉)

性味・帰経 :温・辛/肺・脾
効能:行気・解表・散寒(気を巡らせ、寒気を発散させる)
おすすめの食べ方:薬味、和え物、付け合わせ
ポイント :香りで“巡り”を後押しし、湿気の重だるさ対策に。
☀まとめ
梅雨~初夏にかけては、湿気が多く、体に“湿”がたまりやすい季節です。
さらに蒸し暑さが増すことで熱がこもり、夏バテの入口サインが出やすくなります。
薬膳では「胃腸(脾)を整える」「余分な水分と熱をためない」ことが、梅雨から夏を健やかに過ごす鍵とされています。
はと麦や冬瓜、香味野菜など、スーパーで手に入る身近な食材でも、季節の特徴に合わせた食材選びで十分に実践できます。
ぜひ季節の変化に合わせた食事で“巡り”を整え、梅雨〜初夏の揺らぎにしなやかに対応していきましょう!
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薬膳って難しそう…ではなく、スーパーで手に入るもので取り入れられるものばかり。大変わかりやすく参考になりましたね。
毎日の食事に少し意識して取り入れるだけでも、体の軽さや過ごしやすさに変化が生まれます。無理なく続けられる範囲で、できることから季節の食材を献立へ取り入れ、本格的な夏前に対策をしていきましょう。
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