楽観的な性格は、緑黄色野菜を食べることと関係がある?!

こんにちは、執筆担当スタッフの管理栄養士 髙橋美枝です。

今日は、なるほど!と思う面白い文献があったのでご紹介したいと思います。

この文献は、数年前の米心身医学会の機関誌に掲載された内容ですので、皆様の中で、すでにご存じの方もいらっしゃるかもしれません。

研究は、ハーバード大学公衆衛生学部のジュリア ベーム氏による、血中に含まれるカロテノイド濃度が高いほど、楽観的な方が多いという内容で、緑黄色野菜などのカロテノイド濃度が高い食事を日常的に食べている方と楽観的な性格についての関係性について述べられています。

 

カロテノイドとは

動物や植物に存在する天然色素の総称で、よく知られているものとして、にんじん、ほうれん草、かぼちゃ、小松菜などのβ-カロテン、トマトに含まれるリコピン、みかんなどの柑橘類に含まれるβ-クリプトキサンチン、鮭やイクラなどに含まれるアスタキサンチンなどがあります。


 

カロテノイド自体は自然界に存在するもので、おおよそ600種類以上あるといわれており、研究では、特に緑黄色野菜に含まれるカロテノイドをしっかり食べている方は、将来に対して楽観的である傾向が高いということが分かりました。この研究は、25歳~74歳の982人の米国人男女を対象に、どれだけ楽観的かを測定するテストと、血液サンプルを提出することにより比較しました。

 

その結果、楽観的な傾向であるグループは、そうではないグループよりも、カロテノイド濃度が13%程度高く、生活に対する意欲も高いという結果がでました。

カロテノイドの効果

強い抗酸化作用を持ち体内で生じた活性酸素を除去したり、風邪などの感染症を予防する効果があることは栄養士の皆様であればご存じだと思います。しかし、カロテノイドが体の内部であるメンタルをも充実させ(ストレスを軽減させる)る作用があるということは、驚きの結果で、知らない方が多いのではないでしょうか!

 

私自身の見解になりますが

カロテノイド濃度が高く、楽観的であるというデータが出た方は、幸せホルモンであるセロトニンが不足せずに分泌され、セロトニンの材料であるトリプトファン、ビタミンB6をしっかり摂る食事、またこれらの栄養素だけでなく、栄養バランスを考えた食事、睡眠不足にならない生活ができている方が多かったのではないかと思います。

なぜなら、カロテノイドが多い野菜そのものを単品だけで食べることは難しいので、セロトニンの素であるトリプトファン(肉類、魚介類、乳製品、豆など)も一緒に摂りバランスが良い食事を自然と取れていたからこそ、この結果が出たようにも思えます。


心の安定にも、やはりバランスが良い食事を取ることが大切ということを実感しました。皆さんはどう思われましたか?

 

この研究はまだ、長きに渡って調査が必要ということですので、カロテノイドがもたらす心身との関係が何と関係しているのか、他にもっと良い影響があるのか、解明するまで楽しみに待ちたいと思います。

 

【参考文献】

米心身症学会