こんにちは!
Dietitian Job運営会社、東洋システムサイエンスの管理栄養士 那須野です。
今回は、2024年9月1日(日)に開催いたしました「特定保健指導講座~食べて健康を維持する指導~」についてご紹介いたします。
本講座は、当社の人気No1ブログ記事の執筆もされている、赤松るみ先生を講師としてお招きし、zoomを使ったオンライン講座として実施いたしました。
情報社会のいま、糖質制限やプロテインが流行ったり、対象者様自身が多くの健康知識を見聞きしたりできる中、管理栄養士がいかに正しく、説得力のあるアドバイスができるか…先生が日頃から実践している効果的なアプローチ方法を学べる内容となっております。
当日のラインナップはこちら
1.特定保健指導の概要と第4期変更点
・階層化、血液検査改善のポイント、保健指導の流れなど
2.メタボリックシンドロームと代謝
・代謝UPのための食事のポイント
・睡眠時間とメタボリックシンドローム
・痩せやすい運動のポイント
3.講師の面談実演
・質問の仕方
・目標設定のポイントを確認
4.症例を用いたロールプレイング(グループワーク)
・学んだことの実践
5.質疑応答
午前の部
特定保健指導の概要 第4期の変更点
まずは、皆さまご存じの通り、今年度より特定健診・特定保健指導が第4期を迎えましたので、管理栄養士も知っておかなければいけない下記変更点について詳しく解説いただきました。
- 健診の項目や質問項目の変更
- 初回面接の分割実施条件と早期ポイント
- アウトカム評価の導入
- 血糖、血圧、脂質異常症の服薬開始者について
- ICT活用の推進
今回の変更点で管理栄養士が指導の際に特に意識すべきは、「アウトカム評価の導入」です。
「初回面談から3カ月以上経過した評価時に、健診時より‐2㎏、‐2㎝達成」で180ポイント獲得という主要達成目標が新たな指標として設定されました。また、主要達成目標が達成できなくても、2か月以上継続して行動変容できた場合はカテゴリーごとにポイントを獲得できます。目標設定の際に、行動変容の評価ができるよう「歩数を増やす」ではなく「歩数を週に2000歩増やす」など具体的にすること、そして「食事」「運動」などの各カテゴリー内での目標(を2か月継続)による削減エネルギーが1㎏・1㎝(=120㎉/日)以上になるよう計画することが望ましいなど、今までより数値に着目した考え方が基本となります。
とはいえ、今までと同じようにプロセス評価によるポイント獲得もできますので、対象者にとって実践可能な内容を意識して合計180ポイントを獲得できるようにすることが重要です。
食べて健康を維持するためのアプローチ
赤松先生が指導の際に軸としているのが、「バランスよくしっかり食べて代謝を上げ、健康を維持する」ことです。
例えば、近年は「夕飯のごはんを減らす」を目標とすることが多々あります。糖質制限をすると、一時的に体重が減りやすいので、確かに初めは減量ができたかのように思いがちですが、代謝が落ちてしまっていることが多いのです。
そこで、基本に立ち返り、厚労省の推奨する炭水化物の摂取量とその根拠についてご提示いただきました。その量にびっくり!!お恥ずかしい話ですが、私も飲酒の際には炭水化物を少なくすることも多かったので、きっと炭水化物の摂取量が足りてなく代謝が落ちているのだろうなぁと反省しました。
バランスの良い主食、主菜、副菜の取り方や間食、飲酒など各課題に対する効果的なアプローチを教わりました。難しく考える必要はなく「一汁一菜」を基本に、お味噌汁をお野菜たっぷりの具だくさんにするだけで良いと言われると、誰にでもできそうな気がします。本当に「明日から使える」指導テクニックを教えていただきました。
食事だけではなく喫煙や運動、そして今年から支援に取り入れられるようになった睡眠など、特定保健指導に必須な項目に対する効果的なアプローチをご教示いただき、盛りだくさんで午前の部が終了しました。
午後の部
質問のポイントとロールプレイ実習
午後は先生による面談見本とロールプレイングです。
2人組に分かれてそれぞれ、管理栄養士役と対象者様役となり、指導を実践してみました。未経験で初めて指導をされる方もおりましたが、皆さん熱心に取り組まれておりました。
参加者の声(一部抜粋・記述は回答のまま)
〇体重を減らすために単に食事量や炭水化物を減らすのではなく、代謝を上げることで対象者らしく痩せやすい体に導いていく指導の仕方を教えていただけて良かったです。
指導の経験がなく、これから栄養相談を行っていく中での話の流れや、実際に面談を経験されている方々の日々の疑問や困っていることも知ることができて勉強になりました。
〇管理栄養士業務未経験での参加でしたが、分かりやすい説明で、特定保健指導について理解することが出来ました。 ロールプレイング体験はとても良い経験になりました。 今後栄養指導を行う予定なので、良い刺激となりました。まだまだ勉強は必要な状態ですが、今回のセミナーを活かして頑張りたいと思います。
〇分かりやすくお話して頂き、とても勉強になりました。時間があっという間でした。ロールプレイの見本では、実際の保健指導のイメージを持つことが出来て良かったです。
指導は未経験だけれど、今後特定保健指導のお仕事にチャレンジしたい方はぜひ、Dietitianjobにご相談ください!