こんにちは。
DietitianJob運営会社 東洋システムサイエンス栄養士の山田です。
今回は、2026年6月13日(土)に実施した「アレルギー対応の教科書」の様子をご紹介致します。
👉 目次
アレルギー対応の教科書セミナーとは
本講座は、株式会社CAN EAT代表取締役CEO/アレルギー対応食アドバイザー、中級食品表示診断士、一般社団法人外食アレルギー対応協会代表理事の田ケ原 絵里先生を講師としてお招きし、田ケ原先生の著書「アレルギー対応の教科書」を参考にしながらzoomを使ったオンライン講座で実施いたしました。
企業向けのセミナーに定評のある田ケ原先生ならではの、現場当事者の思いや外食産業と給食の違いにふれながら、アレルギー対応で必要とされる知識や判断を学べる内容となっております。
セミナーの内容・ラインナップ
当日のラインナップはこちら
1.自己紹介
講師とCAN EATについて
2.当事者に寄り添う
現状の可視化と気持ちへの理解
3.対応のポイント
外食と給食のステップ/事故原因の構造
4.食品表示―超基礎
どこに何が書いてあるか/油断ポイント
5.食品表示―応用
個別/一括、代替/拡大、改正史と移行期
6.コミュニケーション
交差抗原性/現場発の寄り添い言い回し
7.理解度確認
WEBテスト(8割取得目安)
1.自己紹介
講師の田ケ原先生のご経歴紹介、及びアレルギー事故防止ITサービスについて簡単にご紹介いただく中で、
食事嗜好は多様化していること、そして何よりアレルギーは「もはやイレギュラーではない」、とのこと。
アレルギーがあるお客様は、左利きの割合と同じ位、ポピュラーなものなのです。
更に、食事制限があるお客様は36%と増えているとのこと。
給食・外食に携わる方なら絶対に避けては通れないですね。
2.当事者に寄り添う
当事者、保護者の気持ちへの寄り添い方について学べました。
飲食現場でアレルギー誤食事事故は年々増加傾向にあります。
ここで事例の紹介。
乳製品のアレルギー申請をしていたのにバターの乗ったステーキを提供し作り直しを求められ、バターを除去し再加熱し提供。
もうステーキに触れていた(溶けていたもの)を除けただけなのでもちろん代替食としては不十分な対応で…アナフィラキーショックを起こした大きなインシデントに。
結果、賠償金額や弁護士費用の合計が200万円近くになったとのこと。アナフィラキシーショックまで起こした大きな健康被害なのですから、当然と言えば当然ですが、大きな金額です。現場に栄養士がいれば、または調理者にアレルギーの知識があれば…バターが乳製品と気がつき防げたかもしれないと知識不足の怖さを改めて感じる事例ですね。
そして、アレルギー当事者と保護者を対象に実施されたアレルギー対応の満足度の紹介がありました。
保育園期と小学校期で満足度に明確なギャップがあるとのこと。
なぜかというと、更に深堀したアンケートの結果としては
すべて給食や売店ですませられている場合 満足度85.2%
⇒面談があり、確認してくれる。同じような内容で食べられるよう工夫してくれる等の声。
毎日お弁当をつくる場合 満足度29.6%
⇒豆まき等はイベントに参加しないという選択しかない等の声。
と、対応の差で不満が多かったようです。
近年の小学校ではアレルギー対応が可能になってきているのが増えてきていますが、保育園ではまだまだ対応追いついていない現状がそのまま結果に出ていますね。
3.対応のポイント
学校給食において、4つの対応レベルがあります。
Lv1: 献立表の対応 (動くのは保護者)
Lv2: 弁当持参 (動くのは保護者)
Lv3: 除去食 (動くのは学校/現場)
Lv4: 代替食 (動くのは学校/現場)
この4つの対応レベル、どれにも共通しているのは「情報整理」という土台です。
アレルゲンと対象者を正確に把握し、一覧化することが大切です。
外食においてはこのレベル4「代替食」までが必要になってくると思います。
そして対応のステップは6ステップに分けられます。

実際のアレルギーでの重大事故を、どのステップで抜けたかの説明と一緒に紹介がありました。
Lv4相当(代替食)の対応をする場合は紹介したステップのどこが抜けても事故につながります。
そして各ステップの詳しい説明に続きます。どのステップも写真が多く非常に分かりやすいです!
(微量混入を防ぐステップもこういうところが危ないと具体的な例がたくさん!すぐに現場に活かせる内容ばかりでした。)
特にステップ3・4において食品表示の読み方は勉強になりました。
4.食品表示―超基礎
基礎の基礎からということで、まずは
◎ 加工品は必ず原材料ラベルを確認すること!
アレルギーはどこに書いてあるかご存知でしょうか?
1*原材料名欄:アレルギーが含まれている原材料の後ろに括弧でアレルギーを個別に表示
例:しょうゆ(大豆・小麦を含む)
2*欄外
例:この製品は大豆を含む製品と同じ製造ラインで製造しています
3*特定原材料量等28品目(2026年現在)
など、まとめて記載
個別表示にもアレルギーの間は「・」中黒点で区分することや、一括表示法「一部に・・含む」の表現を混ぜて表示しないなどのルールも知りました。
そして恐いのが表示対象になっていない食べ物でもアナフィラキシーの可能性があるというお話もありました。
続いて、原材料ラベルを確認できるようになったからこそ、見落とすことがあるポイントについてお教えいただきました。
なんと、もう安全だと分かった商品だからこその落とし穴。
同じ商品でも、「缶」と「ペットボトル」の容器違いでアレルギー物質が違う可能性があることをしりました。
「ペットボトル」には入っていないアレルゲンが、「缶」の中身には含まれていることがある、とのことで驚きました。
容器や殺菌方法に合わせて、配合や原材料が調整されているケースがあるので、同じ商品だからといって、過信せずチェックは必要です。
そしてハムはトップクラスに事故が多いので必ず原材料名を確認。(卵や大豆たんぱくなどが添加されていることが多く、見落としがちです)
そして大豆も多いとの事。枝豆・もやし・水煮・豆乳・きなこ・味噌・がんもどき等々、大豆はかなり広く様々な用途がある上「義務表示」ではない(2026年現在)ため、隠れていることが多いです。中には乳化剤(大豆由来)を見落として乳アレルギーと思い込み…という事例も。
使用したことのある材料でも、新しいものを開封する際はチェックをする癖をつけた方が良いです。
何故ならいつの間にか原材料が変更になっていることがあるそうです。
また、業務用には最低限記載の時がある為“隠れアレルゲン”を見つけるためにも覚書(原材料の詳細)をもらうといいでしょうとの事でした。
5.食品表示―応用
アレルギー表示は新しく追加された際、2年間の移行期間があります。
なので、外食・給食事業者と製造メーカーの間で改正時にアレルギー表示の対応時期のズレが生じることは頭に入れておかなければなりません。
実際の商品の表記写真から表示範囲について、隠れアレルゲンや表示の落とし穴(省略)についての説明があり、大変勉強になりました。怪しい表記についてなども実例と共に紹介があり、安易に()内だけを探すのは危険だという事を改めて理解しました。
6.コミュニケーション
一概に卵アレルギーといっても人により程度があるのでやはり聞き取れるのであれば聞き取りはした方が良いとのこと。
(生はダメでマヨネーズはOKなど、人により様々です。)
そしてアレルギーの聞き取りに必要な情報範囲や聞き取り方についても学びました。
例「アレルギーをお持ちということですが」
…という言葉は丁寧にお聞きしたつもりでもこっちが好きで持ってるものじゃないんだよなーと感じる方いるので、
「アレルギーがある」の表現の方か無難とのこと!確かにそうですよね。
他にも色々例をあげてくださり、コミュニケーションの大切さをしりました。
まとめ
最後に理解度確認テスト!
復習をかねて答え合わせもしてくださり内容の再確認もできました!
後日、受講された皆様に終了証が発行されてました。
参加者の声
参加者の声(一部抜粋。記述は回答のまま)
〇知識のアップデート、食品表示の味方の再確認ができました。現場での事例などの紹介がたくさんあったので、知識を深めることができました。
〇セミナーに参加させていただきありがとうございました。 こちらのセミナーに参加し、食に携わる者として原点に立ち返らせていただける貴重な内容でした。 「食べる選択肢を増やす」「安心安全な食事の提供」「その場に一緒にいる人達が平等に楽しめる食事を」 アレルギー対応のみならず、治療食においても共通して大切なことだと改めて実感致しました。 これらを叶えるためにも、日々、移り変わる最新の知識をアップデートし続けることの重要性を学びました。 私は最後のテストで残念ながら、合格ラインに達しませんでしたが、今回の学びをしっかり復習をして自分の知識として定着できるようにしたいと思います。
〇何も分からない状態で受けましたが、本当によく理解できる講義でした。この情報をもとに今後も勉強していきたいと思います。
〇食品表示について勉強することができ、良かったです。
Dietitian Jobでは今後も栄養士・管理栄養士の皆様の日々の業務に少しでもお役に立てるセミナーを
開催していきます。ぜひご参加くださいね!
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