知ってる?栄養士が文章で情報を伝えるときに気を付けたいルール

こんにちは。管理栄養士の広田千尋です。

今回は、リーフレットやPOP制作などで栄養や健康に関する情報を文章にして人に伝えることがあったり、記事を書くことがあったりする栄養士さん向けの記事です。

栄養や健康に関する表現をするときに、気を付けたい表現や注意点があることをご存じでしょうか。

例えば

「さつま芋にはビタミンC食物繊維たっぷり!」

などという表現をしたことがありませんか?

実はこれ、食品表示法の食品表示基準では、NGな表現法なのです。

「知らなかった!」

という方が多いかもしれません。

ですが、このような表現のルールや注意点について理解を深めておくと、信頼される表現ができるだけでなく、栄養指導などのさまざまな場面にも役立てることができます。

それでは、栄養や健康に関する表現をするときに気を付けたいポイントを解説していきます。

気を付けたい表現

「●●たっぷり」

「たっぷり」や「豊富」などの表現を多用していませんか?

これは「栄養強調表示」といわれ、食品表示法の食品表示基準では栄養素ごとに基準が定められています。

栄養素ごとの基準を一部ご紹介します。

東京都 福祉保健局 「栄養成分表示ハンドブック」より作成

例えば食物繊維は、100gあたり6g以上であれば「食物繊維たっぷり」と表現してOKとなっています。

※日本食品標準成分表2015年版(七訂)より作成

芋の場合で考えると、じゃがいもだけが「食物繊維たっぷり」と表現ができます。

食品表示基準は、商品のパッケージや広告に関する基準ではありますが、知っておくことであいまいな表現や誇大表現を避けることができます。

文章で情報を伝えることがある栄養士なら、基準についてきちんと把握しておきましょう。

「~~に効果がある」

「効果がある」「~~に効く」という表現は慎重に使う必要があります。

例えば販売される食品や医薬品の効果に関する表現は、健康増進法医薬品医療機器等法(薬機法)などの法律により厳しく定められています。

商品に関する情報でなくても、正しい情報を伝える立場の専門職である栄養士なら、安易に「効果がある」というような表現を使うのは避けましょう。

また効果に関する表現はしっかりとリサーチしたうえで書き、断言しない方がいい場合は断言を避けておくことも大切です。

サイトや書籍を参考にする際の注意点

信頼性の低いサイトや書籍を参考にしない

文章を書くときにサイトや書籍を参考にする方が多いと思いますが、発信元が信頼できるサイトや書籍を参考にしましょう。

◆サイト

個人の書いたブログ記事やまとめ記事、誰が書いたかわからないような記事は信頼性が高いとはいえないため、このようなものは参考にしないようにしましょう。

官公庁が管轄しているサイトや、各種学会のサイトなどは信頼性が高いといえるため、まずはそこでリサーチしてみましょう。

<栄養士が参考にしたいサイトの例>

◆書籍

書籍は出版元や著者が明確なので、サイトに比べると信頼性が高くなります。

ですが“トンデモ論”や誤った情報が書かれている書籍も多数みかけます。

大学の教科書や、学会が発行しているものなど、書籍の内容にも気を付けてみましょう。

またこのようなサイトや書籍を参考・参照した場合、参考・参照元について、記事の最後などにきちんと記載しておきましょう。

サイトや書籍の内容を丸写ししない

サイトや書籍の内容を丸写しするのは、著作権侵害にあたる可能性があるだけでなく、勤務先やクライアントなどの信頼も損ねてしまいます。

サイトや書籍を参考にしながら、自分の言葉で伝えられるよう文章力を磨きましょう

そのためには本を読むこと(インプット)や、文章をたくさん書いて慣れること(アウトプット)も大切です。

正しい情報をわかりやすく伝えられるよう、どんどん経験を重ねていきましょう。

おわりに

栄養士が文章を書くときに気を付けたいことについて解説しました。

この記事を参考に最低限のルールを頭に入れ、正しくわかりやすい情報発信を心がけましょう。

【参考・参照】

東京都 福祉保健局 「栄養成分表示ハンドブック」

・日本食品標準成分表2015年版(七訂)