管理栄養士国家試験の問題を10年ぶりに解いてみた話

こんにちは、Dietitian Job(ダイエティシャンジョブ)運営会社(株式会社東洋システムサイエンス)

大阪人材事業部 管理栄養士の榎原です。

ふと、自身が管理栄養士取得後約10年になることも思い出し、試しに昨年分、

第35回を解いてみたので、ブログに書き留めることにしました。

〇結果は・・

200問中132点獲得!正答率66%で無事合格点でした!
(ページ下に解答表)

コテンパンにやられると予想していましたが意外や意外、合格点に届くという結果でした。

10年たっても忘れていない知識もあるようです。

ただ、時間を測定せずに小分けにして解いたので、

実際の解答時間で回答となるとおそらくもう30点は落としてそうです。(笑)

10年前勉強していたころの印象と今回解いてみた印象との違いと、

社会人経験を経て解いてみた感想を書いてみましたので、

おもしろおかしく読みつつ、来年以降の国家試験を受けられえる方にとってもなにかお役に立てることがあれば幸いです。

簡単に私の経歴を書いておくと、

管理栄養士養成の4年制大学卒、卒業年度の国試に合格して直営給食の総合病院で約5年、当社に入社して約4年間は実務から離れている状態です。

〇全体を通して

私が受験した10年ほど前と比較すると、出題形式に変化がありました。

当時は、1つの設問で2つ正答を選んで塗りつぶす問題がありとても苦戦しましたが、今はその出題形式はなく安心しました。

逆に、第35回の問題ではシチュエーション・状況設定がある問題が多いのが印象的でした。より現場や実務に近いものだと感じましたが、机上論ではないためその問い自体が難しいことと、解答時間の点でも長い文章を読む分、時間がかかってしまうように感じました。

一番大きな変化は10.応用問題の問題数でした。

たしか10年前は10点分だったような…応用問題の問題数が増えたとは聞いていましたが、いまや30点分ということで、

問題文を読むのにかかる時間と読み取り能力、それに加えて1つの大問に対して2,3問が連続する設問形式のため1つ目を間違えたら残り1,2問も間違えてしまうという連鎖性…

読むのが苦手な私にとっては、問題文が長いというだけで国家試験の難易度自体が大きく上がっている印象を受けました。

なんとなく大問の問題文を読んでしまい、設問ごとに何度も問題文に戻って設定を確認…。必要な情報を的確に一度で読み解く力が必要と感じました。

そんな中、定番な問題や出題の仕方という感じは変わりなかったため(例えば、梨=石細胞やペントース回路でのNADPHのひっかけ、たんぱく質の一次~四次構造の問題など)、

SDGsを問うような時事的な問題はありましたが、

今も出題傾向に大きな変化はなく、過去問が役立つなと改めて感じました。

〇各分野別の問題の感想

・やはり自分の実務分野に関しては点数が取れやすく、そうでない分野は点が取れにくかったです。生理学・生化学、食べ物と健康、応用栄養学、環境と食・公衆栄養学がわからない問題が多かったです。

ただ、生化学とホルモン系の問題を落としたのはショックでした。臨床にいたのに・・・。

・教育論では、特に以前と比べてシチュエーションを想定した問題が多く、机上・論上の問題ではなく実践的に考えられているように感じました。

・乳幼児期の栄養管理で出てくるような先天性疾患、欠乏症は普段出会うことが少ないためつい抜けがちです。でも実際に病院で働いているときに、ペラグラ症状の患者さんが入院してこられた際、画像診断ですぐに「ペラグラ、ナイアシン欠乏症だね」と判断できた先輩はとてもかっこよく見えたので、がんばらないと!

・あとは専門用語が覚えていないです(自分が専門なのですが)。

統計で出てくる用語(特異度・陽性的中度など)や給食管理のシステムなどの用語はちんぷんかんぷんでした。直営給食の病院勤務でしたが緩かったので(※言い訳です)。また食事摂取基準の問題は、RD、AI などの略語が説明なしで使われていて、誰が現場でその単語使うのだろうかと思いつつ(※負け惜しみです)、やはり日々触れていないと忘れてしまうのだなあと感じました。

〇問題の解き方として

やはり、基本的には消去法だと感じました。

ただ、「最低限これだけはわかっていてね」という問題があるように感じ、出題者の意図も感じられました。社会人経験を経て問題のとらえ方や見方も変わったのと、時間に追われていない状況だからかもしれませんが、「最低限、これはわかっておいてね」という問題に対して、「はいは~い、わかってますよ~」と答えられるととても気持ちがいいです。

特に、今まで見たことも聞いたこともない単語が選択肢に出てきた場合は、それがその最低限というものではなくて、そのほかの選択肢に明らかな間違いもしくは正解があるような感じがしました。

知らない言葉が出てきた時こそ、パニックにならず、冷静に対応し判断したら意外と正答にたどり着けるかもしれません。

〇最後に

2月27日の第36回管理栄養士国家試験を受けられた方々、お疲れ様でした。

見事合格され、春からの就業・今後の展望に希望を持たれている方々がたくさんいらっしゃるとうれしいです。おめでとうございます!!

また、来年に向けてと再度進み始めておられるもいらっしゃるかと存じます。

新年度を迎え、就業状況や生活、学業において変化がある時期ではありますが、次回受験での合格を心より願っております。

ぜひキャリアアップや転職のご相談は、栄養士・管理栄養士の求人サイトである弊社へ。

また入社後のスキルアップという面でも、セミナーを通して皆様を応援させていただいております!