こんにちは、Dietitian Job運営会社 株式会社東洋システムサイエンス管理栄養士の徳田です。
コロナ禍での特定保健指導も2年が経ち、対象者の生活にはテレワークや諸々の自粛生活で今までとは違う習慣が見られるようになったり、ICTの面談が一般的になったりと指導者の皆様も変化を感じる期間だったのではないでしょうか。
本日は3月9日に開催いたしました「Online Salon 特定保健指導での悩み事例検討会」について報告いたします。
サロンには様々な分野でご活躍されている、特定保健指導経験者・未経験者あわせて14名の栄養士・管理栄養士の皆様にご参加いただき、事前募集した事例をもとに小グループでディスカッションし、対象者へのアプローチ方法を検討しました。
当日は弊社「特定保健指導講座」の講師を務める西田先生をお迎えし、各事例における指導のポイントのアドバイスと、先生からの講話をいただきました。
当日の流れに沿って内容を簡単にご紹介します。
グループディスカッション(血液データなど個人情報は想像して設定)
例)水分として牛乳を毎日1リットル飲み、甘いお菓子を食べている、平日は出張でホテル住まいの男性
【回答案】
・食事バランスガイドや摂取カロリーを示し、摂取量が多いことを説明する。
・牛乳をお茶や低脂肪乳に、甘いお菓子はナッツ類や果物などに置き変える。
・出張中の食事内容・生活習慣を聞き取って外食やお惣菜の選び方を伝える。
・簡単な運動を促す など
「牛乳=健康にいい(=たくさん飲んだほうがいい)」と考えている人は多く、「何のために」飲んでいるのかの聞き取りをすることで納得して実施できる目標設定のきっかけになることがわかりました。
食品に含まれている成分と検査値の関係について話をすることで見直しできる方も多いようです。
また、間食についてはチョコレートに関するとある実験の結果を紹介し、「味わって食べることにより少量で満足感を感じられる」ことを応用する手法も紹介がありました。
ブログでは割愛致しますが、サロンでは「飲酒をやめたくない、何度も指導を受けていてやる気がない」方と、「リバウンドを何度も繰り返し、家族には知られたくないから大きく生活を変えられない、消極的」な方の計3例についてディスカッションしました。
話し合いやフィードバックから、特に心を閉ざしている対象者には、まずは「聴く」「褒める」「共感する」ことからはじめ、通り一辺倒な指導にならないよう意識することが大切であると改めて認識できる機会になりました。
上記のような指導現場でよくあるシチュエーションにおいて、自らの経験で「行動変容に導けたきっかけ」「実施・継続していただけた目標」「消極的な方へのアプローチ方法」などの意見交換や、過去の別のセミナーで学んだコミュニケーション方法を応用する方法など、経験有無にかかわらず積極的な議論が交わされました。
先生からの講話
事例検討終了後は西田先生の経験事例をもとに「食事以外からのアプローチ事例」、「心、心理と検査数値が関連した事例」をご紹介いただきました。
①「運動(ウォーキング・筋トレなど)してみませんか」と提案するだけではなかなか行動に移せなかったり、継続していけない方
車の洗車が好きだという対象者に、拭き掃除によって動く筋肉がたくさんあることを紹介。「体を動かす・筋肉を使う習慣づけ」ができたことから結果として血圧改善まで繋げることができたというご紹介がありました。体の筋肉の動き方を勉強しておくことで対象者に楽しんで「体を動かす」習慣づけができることがわかりました。
②一見健康的な生活をしているように見えるのに検査数値が悪い方
奥様のつくるバランスの良いお食事、毎日のウォーキング習慣から、それほど数値が悪くなりそうな生活ではない対象者の例をもとに、「健康でいなければならない」「誰かのために病気にならないようにしている」「いろいろなことを我慢している」といった、『自分でつくるストレス』により数値の改善がみられない方もおられることがわかりました。
参加者の感想(一部抜粋)
◎検討事例がよくある事例で、たくさんの意見を聞けて良かった
◎他の方と話すことで、自分の指導方法に偏った思考パターンや型があったことに気づけた。いろいろな環境の方の経験談がとても勉強になった。「健康でいなければ」というプレッシャーをかけるような指導にならないよう気を付けようと思った
◎難しい事例を、栄養士同士で考えれたのが勉強になった。寄り添うことが大切と改めて実感した。
◎特定保健指導に携わっている、いないに関わらず事例と向き合ってより良い方向のアプローチを考えたり意見を聞けてうれしかった
◎自分だけだと気が付けないところも沢山あり、今後の仕事に生かせれば思った
◎筋肉のことなども勉強したい
◎保健指導は、ほかの方の面談を見る機会がないため、非常に勉強になった
◎先生の、ストレスの影響の大きさや栄養以外の知識の必要性、どの分野で必要かもしれる機会となった
◎他の方の視点が聞けて、また、西田先生のフィードバックもあり大変参考になった
アンケートでは皆さんから、普段見られないほかの方の指導が垣間見れたのがよかったという旨のご意見をたくさんいただくことができました。
次回開催する際には、今回ご参加くださった皆様も、新たにご参加いただく皆様も楽しんでいただければと思います。
その他にもDietitian Jobでは様々な交流会(Online Salon)を開催中です!
是非ご参加ください♪
来年度は、オフライン(東京)での交流会が復活します!!
お友達やご家族とのご参加、お待ちしております♬