『月見団子と花見団子、甘味低減の工夫について』

こんにちは。外部執筆スタッフ 管理栄養士の神宮です。朝晩が涼しくなりましたね。

日に日に秋の訪れを感じます。みなさま、いかがお過ごしでしょうか。

我が家は、毎年この時期になるとお月見パーティします!

100個以上のたくさんのお団子をひたすら作ります!!

今年の十五夜は9月24日、十三夜は10月21日です。晴れるといいですね。

さて、我が家がお団子を作る機会は、年に2回あります。

秋のお月見パーティと春のお花見パーティです。

どちらも甘いお団子ですが、作る過程で『こんなに違うものか』と感じることがあります。

それは、『砂糖の量』です。

花見団子は、何もつけずに食べるので、お団子に砂糖を加えます

一般的に上新粉などの粉に対して25%程度の砂糖を使用します。

対して、月見団子は、団子には砂糖を加えず、黄な粉やみたらし餡を絡めて食べます

使用する砂糖は、絡める粉や餡に使用する分だけなので、半分以下で十分な甘味を感じることができます。

どちらも優しい味わいの和菓子ですが、加える砂糖の量は大きく異なります。(家庭で調理した場合です。市販品は製造過程が異なります。)

一般的に砂糖による甘味付与は、試料に内部混合させるよりも表面塗布をさせた方が甘味を強く感じることができます。

これは舌に味覚組織が分布しており、舌で甘味を感じることができるからと考えられます。

ところが、普段食べている食品からは気づかないことも多いようです。

花見団子と月見団子を食べ比べたとしても、花見団子の方が甘さ控えめだと感じることがあります。

このように、何気に口にする日々の食べ物の中にも、工夫次第で砂糖低減をする方法がたくさんありそうですね。

例えば、パンやドーナツを作る際、トッピングやコーティングの工夫で生地の砂糖を減らすことができます。

ゼリーやプリンもシロップやカラメルをかけることで十分な甘味を得られることができます。

また、砂糖の種類を工夫する方法もあります。

含蜜糖といわれるミネラルを含む黒砂糖、キビ砂糖、メープルシロップなどは、精製糖よりもコクがあり濃厚な甘味を感じることができ、少量でも満足のいく甘味を与えてくれます。

その他に、素材の甘みを生かし、野菜や果物を加えることで砂糖低減をする方法もあります。

団子を作る際、粉の半分をカボチャやサツマイモに変えると、風味豊かで色鮮やかな団子になります。

砂糖低減と同時にビタミンやミネラル、食物繊維も摂取できるので魅力的な方法ですね。

食欲の秋といわれる季節、美味しいものがたくさん出回ります。

美味しい素材をより美味しく食するためにも、砂糖の摂り方については、日々意識をしていきたいと感じます。

【参照】

第67回日本家政学会年次大会 口頭発表 臨床調理における塩味および甘味低減の為の工夫(第二報)

日本調理科学会会誌 2015 年 48 巻 2 号 p. 154-165 食品のテクスチャーとフレーバーリリース (II)

日本の醸造学会ジャーナル第106巻(2011年版)第12版 甘味の基礎知識