現地開催交流会 ~嚥下調整食・試食交流会~

こんにちは!
Dietitian Job運営会社、東洋システムサイエンスの管理栄養士 増田です。

本日は、6月29日に開催いたしました「現地開催交流会 ~嚥下調整食・試食交流会~」についてご報告します。

約1年ぶりの現地開催となる今回の交流会は、大手給食会社・ニッコクトラスト様本社にございますテストキッチンをお借りし、『嚥下調整食の調理と試食を兼ねた交流会』として開催いたしました。

当日は、長年特別養護老人ホームで勤務をされてきた管理栄養士の福島礼子先生を講師としてお迎えし、参加者の皆様と一緒に調理と試食を行いましたので一部をご紹介したいと思います!

1.福島先生によるミニ講義

最初に、福島先生の嚥下調整食に対する考え方や作る際の先生のこだわりについてお話しをいただきました。

まず、先生が嚥下調整食を作る上でこだわっている点は「特別なものではなく一般的で身近なものである」ということです。
なるべくスーパーやコンビニなどで手に入る食品を嚥下調整食に加工できれば、レシピを基本として同じ商品を手に入れやすく、手順に従えば誰でも作ることが可能です。

『嚥下障害のある方でもなるべくご家族と同じものを食べてもらいたい』
『食べられなくなってしまった食品をまた食べられるようになったときの満足感を感じてほしい』
先生にはそういった想いがベースにあり、日頃から様々な嚥下調整食づくりにチャレンジされているそうです。

これまで、何回も何回も試行錯誤や失敗を繰り返しながらも、常に食べる人のことを想い続けてきた先生の情熱が伝わってきました。
『失敗は成功のもと!』と、明るく楽しそうに話されていた姿も印象的でした。

2.調理

この日、皆さんに調理していただいたメニューは、
「きつねうどん」「鯖の味噌煮」「こんにゃく」「みたらし団子」
「おはぎ(こしあん・きなこ)」「黒糖ゼリー」「バナナスムージー」の8種類です。
2つグループに分かれ、8つのメニューをそれぞれ分担して作っていただきました。

「ん?こんにゃく??」と感じた方もいるかもしれませんが、先生のお話しによると、こんにゃくが食べられなくなり残念に感じている高齢の方も多くいらっしゃるということで、加工したこんにゃくを味噌田楽やおでんの具材として提供するとすごく喜んでいただけるそうなんです!

↑上の写真は、実際に調理した後のこんにゃくの写真です。(見えづらかったらすみません)
見た目は変わらずこんにゃくですが、上あごと舌だけでつぶせるくらいの柔らかさになっています。固める際にラップで巻いて成型する事で、表面のプリンッとしたツヤを再現することができ、見た目もこんにゃくそのものになりました♪

↑調理中の様子♪
参加者の皆様が真剣に調理をしている様子が伝わってきますね。
途中、「あれ!?ちゃんと固まっていない…」ということも何度かありましたが、再度加熱を試みたり、一から作り直してみたりと皆で協力し合いながら、無事全てのメニューを完成させることができました★

3.お粥ゼリーの素・酵素入りゲル化剤について

今回の嚥下調整食づくりに欠かせないと言っても過言ではない、「お粥ゼリーの素」と「酵素入りゲル化剤」について少しご紹介いたします。

【粥ゼリーの素・宮源のお粥】と【宮源の酵素パウダー】(株式会社 宮源様提供)
こちらは「おはぎ」・「鯖の味噌煮」・「バナナスムージー」を作る際に使用しました。
おはぎは、こしあん、砂糖、塩、お粥ゼリーの素、お湯を混ぜるだけで簡単に作ることができました。お粥の素のツブツブ感が、おはぎらしさを演出してくれます!
「宮源の酵素パウダー」は温かいごはんに混ぜて攪拌するだけで液状化します。ごはんを酵素で分解するため加水なしでミキサーを回すことができるので、食べる量を変えずにさらにエネルギーも落とすことなく摂取することができます。この液状のごはんは、嚥下調整食を作る際の水分の代わりとしても活用でき脱低栄養・高栄養を目指せるものとなります。

【スベラカーゼ】(株式会社 フードケア様提供)
こちらは「きつねうどん」・「こんにゃく」・「みたらし団子」・「黒糖ゼリー」を作る際に使用しました。
スベラカーゼを混ぜて鍋で加熱する際のポイントとして、1つ目はしっかり攪拌することと、2つ目は混ぜていると状態が水っぽく変化する瞬間があるので、その瞬間を見逃さないこと。加熱不足だとうまく固まらないということもあります…。その見極めが少し難しく感じましたが、とても勉強になりました。

【おなかにやさしい】(雪印ビーンスターク株式会社)
こちらは「バナナスムージー」を作る際に使用しました。牛乳が苦手な方や栄養バランスが気になる方向けの大人用粉ミルクですが
牛乳の利用よりも栄養価がアップするので、食の細くなった高齢者の皆様には特におすすめです。

※今回、サンプル商品の提供にご協力いただきました宮源様、フードケア様、雪印ビーンスターク様、そしてテストキッチンを提供してくださったニッコクトラスト様、本当にありがとうございました。

4.参加者感想(一部抜粋)


◎本日は交流会に参加させていただきありがとうございました。 久しぶりに東洋システムサイエンスさんの講座(交流会)に参加させていただきました。 多分リアルでの参加は初めてになるのではと思いますが、実際に作ってみる、食べてみるという体験をするということの大切さ、そしてフリーランスになった今なかなか横のつながりを持つ機会がないため、新たなご縁を繋ぐという意味でもとても有り難い機会を頂けたと思っております。 ありがとうございます。
◎福祉の仕事をしていないので、嚥下のことは素人なので参加してみました。嚥下食品の使用方法が実演できてよくわかりました。最初に添加する嚥下食品の効能(酵素が働く)や利点など説明があるとわかりやすかったです。
◎講師の先生が実演したものを作るのかと思いましたが、資料を見て作るだったので少し戸惑いました。でも作業は難しいものではなかったので、スムーズにできたと思います。少人数だったのでアットホームな感じでよかったです。とても楽しく参加することができました。ありがとうございました。
◎実習があったことで、より興味をもって参加が出来たと思っています。メニューが複数あったので作りがいがありました。また、職場意外の栄養士の方と交流する機会がないので、有り難かったです。

今回ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました!!
個人的には試食の際の交流タイムをもう少し長くとれたら良かったな…と反省しておりますので、皆様からのご意見や今回の反省点を活かし、またこのような交流会を企画したいと考えております!

これからも皆様のご参加をお待ちしております♪