特別編【台湾研修生レポート】台湾の食文化 ― 地域性 ―

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Dietitian Job運営会社である株式会社東洋システムサイエンスは、台湾との経済交流の一環として台湾貿易センター国際企業人材育成センター(ITI)からのインターンシップ生、林(りん)さんを受け入れ、弊社で3週間研修を行いました。

そこで、台湾の食文化や、研修中体験した事を特別編として6回に渡って紹介させて頂きます。

第2回は、台湾の地域性による食文化についてです。


こんにちは。私は、台湾国際企業人材育成センター(以下:ITI)からの研修生、林(りん)です。

現在勉強しているITIは、2年間で外国語や経営を学ぶ人材育成機関です。私は日本語を専攻しており、今回は日系企業でのビジネスを体験するために、研修しに参りました。ITIで学んだことを実際に日本の職場で生かして、日本人の仕事ぶり・ビジネスの習慣・文化などの違いを学びました。

前回は台湾の行事食について を紹介させて頂きました。

今回は、地域による食文化の違いです。

台湾を分ける場合には様々な方法がありますが、その中の1つは味付けです。台北などの北部はしょっぱくて、台南など南部は甘いのが特徴です。

私の出身は北部にある新竹ですが、南部にある大学に通っている時に味付けの違いを経験しました。味付けが違う料理はたくさんありますが、今回は3つの料理の例を挙げます。

台湾風生春巻き

『生春巻き』というとベトナムのイメージがあるかもしれませんが、台湾にも『台湾風生春巻き』というB級グルメがあります。『台湾風生春巻き』清明節(せいめいせつ)の行事食です。清明節は新暦4月5日前後で、先祖のお墓参りをする日本だとお盆のような祝日です。

この『台湾風生春巻き』、北部と南部で中身に違う食材を使っています。

北部はホン・ツァオ(もち米に紅米、麹を加えて酒を作った時にできる酒粕で、香りづけに用いられる) で漬け込んだ豚肉が入っていて、南部はピーナッツ砂糖がたくさん使っているのでより甘く、中身はソーセージや焼きそば、煮込んだ豚肉などが入っています。

さらに、同じ『台湾風生春巻き』でも呼び方は同じではありません。北部は『潤餅(ルンビン)』と呼ばれていますが、南部では『春巻(ジュンジェン)』と言います。

中華ちまき

前回のブログ でご紹介した端午節の行事食、『中華ちまき』は竹の葉でもち米と色々な具材を包んだ庶民的な料理ですが、包んだ後の調理方法が地域によって変わります。

北部のちまきはあらかじめ炒めたもち米を竹の葉で包んで、蒸します。具材は栗や銀杏、角煮、うずらの卵など具材がたっぷりです。

一方、南部は生のもち米と豚肉、しいたけ、卵黄、ピーナッツなどを竹の葉で包んで、茹でます。南部のちまきは茹であげるので、あっさりしていてとてもモチモチしています。

通常、ちまきを食べる時にはたれをつけますが、甘い味付けが多い南部ではピーナッツ砂糖をつけて食べます。

↑ 北部

↑ 南部

肉つみれのあんかけスープ

最後に台湾の代表的なB級グルメ、『肉つみれのあんかけスープ』を紹介します。

具材は自由で、千切りにしたタケノコや椎茸、人参など様々ですが、必ずとろみをつけてあんかけスープにします。とろりとして甘みと酸味のハーモニーが楽しめます。

北部と南部の違いは、あんの濃度甘さです。

見た目には少しわかりづらいですが、南部料理の方がよりとろりと濃度が高く甘いあんかけスープになります。

どのB級グルメも屋台の定番料理で、台湾では屋台の店先に簡易的なテーブルや椅子があり、座って食べられるのが特徴です。

↑ 北部

↑ 南部

【参考】

・愛吃鬼芸芸:https://aniseblog.tw/

・WomenTalk:https://disp.cc/b/780-9OXT

・食譜自由配:https://food.ltn.com.tw/