SDGsにつながるボランティア活動  ~ソーラーシェアリングとハーブ畑~

こんにちは。外部執筆スタッフの管理栄養士 長谷川晴美です。
今回は 私が出会ったSDGsにつながるボランティア活動についてお伝えします。
皆様の何かのお役に立てれば、嬉しいです。

SDGsと栄養士・管理栄養士

持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択され「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された,2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。

17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。
発展途上国のみならず,先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり,日本としても積極的に取り組んでいます。(外務省HPより)

元々日本にある「もったいない」という言葉の持つ精神はSDGsの取り組みにつながりやすいこともあり、「ある企業が廃棄玉ねぎからスパイスを作った」、「ペットボトルをペットボトルにする水平リサイクルのリサイクル率90%」など、興味深いニュースも耳にする機会が増えました。
各企業では、以前からの社会貢献や健康経営等の取り組みに加え、SDGsにも力を入れるようになり、Z世代がそのような企業を選択する「エシカル就活」という言葉も生まれました。

はじめのうち、「持続可能ななんとか、アルファベット4つ、なんだっけ?」という感じだったものの、今はすっかり耳慣れたSDGsですが、17のゴールの項目をすべてご存知でしょうか。

1貧困をなくそう
2飢餓をゼロに
3すべての人に健康と福祉を
4質の高い教育をみんなに
5ジェンダー平等を実現しよう
6安全な水とトイレを世界中に
7エネルギーをみんなに。 そしてクリーンに
8働きがいも経済成長も
9産業と技術革新の基盤をつくろう
10人や国の不平等をなくそう
11住み続けられるまちづくりを
12つくる責任 つかう責任
13気候変動に具体的な対策を
14海の豊かさを守ろう
15陸の豊かさも守ろう
16平和と公正をすべての人に
17パートナーシップで目標を達成しよう

どの項目もすべて食につながっていると感じますし、項目の多くで栄養士・管理栄養士の力を発揮できると思いませんか。

例えば、2021年に東京で国際栄養サミット(東京栄養サミット2021)を行いましたが、これは17のゴールの中の「3すべての人に健康と福祉を」「4質の高い教育をみんなに」にも当てはまるといえますね。

ボランティア活動との出会い

20歳代30歳代は、仕事や家庭に追われる日々の中、いつかはボランティアができる人になりたいと考えていました。
40歳代は、マンスリーの寄付金ははじめていましたが、時間にも気持ちにも余裕がなく年月がたってしまいました。

管理栄養士として独立し主に特定保健指導をやっていましたが、コロナ禍で閑散期になったタイミングで、視野を広げようと重い腰をようやく上げたことが活動のきっかけでした。

子供が生まれてから特に安全安心の食材を意識して、お世話になった「生活クラブ」では配達時にイベント等のチラシがよく入っていました。
まずはそのチラシの中から、小田原市の生ごみ削減の取り組みとして家庭の生ごみをたい肥(畑の肥料)にする活動団体 生ごみ(いきごみ)クラブ主催 のイベントを見つけ、参加することにしました。

そこで出会った方の志に賛同し、できる範囲でボランティア活動を始めました。

ソーラーシェアリング下のハーブ畑での活動

小田原市には、耕作放棄地にソーラーパネルをたて、できた電気を地元のレストランや酒蔵に送るシステムがあります。

ソーラーシェアリングと言い、農地の作物を作りながら電気をつくる、太陽の力を農業とエネルギーでシェアする取り組みです。

足元の資源を見直し、暮らしに必要な食やエネルギーなどを自分で賄い、支えあう社会づくりの重要性が増すなか、再生可能エネルギーの推進とともに耕作放棄地を再生させるこの取り組みは、まちを活性化させることにつながります。

私は、自宅からだと車で40分程度での場所で、ソーラパネルの下で生ごみ堆肥を使ったハーブ畑を作りたいという方のお手伝いをしています。
もちろん、農薬や化学肥料は使っていません。

私自身、自宅で生ごみたい肥を作り始めていましたが、そんなに使うほどの大きな庭も畑もありません。
生ごみたい肥を買い取ってくれる市町村もあるようですが、地元にはそのシステムはないので、ハーブ畑で使ってもらうことにより循環できるのは一石二鳥になるし、素晴らしい出会いだと思いました。

現在は、月に1回程度、耕作やたい肥入れ、草むしり、苗の植え付けや収穫、収穫物の洗浄・乾燥のお手伝いをしています。

学校の理科で植物を育てた程度の経験しかなく、畑で育つのを見るのが初めての野菜も多々あり、食のプロとは言え知らないことばかりでした。

周りの畑から農薬が飛散し、土壌に農薬が入りこむ可能性もあるので、ハーブ畑で農薬を使っていなくても、無農薬とうたえないということも、初めて認識しました。
無農薬とは言えませんが、「農薬不使用」のラベンダー・日本薄荷・レモングラス・アップルミント・バジル・イタリアンパセリ・季節の野菜・花など色々と自信をもって育てています。

ハーブ畑のメンバーや近所の畑の農家の方だけではなく、畑以外のつながりも色々増えていきました。

例えば、福島県のひまわりを育てて種から油を取り商品化するプロジェクトの協力、小田急ワーケーションとして畑作業をご紹介するイベント、畑でとれたハーブで作ったラベンダースティック・精油・ティー等を使った地域でのワークショップ等々です。

ワークショップのお手伝いでは、ハーブティーの効能などを講話することもありました。

仕事だけでは、出会えなかったであろう方々と日常ではなかなか味わえない体験をしています。

栄養士・管理栄養士ができること

栄養士・管理栄養士は、食のプロフェッショナルとして仕事をすることはもちろんですが、仕事以外にも少し視野を広げてボランティアをしてみるのはいかがでしょうか。

睡眠時間も取れないようなご生活であれば、睡眠優先で消極的休養が必須ですが、ストレス解消には適度な運動や気分転換等の積極的休養も有効です。
興味をもったものや、ご縁があって誘われたものに参加するのもいいかと思います。

本ブログにもあった、お米つくり体験や酒蔵見学、ライスレジンなどもとても興味深いです。

聞いたり読んだりすることで、おおよそのことは理解できますが、実際に体験することで記憶にしっかり残り、自分のものになります。
生涯、楽しみながら学んでいきたいですね。

次回は、少し掘り下げて、生ごみたい肥について、ハーブ畑の収穫物から作る精油やティーについてご紹介する予定です。