Online Salon ~栄養士が知っておきたい睡眠~

こんにちは!Dietitian Job営会社、東洋システムサイエンスの栄養士 山田です。
本日は3月17日に開催した「Online Salon ~栄養士が知っておきたい睡眠~」について報告いたします。

当日は睡眠のテーマに関心をお持ちの19名の皆様にご参加いただきました。
関目先生の講話に始まり、皆様の業務(栄養管理や栄養指導)の中で、悩んでいることや疑問などを共有し合い、経験談も交えて和やかな雰囲気で交流をする事ができました。

自己紹介

まず、参加者の皆さんに自己紹介をしていただきました。
今回は参加人数も多いことからアイスブレイクは抜きで、自身の職場・お仕事について一言ずつご紹介していただきました。
施設や病院・クリニック、特定保健指導に関わるなど色々な職場、様々な対象者を対応する方がご参加下さいました。

栄養士が知っておきたい睡眠

関目先生は管理栄養士として特定保健指導でご活躍されながら睡眠に関する企業でセミナーやカウンセリングを行っており、ご自身の体験もからめた睡眠についての知識をお話しいただきました。

先生自身が体験した睡眠と日中の生活との関係から、睡眠時間を減らして得られるものはない、きちんと眠る事で仕事も勉強もダイエットも上手くいく
つまりは『睡眠の知識があるだけで人生がかわるのではないか』と思われたそうです。
お話の内容を少しだけご紹介します。

休養は、休む・養う

生理的休養:身体を休めるために、ぐっすり眠る・バランスのより食事で体を整える
心理的休養:気分転換してストレスを軽減、趣味・スポーツ
社会的休養:旅行・外食、部屋の片づけなど環境を変えることで気分転換

色々ある休養の中で、今回は生理的休養の「睡眠」に焦点をあててお話をしていただきました。
睡眠とは、「何もせずに横になっている」わけではなく、「脳や体を積極的に回復させる仕組み」であり、
脳の記憶の整理、身体の疲労物質の除去、骨格筋の修復など様々な役割があります。

厚生労働省の資料より、睡眠欲求にはアデノシン、アミノ酸のセロトニン・トリプトファンを元に作られるホルモンのメラトニンが関係しています。
これらは眠る瞬間に限らず、24時間1日を通して関係します。

睡眠時間が短くなると病気や死亡リスクが高まり、肥満やメタボといった身体への影響もあります
(栄養士の仕事に深く関係する作用としては、睡眠時間が短いとレプチンが減少しグレリンが増加して摂取エネルギーが増えることと、
疲労感から活動量が減ったり、筋肉がつきにくい状態になったりして脂肪燃料しにくい状態になることが大きい)。

睡眠衛生指導で重視するのは「日中の眠気」です。
厳密には「睡眠を良くすること」より「日中の生活に支障が出ないこと」が大前提で、何時から何時まで寝ましょうねという一辺倒の指導内容ではありません。
日中に眠気を感じている方、眠気を感じないままでマイクロスリープ(一瞬意識がなくなる状態)を起こしている方(自身での寝不足の自覚の有無にかかわらず)へ、そういった状況からの改善を目指します。

睡眠改善の順序

起床リズムの固定:365日同じ、最大でも2時間差でないと時差ボケになりやすい。就寝時間はある程度変動しても大丈夫。
日中の活動量:仕事の疲れではなく筋力運動で成長ホルモンを出させること。起きたら日光を浴びて、バランスの良い朝食をとることも成長ホルモン分泌に有効。
昼寝について:15時前までに15~20分、睡眠不足の方の保障的仮眠は2時間位でも良い。
夕方以降の過ごし方:激しい運動をしない、強い光を浴びない、入浴して体を温めるなど。寝る2時間前くらいからの過ごし方・環境の調整を。
就寝前の過ごし方:アロマやストレッチ、自分に合った寝具などが大切

保健指導の中で

よくある質問に対してどうお答えしているかの回答例をいただいたり

面談での取り入れ方をご紹介いただきました。

栄養士としては空腹感が強い状態に対して睡眠前の飲食はすすめにくいけれど、
睡眠改善を一番の目的にするなら空腹による交感神経優位状態を回避させるものを食べてもらうこともあるそうです。

このように、睡眠についてしっかり学ばせていただきました。

交流タイム

参加者多数のため、自己紹介で概ね同じような職種になるよう2グループに分けて行いました。
参加させていただいた方は、睡眠中の途中覚醒や、高齢者の座りながらの居眠り、女性の睡眠不足など活発に意見交換されました。
もう1グループでは、「デスクワーク中心で体は疲れていないが頭は疲れていて、自分の時間をとろうとすると就寝も遅くなり早起きできず朝食も抜いてしまう」方に、帰宅後気持ちをオフモードに持っていき速やかに就寝してもらうためにはどうアドバイスしたらよいかについて話し合っていました。

先生が参加して下さっている時間はそれぞれ、どのように睡眠を確保していくか、高齢で睡眠薬服用中の日中の睡眠状況についてなどのアドバイスをいただきました。
活発な議論に対して交流の時間が足りていなかったのでお話足りない部分もあったと思うのですが、とても有意義な時間になりました。

参加者感想(一部抜粋)

〇睡眠は生活習慣を変えることが割と難しく、お声がけが参考になりました。ありがとうございました。

〇時間栄養学から睡眠習慣と健康状態について理解を深める必要があると感じていました。今回参加させていただき、睡眠と栄養状態の関係がよくわかり、睡眠(休養)の聞き取りから生活習慣の聞き取りに活かせると発見になりました。体の調子など実感を伴うことなので、動機付けにも繋げられやすいと感じ、特定保健指導等の際にも活用していこうと思います。

〇同じ栄養士でも職域が変わると、それぞれの立場からの視点でのお話が伺えたので、とても勉強になりました。ありがとうございました。

〇交流会よりも睡眠の話をしてくださった講義の方が大変興味深く面白かったです。 グループディスカッションも人数が多かったので話す内容が広すぎてまとまった感じはしなかったです。

今回ご参加いただいた皆様ありがとうございました

次回の交流会は「栄養士各業界事情と転職」をテーマに、皆様が経験してきた業界の良い点・悪い点や、入職前に知っておきたかったこと、
役に立った栄養士以外の資格などの裏話、求人票でチェックするべきポイントについて・・・等々おしゃべり中心での開催を予定しております!

皆様のご参加お待ちしております。