SDGsにつながるボランティア活動  ~ハーブティー&エッセンシャルオイル(精油)~

こんにちは。外部執筆スタッフの管理栄養士 長谷川晴美です。

私が出会ったSDGsにつながるボランティア活動として、前回は、生ごみ堆肥・段ボールコンポストの作り方をご紹介しました。
今回は私がお手伝いしている畑で収穫したハーブから作るハーブティーとエッセンシャルオイル(精油)についてお伝えします。
皆様の何かのお役に立てれば、嬉しいです。

SDGsにつながるボランティア活動

 

小田原市では、ソーラーシェアリングという取り組みを行っており、私は耕作放棄地を利用した「おひるねハーブ畑」のお手伝いをしています。

夏はサムネイル写真のように、ハーブにまぎれた雑草との闘いで、農薬を使わない栽培をしているためひたすら草むしりをしますが、ハーブのさわやかな香りに包まれ癒されます。

秋頃に収穫が完了すると、ハーブティーやエッセンシャルオイルを作って、地元のイベントやアロマスプレー・ハンドクリーム等のワークショップで紹介しています。

地産地消の観点から考えると、SDGs17のゴールの中の
11 住み続けられるまちづくりを
12 つくる責任 つかう責任
15 陸の豊かさも守ろう

に当てはまる取り組みと考えています。

ハーブの種類とハーブティー作り

ハーブ類は、料理の香り付け等の香辛料、肉の臭み消し、薬味、サラダ、デザートや飲み物の添え物等、食用だけでなく、保存料、薬、香料、防虫に利用されるものもあります。
ハーブティーだけでも、様々な種類があり、学べば学ぶほど奥が深いです。

日本薄荷

メインで育てている、日本薄荷 『ほくと』 は北海道の和種薄荷で、薄荷オイル抽出量を上げるために改良された品種です。
現在、北海道で多く生産されています。
小田原市曽比のおひるねハーブ畑では2021年春にはじめて苗を植えましたが、粘土質の土地や隣の田んぼの水入れの浸水被害にも負けず、小田原の土地に根付いて育ってくれました。

清涼感のある香りに集中力アップ・リフレッシュ・鎮静作用・鎮痛作用などが、メントールの成分に冷却・抗菌・虫よけ・消臭・鎮痛効果があります。
薄荷ティーの効能は、胃腸の不調、飲みすぎ、食べ過ぎ、食欲不振、消化不良、胃痛、吐き気、のどの痛みです。

乾燥させた薄荷は、サシェ(香り袋)やハーブバス(薬草湯)にも最適です。
煮だしたものは、スプレー容器に入れれば虫よけやお掃除に使えますし、染物もできます。
濃い目の薄荷ティーに砂糖や水飴を入れ、煮詰めて薄荷キャンディーや、お好みのアルコールの割りものにしても美味しくいただけます。

アップルミント

育てやすく、手のかからないハーブです。アップルミントも日本薄荷もミントの仲間です。
アップルミントティーの効能は、薄荷と同様です。

食品には、身体を暖めるものと冷やすものと中性のものがあります。
薄荷ティー・ミントティーは特殊で、冷えている人は身体を暖め、熱を持っている人には熱を冷ましてくれます。
夏場はひんやり、冬場はぽかぽかします。

レモンバーム

虫よけ作用もあり、畑では近くのバジルを虫から守ってくれた優れものです。
レモンバームティーの効能には、抗うつ作用があるので、気持ちを明るく前向きにしてくれます。
その他、アレルギーの予防、不眠、消化器系の不調にも作用して胃の調子を整えてくれます。
風邪のときに温かいレモンバームティーを飲むと、発汗を促進して体温を下げ、毒素の排出を助けるともいわれています。

仕事の合間やお休みの時などに、お好みの香りにつつまれたティータイムはいかがでしょうか。
香りや味が好みと思うものが体に合っている証拠ですので、選ぶときの参考にしてください。

ハーブティー作り

葉・茎・花を水洗いしたものをそのまま、または干物用の網やザルや洗濯ネット等に入れ風通しの良い日陰で1週間ほど干して、長めの茎は細かく刻んで茶葉にします。
乾燥させれば一年中お茶として楽しめます。

茶葉をティーポットに入れて熱湯を注いで数分蒸らしてできあがりです。
ホットでもアイスでも美味しくいただけます。

エッセンシャルオイル(精油)の作り方

上記の写真は、水蒸気蒸留器です。ステンレス製とガラス製があり大きさも様々です。
ハーブティーと同様に乾燥させ(葉や茎や花も含む)はさみやフードプロセッサーで細かくしたハーブを水から煮だし、水蒸気を水で冷やして落ちてきた液体から抽出しています。

下記の写真の、水に浮いている油がエッセンシャルオイル(精油)です。

下の水を先に出して捨て、エッセンシャルオイル(精油)を瓶詰にしてできあがりです。

花が咲く頃の薄荷は採油量が最も多いです。
今シーズンのある日の蒸留では、乾燥茶葉900g(生4.5kg)で38.5mlが摂れました。

気づきの大切さ

第1回でも触れましたが、この畑でとれるものは便宜上「無農薬」という言葉を使いますが、実際は「農薬不使用」の表記でなければならないということを畑のオーナーから教えていただきました。

また、仲間内の会話の中で、市販のエッセンシャルオイル(精油)の原材料が農薬不使用かわからないということ知り、自分たちで作るものが安心安全ということにも気づかされました。

リフレッシュ等のために使っているエッセンシャルオイル(精油)が高価なことも、実際に作ってみれば、採油量が少ない物の希少価値、手間暇かけられていることを考えれば、納得です。

私たちの生活は、様々な取り組みに、支えられています。
ボランティア活動を通して、いま当たり前にあるものが当たり前ではないこと、自然を相手にした農業の大変さ自然との共存の大切さに気づかされました。

私たちは栄養士・管理栄養士として働き多忙ではありますが、セミナーに参加することや書籍を読むことで家にいても、知識の引き出しを増やすことができます。
対面のイベントに参加すれば、普段はかかわりの薄い他職種の人や色々な年代や国籍の方との出会いがあり、世界を広げるチャンスがあります。
知らないことを知ることの喜び、気づきを得ることで、感謝の気持ちや幸せを感じることができます。
私自身、まだまだですが、興味をもったものやご縁があったものを大切に、大きなことではなくてもいい、小さなことをコツコツと日々積み重ねて、丁寧に生きていこうと思っています。

SDGsにつながるボランティア活動シリーズを、最後までお読みいただきありがとうございました。
皆様の、様々なステージでのご活躍、楽しみにしています。