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保健指導はあきらめが肝心 ~明らめと諦めを使い分けること~

2019.07.28

こんにちは、東京人材事業部 加藤です。

ようやく各地で梅雨明の知らせを聞くようになりましたね。ただ、その後の猛暑を想像するだけで気が重いですが、皆さまはいかがお過ごしですか?

 

そろそろ特定保健指導の業務が繁忙期になってまいりますね。これをご覧の方の中にも忙しく初回面接をこなしている方もおられるのではないでしょうか。

 

さて、私の特定保健指導のスキルについてのブログも第3回となりました。

今回のテーマは「あきらめが肝心」です。

「あきらめ」という言葉を検索すると「明らめ」「諦め」が出てきます。それぞれの言葉の意味をグーグルで検索した結果はこの通り。

 

「明らめる」

1 事情や理由を明らかにする。はっきりさせる。

2 心を明るく楽しくする。気持ちを晴れやかにする。

 

「諦める」

1 もう希望や見込みがないと思ってやめる。断念する。

 

この二つの「あきらめ」をどのように使い分ければいいのか?

それでは実際に事例を使ってご紹介しますね。

 

Q.A様 男性45歳。

配送センター事務員。

腹囲95、BMI28、血圧138/89、中性脂肪580、LDL142、γ-GT150 血糖値は問題なし。

 

この方は毎日お酒を2合以上飲み、単身者のために自炊はせず、総菜やコンビニ弁当を利用しています。甘い飲み物やお菓子なども週3~4回の頻度で摂っています。

配送センターの事務員なので勤務時間もシフト制で不規則。運動する時間はありません。通勤も車です。

 

そしてこの方はお酒が何よりの楽しみで絶対にやめたくないと言っています。

参加した理由も会社にいわれて仕方なく、というスタンスなのであまり意欲的ではありません。

 

 

まず、第一にすることは健診結果とその数値を引き起こしているであろう生活習慣を「明らめること」です。

いわゆるアセスメント、というやつですね。

生活習慣との因果関係性をはっきりさせてそれを対象者に説明しなくては、対象者の気付きや動機づけにつながりません。

 

では、この対象者の場合、原因として見えてくるものはなんでしょうか。

 

毎日の飲酒2合、間食や甘い飲み物が多いこと、コンビニ弁当などを利用していること、運動する機会が少ないこと……いろいろ見えてきますね。

 

内臓脂肪もたまっていて、中性脂肪もLDLもγ―GTも高い、となると一番有効なのは毎日2合の飲酒習慣をどうにかすることだ、というところに落ち着くかと思います。

 

そこでまず、お酒の健康への影響について伝えようと熱心に時間をかけてしまう方もいるのではないでしょうか。

 

もちろん、指導者側の熱意に打たれ、そこで素直に「そうか、ならお酒をやめるよ(減らすよ)」となってくれればいいのですが、はたしてそううまくいくものではありません。

 

では、うまく説得できなかった場合はどうしたらいいか?

そのために大切なことが「諦める」ことです。

 

実は特定保健指導には健診結果とその因果関係を「明らめる」以外に、もうひとつ「明らめ」なければいけないものがあるのです。

 

それは対象者の気持ちです。

行動変容ステージ、というやつですね。

この事例の対象者は「お酒がなによりの楽しみで絶対にやめたくない、意欲的ではなく会社にいわれて仕方なく参加した人」です。

 

今回のγ―GTの数値から推測するに、これまでだって何回かお酒のことを注意されたことがある人なのだと思います。それでもやめたくないんです。

 

やめる、もしくは減らすことが正しい知識なのだとしても、それでも受け入れたくないし、これをいわれた瞬間に

 

「また同じ話かよ、お酒は減らさないって言ってるじゃないか。唯一の楽しみなんだぞ」

 

と構えてしまい、指導者に苦手意識を持ってしまい、その後の面接の時間が険悪な雰囲気になってしまうかもしれません。

 

 

特定保健指導というのは健診結果の説明をしてそれを改善するために生活習慣を見直してもらうことも大切ですが、その指標として目標体重(腹囲)と削減エネルギーと行動計画を導き出さなくてはいけません。

 

この項目は必須です。

 

どんなに険悪な雰囲気になってもこれはやらなければならないのです。

 

「時間切れで何も決まっていません、すみません!」ではすみません。

 

「お酒はやめたくない、しぶしぶ来ている」対象者のスタンスははっきりしているのですから、それでもお酒の話をし続けるのは指導者の対象者の気持ちに対する「明らめ」が足りない、と言えるかと思います。

 

対象者の反応が薄い場合に必要なのは、是が非でもお酒への影響を理解してもらうことではなく、お酒の話はしても響かないんだなと指導者側が「諦める」ことです。

 

ではこの対象者の場合ならどうするか?

 

問題点はお酒以外にもたくさんあります。

 

例えば、間食には何を食べているのか?

 

菓子パンや洋菓子を食べているのであればそれを減らすだけでも、体重も減るし、中性脂肪やLDLコレステロールを下げることにつながります。

 

普段利用しているコンビニ弁当や総菜は何を選んでいるのか?

 

甘い飲み物はどんなものを飲んでいるのか?

 

体を動かすことへの気持ちはどうか?

 

この対象者の気持ちを明らめ、興味を持ちそうな提案をこちらでいくつか出すのです。

 

自分の主張が受け入れられ、さらに別の項目に取り組んでも、具体的な改善が期待できるのであれば対象者も意欲を持ち直すかもしれません。

 

「お酒をやめなくていいなら、他のことを頑張ってみようかな」と。

 

実際に、私が以前参加した研修会でロールプレイを行った際、同じように「お酒をやめたくない」といった対象者役に対して私はそれを深追いしませんでした。

 

ただし、体への影響は説明し、『今はいいですけれど、お酒が原因なのはたしかです。体重に変化が出なかった時とか、検査結果が変わらなかった時は、改めて考えていきましょうね』とうながし、減量目標、そして他の数値を改善するための行動計画を立ててロールプレイを終えました。

 

そして、ロールプレイ終了後、その時対象者役だった方から『お酒をやめたくないという自分を認めてもらえて嬉しかった、他のことをやっても体重や数値は改善すると提案されてそれくらいなら頑張れそうだと思った』と言われました。

 

指導者役だった私がお酒への説得を一旦諦め、健診結果と生活習慣から明らめた他の項目についての改善ポイントを提案をしたことで対象者役の方の気持ちが楽になり、改善してみようという気持ちになったのであれば、これはこれでOKだと私は思います。

 

だって指導者にも「あきらめ」が肝心なように、対象者にも「あきらめる」ための時間は必要だと思いませんか?

 

まずは対象者が自分で決めたことに取り組んでもらい、それを続けていく中で、

「ああ、やっぱりあの時いわれたようにお酒を見直したほうがいいのかもしれない」

あきらめてもらえれば、それこそがお互いにとっての最高の着地点なのですから。

 

 

ただし、これは私の考え方です。こうしなければいけないというわけではありません。

 

「いやいや、違うし!」

「私はこういうアプローチでうまくいってるし!」

 

と思う方がいても当然です。いろいろな経験の中で自分のやり方を見つけていただければいいのではないでしょうか。

 

これまでのブログ

特定保健指導の指導員の方におススメしたいこと

特定保健指導初回面接の心得について

 

 

 

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